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ピープルツリーの日々のこと

金曜日

11

5月 2018

Message from James Minney - 世界フェアトレード・デーに向けて

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2018年の世界フェアトレード・デーに向けて、フェアトレードに胸を躍らせ、その輪を広げることに力を貸してくださったみなさまに、心より感謝申し上げます。

1960年代から徐々に、そして少なくとも1980年代以降は明らかに、私たちを取りまく経済システムは何かしらの役に立つ一方で、子どもや孫たちの未来に必要な資源までをも消費し続けています。

1991年にフェアトレードでピープルツリーがスタートしたとき、私たちは別に新しいことや特別なことをしていると思っていたわけではありません。――日々の暮らしの中でこんなものがほしい、フェアトレードで環境に優しい生活をしたいという思いだけでした。初めて日本にやってきてまだ誰も知らないけれど、同じようなことをしている人がいるに違いない、私たちもとにかくやろうと。

そして同じ思いの人たちと出会いました。

やがて、やっていることは少し違っていても、同じ志をもつ人の輪は広がっていきました。数年のときを経て、私たちはヨーロッパで行われているフェアトレード・デーを日本に紹介し、WFTO(当時はIFAT)に世界フェアトレード・デーを設定しようと呼びかけました。ピープルツリーのお客さまや卸先のみなさまだけでなく、たくさんの方々が喜びを持ってイベントやコンテスト、メディア報道を通じて関心を高める活動をサポートしてくださり、いまでは「フェアトレード」を知っていて、正しく理解している人は30%になりました。本当にありがとうございます。

長年のパートナー。バングラデシュの生産者団体「タナパラ・スワローズ」


汚染されていない農地がなくなって、河川がなくなっても、お金を食べることはできません。心が乾いてしまったとしても、お金が私たちを潤して再び人間らしくしてくれることはないでしょう。お金と貿易とビジネスは生態系の一部です。――いわば血液やリンパのように。ふだんあまり意識していませんが、それは人の身体を循環しています。知識と注意が足りなかったために、ひとたびその流れが止まってしまうとしたら、大変なことになります。

ピープルツリーを始めたとき、私たちはそう思っていなかったのですが、やはり確かに何か新しいことをしていたようです。そして今、このビジョンをさらに発展させ、フェアトレードを次のフェーズに導くトーチがたくさんの人たちによって掲げられています。さまざまな角度からのアプローチが増え、たくさんあることがとても嬉しく、ワクワクしています。なぜなら、私たちが望んでいることは、すべての貿易がすべての人にとってフェアで、人と環境に配慮されたものであることなのですから。

ジェームズ・ミニー


ジェームズ・ミニー (James Minney) ピープルツリー代表取締役/創設者
イギリス出身。幼少期をケニアで過ごし、国際問題や貧困問題の活動をパワフルに繰り広げる両親の背中を見て育つ。英国オックスフォード大学ベリオルカレッジ卒業し、ロンドンおよび東京の日系/外資系の大手金融機関に勤務。1989年に来日。金融機関の仕事の傍ら、サフィア・ミニーと共に1991年に環境・貧困問題に取り組むNGO「グローバル・ヴィレッジ」を立ち上げ、1993年にフェアトレード商品を共同開発、カタログによる販売を開始。1995年に、フェアトレードブランド「ピープルツリー」を展開するフェアトレードカンパニー株式会社、2001年ロンドンに「ピープルツリーリミテッド-People Tree Ltd(PTLtd)」を設立。2007年にピープルツリーの活動に専念するため、金融機関を退職し、FTCo及びPTLtdの取締役に就任。2015年12月にFTCoの代表取締役に就任し、現在に至る。

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