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ピープルツリーの日々のこと

火曜日

19

9月 2017

ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)に聞く
ピープルツリーとのコラボレーション

Written by , Posted in おしゃれ

V&Aのライセンシングリサーチ&商品開発マネージャーであるアメリア・カルバーさんに
ピープルツリーとのコラボレーションについて伺いました。
(英国のピープルツリーで掲載されたブログの翻訳記事になります)

――ピープルツリーとコラボした理由を教えてください。
ピープルツリーとV&Aは、専門分野が異なるものの、品質や手仕事、ひらめきや技術革新に対する情熱は同じだと感じています。私たちの使命は博物館の芸術作品をより身近にすること。ピープルツリーとともに活動できたことは喜びでした。

V&A OCサテンシードプリント・長袖シャツワンピースは、ボタンを開ければ羽織としても着られる。

――コレクションが生まれるきっかけはどんなことでしたか?
V&Aで2018年2月から始まる展示、「オーシャン・ライナー~スピードとスタイル~」展の世界観からピープルツリーがヒントを得て、コラボレーションが始まりました。
1920~30年代のオーシャン・ライナー(タイタニックに代表されるような豪華客船による旅行)の黄金の時代は、ファッションやエンターテイメント、インテリアから建築にいたるまで、あらゆる分野を通じて流行したアールデコ・スタイルと密接な関係があります。その時代のデザイナーたちは、ファッションと船上のライフスタイルというアイデアに注目。リラックスするための普段着からデッキ上のテニス、晩餐のためのイブニング・ガウンまで、それぞれのシーンに活躍する洋服が必要になるため、ファッションが重要だったのです。そして、オーシャン・ライナーは最新ファッションを披露するには最適な場所でもありました。船内の食堂につながる劇場のような大きな階段は、最先端ファッションに身を包んだ乗客たちの舞台に。オーシャン・ライナーの流線型の建築は、ファッション・ショーや撮影のロケ場所となることも多かったのです。ファッション同様、オーシャン・ライナーの旅は人びとの夢と現実をつなぐ「場」としての機能がありました。
また、1930年代の洗練された女性たちは、誰もが花柄プリントの洋服を持っていました。ピープルツリーが選んだ柄は、夏の芝生の上やオーシャン・ライナーで開かれたティーパーティーで着ていたエレガントな洋服を思い起こさせてくれます。

――あなたがV&Aで働くようになった経緯と、仕事について教えてください。
私は英国のアングリア工科大学で芸術史を勉強しました。卒業後インターンをしたいと考え、オークション・ハウスに手紙を出したところ、絵画の保管庫での仕事をもらいました。芸術史が得意でしたし、素晴らしいことだと思いました。さらに、自分にはアイデティックメモリー(映像記憶)があることが、後々わかったのです。230万点以上も作品を所蔵する博物館で、これは計り知れないほど貴重なことです! 10歳の頃に訪問して以来、私はV&Aが大好きでした。1回目の訪問では、すべてを探検し尽くせないと悩んだことを覚えています。でも、悩むことはありませんでした! 私は2000年からずっとV&Aで働いています。ここで私はライセンス事業部で仕事をして、世界中のパートナーにデザイン・リソースやブランドの承認を出しています。


V&A OCサテンシードプリント長袖ブラウスは、背面にフリルがほどこされたデザインがかわいい。

――今回のコラボレーションの中であなたが好きなものは何ですか?
私が大好きなのはV&Aチューリッププリントのフリルブラウスです。心地よさとエレガントなフリルが大好きです。仕事ではいつも身なりを整えるようにしています。でも朝はカメラを手にクロスワーカーズ(V&Aの別館でファッション関連の資料やテキスタイルが保管されている)のはしごを上がり、さらに博物館の華やかなイベントに出ることもあります。ですから、どんな状況でも対応できなくてはいけないんです。ピープルツリーのV&Aとのコラボ商品はとても幅広く使えるため、ドレスアップもカジュアルダウンも簡単です。

V&A チューリッププリント・フリルブラウス。きれいめにも、カジュアルにも対応できる万能なデザイン。

――V&Aの今後の活動について教えてください。
前述の通り、2018年2月からV&Aでは船旅の黄金時代に想いをめぐらせ、「オーシャン・ライナー~スピードとスタイル~」という新たな大きな特別展を開催します。マサチューセッツ州セイラムのピーボディ・エセックス博物館との共催、後援にバイキング・クルーズ社(米国の客船運航会社)を迎え、国際的な規模でオーシャン・ライナーのデザインや文化面での影響を探る初めての展示となります。建築やインテリア、船上で発展したファッションやライフスタイルまであらゆる側面を探索できる展示となっています。楽しみにしていてください。

――ありがとうございました。

撮影:Audrey Reglioni

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