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ピープルツリーの日々のこと

水曜日

17

7月 2013

「フェアトレードから見えてくるファッションの未来について考える」 - Lee Japanの細川さんを迎えてイベントを開催しました!

Written by , Posted in Safia’s Journal, ニュース

こんにちは。
サフィアです。

先週の金曜日に、SHIBAURA HOUSEで「フェアトレードから見えてくるファッションの未来について考える」セミナーを開催しました。
Lee Japan取締役の細川さんを迎えて、ファッション産業の状況が少しでも改善するよう、アジアやアフリカで長年に渡り目の当たりにしてきた恐ろしい話など、私たちの経験談を会場のみなさんと共有しました。
モデレーターの末吉里花さんの進行もすばらしく、会場のみなさんから考え深い質問を受けつつセッションは活発に進んでいきました。
私は日本語で話をし、今回は手話の同時通訳もあり、インターナショナルでバリアフリーなイベントとなりました!
手話はアシシ・ガーメンツの女性たちとの仕事を思い起こさせてくれました。
アシシには耳や口が不自由な女性たちも働いていて手話でやりとりするのです。

細川さんは2007年からウガンダでのオーガニックコットンづくりに取り組まれています。
Leeでは様々なデニムを取り扱い、年間120万点の商品のうちの3分の1にあたる40万点にオーガニックコットンを使っているそうです。それが12,000円ぐらいで購入できるなんて、良質なジーンズとしては本当に良い価格だと思います。
私たちの農家さんがつくったオーガニックコットンを使って、いつかLeeとコラボができたらなんてすてきなんでしょう!

デニムの生産は汚染が激しく、驚くほど不健康的でサステナブルでない方法で生産されてきました。
その現場に変化が起こり始めたのはまだつい最近のことです。
>> war on want(貧困問題の解決を目指すイギリスのNGO)によるデニム・レポート(PDFファイル)

細川さんは、Leeに入社し研修でデニムの生産現場を訪れたときに目にした驚くべき光景について話してくれました。
当時はケミカルウォッシュのデニムが流行っていた時代。
漂白剤を使ったストーンウォッシュ加工を施すために、作業員がひどい喉の痛みに苦しみ、手袋をしていても手が赤くなり指の指紋がなくなってしまうほどだったそうです。
現在の日本の生産現場では改善されているそうですが、このような生産が今では途上国に移行して行われており工場労働者の健康と安全は大半が守られていません。

私からは、ファッション業界での20年で見てきた通常のファッションとフェアトレード・ファッションの違いについて話をしました。

通常のファッションとフェアトレード・ファッションにはたくさんの違いがあります。
イッセイミヤケやコム・デ・ギャルソンなど、ブランドが生産者と一緒に誇りを持って生産プロセスを楽しみながら仕事をしていた時代から移行してしまった、という点で私たちの意見は同じでした。
ファッションの「調理場」では、技術的なノウハウや熟練の職人技がまず最初にきます。
しかし今日ではファッションの「メイキング」部分への関心は薄れ、小売業者は自分たちの仕事や生産地について本当のことをオープンにせず、業務の下請けや児童雇用、搾取的慣習が蔓延してしまっています。

私たちの世界は小さくなり「グローバル・ヴィレッジ(地球村)」へ移行しましたが、ファッション企業は私たち消費者が求める透明性やアカウンタビリティ(説明責任)への義務を負っていません。だからこそ私たち消費者が求めなくてはいけないのです!!!

すばらしい参加者のみなさん、たくさん質問してくださり議論へ活発に参加してくださって本当にありがとうございました。
今まで参加した中でも、最も心に残るイベントのひとつになりました。

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