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ピープルツリーの日々のこと

水曜日

13

5月 2020

#Planet Fair Trade つながって、支えあって生きる

Written by , Posted in 生産者のこと

いま地球に暮らすすべての人が、同じ試練に立ち向かっています。
みんなが離れた家族や友人を想い、最前線で戦う人へエールをおくり、困っている人に手を差し伸べています。

今回の試練は、私たちにいろいろなことを考えさせ、気づかせました。
そのひとつは、同じ地球に住む私たちは、つながり、支えあって生きているということ。
広く大きな地球で、私たちはともに戦い、助け合っているんだと感じました。

この試練を乗り越えていくには、このつながりをより強いものにしていくことが必要です。
そしてそのつながるための手段のひとつが、フェアトレードだと信じています。

生産者のみなさんが一刻も早くいつもの生活を取り戻せるよう、
ピープルツリーでは5月1日から寄付キャンペーンを開始していますが、
より多くのみなさまからご支援をいただくために、
クラウドファンディングサイト「READYFOR」でのご案内を始めました。
目標金額を達成した場合のみ支援金を受け取ることができる(All-or-Nothing)方式で
6月5日までの間に120万円の達成を目指しています。

すでに約20名の方の応援をいただいていますが、ゴールはまだまだ遠いので、
これからもたくさんの方々に呼びかけていく予定です。

誰もが厳しい状況にありますが、みなさまのご支援や情報シェアのご協力をいただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします。

クラウドファンディング「READY FOR」はこちら

パートナー生産者のいま

3月下旬から始まったロックダウンはいまだ解除されないまま、5月も中旬になりました。
社会経済への打撃は、貧しい労働者たちの生活に深刻な影響を与えています。

インドやバングラデシュでは新型コロナウイルスの感染者数や死者数が増加し続けているにもかかわらず、
感染者数の少ない地域から、厳格に安全対策を行いながら、徐々に経済活動を再開しようとしています。
ピープルツリーの商品をつくる生産者グループも、いくつかは小規模ながら活動を始めました。

ただ、人口が過密する都市部の生産者はまだ先が不透明な状態。
活動を一部再開しているグループも、輸送状況や社会の混乱から、普段通りの仕事をするにはまだまだ程遠いというのが現実です。

ピープルツリーのパートナー生産者たちはスタッフや地域の人びとへのサポートを必死で続けています。
今後の資金面で大きな不安を抱えながらも、豊富ではない運営資金を惜しみなく使って生活支援する。
貧しい国では「助け合うことは当然のこと」という文化が根付いていることに気が付かされます。

5月1日のブログで、生産者グループのみなさんに聞いた現地の様子をお伝えしましたが、新しく届いた情報やアップデートをご紹介します。

サフィー/ フィリピン

色あざやかなカピス貝のブローチを届けてくれるサフィーからフィリピンのアップデートです。

フィリピンでは3月中旬から始まったロックダウンが5月15日まで延長され、
約2か月も外出制限の日々が続いています。
移動の制限はかなり厳しく、航空便や公共交通機関はすべて停止、
食料や必需品の買いものも各家庭から1人が代表して行っている状態です。

サフィーでも商品の出荷ができず、運営資金に影響を受けています。
今のところオフィススタッフに対しては賃金の支払いを続けていますが、
製品をつくる20の生産者グループの状況は厳しいです。
本来であれば生産者はオフィスに製品を納品した際に支払いを受けるのですが、
それができない今、サフィーから50%の前払いを受けて家族の暮らしを支えています。

政府や自治体もロックダウンにより影響を受けている個人や家庭に対して助成をしていますが、
それにも限りがあり、すべての人に行き渡る訳ではありません。
サフィーでは、海外のバイヤーからの支援を得て、地域コミュニティにマスクを寄付するなど、
地元の人びとをサポートする活動にも参加しています。

このような状況ですが、サフィーでは生産者の仕事と収入を維持するために、
世界中でさらに販路を拡大しようと積極的に新しい商品の企画も進めながら、再開の準備をしています

サフィーの詳細はこちら>

フュージョン/ インド

オーガニックコットンのカットソーなどを届けてくれるフュージョンから現地の様子を聞きました。

インドでは5月3日までの予定だったロックダウンが更に2週間延長されました。
これまで1か月以上に渡る厳しいロックダウンを行ったにもかかわらず、感染者数は日々増加しています。
社会経済や労働者の生活への打撃がすでに深刻な状況ですが、今後の見通しがつかない状況です。

フュージョンで働く約70名のスタッフはみな元気です。
ただ、完全なロックダウンが敷かれているため、
食料品や生活必需品を買いに行くほか外にでることはできず、すべての経済が止まっています。
スタッフには必要に応じて給与の前払いを行っているそうです。

労働者や生活に困窮する人びとに対しては食料、穀物、豆類、ガスボンベなどの配給や
支援金が政府から給付されていますが、企業に対する助成はまだありません。
1日も早く工場が再開する日を待っています。

フュージョンの詳細はこちら>

ボンボルル・ワークショップ/ ケニア

ハンドメイドのアクセサリーを届けてくれるボンボルル・ワークショップからケニアのアップデートです。

ケニアでも感染者の数は日々増加しています。
政府は感染者数を抑えるため、ナイロビやモンバサなどいくつかの主要都市をロックダウンし、
学校やホテル、文化施設を閉鎖、国際便も運航停止にしました。

ボンボルルではソーシャルディスタンスを徹底するため、
シフト制を敷いてサンプルや新しいシーズンの生産を進めていますが、
経営するギフトショップやレストランは閉めざるを得ない状況で、
これらの休業による損失は4000USドルにも及びます。
ジュエリーの制作部門も、取引先である欧米の深刻な状況を鑑みると、
今後の発注がどうなるのかとても心配していると聞きました。

82名の職人に対しては全員にマスクや除菌剤を配り、感染予防に対する啓発などを行っています。
彼らの半数はボンボルルが用意する住居で暮らしていますが、
それ以外の職人たちは、ただでさえ今後食料や医療品の高騰が予想される中、
今後の家賃の支払いにも不安を抱えています。

また、ボンボンルルの拠点にほど近いモンバサ港で大規模な検査が開始されるため、
より正確な感染状況が報告され、更なる規制が行われるかもしれません。

ケニアでは人口の70%が手工業ともいわれていて、多くの人が今回のパンデミックで影響を受けています。
政府からの支援がない中で、ボンボルルでは限られた資金からスタッフや職人への賃金や固定費の支払いを続けています。

ボンボルル・ワークショップの詳細はこちら>

デュー・クラフト/ バングラデシュ

竹やホグラなどの自然素材を使ったカゴを届けてくれるデュー・クラフトから現地の様子を聞きました。

バングラデシュでも感染者数は日々増加していて、
3月26日から始まったロックダウンが5月16日まで延長されることになりました。

デュー・クラフトのスタッフはみな在宅で仕事をしています。
職人たちもみな健康ですが、彼らの多くが日雇いの労働者で他に働き口がないため、
ロックダウンが長引けば生活に困窮する恐れがあります。

デュー・クラフトでは、コロナウイルス感染防止や正しい手洗い、ソーシャルディスタンスの方法などを記載したパンフレット作成し、地域に向けた啓蒙も行っています。

デュー・クラフトの詳細はこちら>

タナパラ・スワローズ/ バングラデシュ

縫製や刺繍だけでなく、バングラデシュでは男性の仕事とされる機織りに至るまで、
多くの工程で女性に働く機会をつくり、
手仕事の技が詰まったアイテムを毎シーズン届けてくれるスワローズから
逼迫した現地のレポートが届きました。

3月末のロックダウン開始とともに工房もオフィスも一時閉めることに。
ただ、機織り機を止めると縦糸が緩んでしまうため、仕事の時間を1日3〜4時間に短縮して
なんとか作業を続けています。

しかし今、165人の職人と50人のスタッフが影響を受けています。
特に職人たちは出来高制のためインパクトが大きく、
また彼女たちの夫の多くは日雇いの仕事をしているため、
ロックダウンの影響で職を失い経済的な不安を抱えています。
組織としても資金繰りに困窮し、賃金の支払いもままならない状況です。

そんな中でもスワローズは、地域に暮らす人たちにマスクを配布したり、医療従事者による感染予防の講習会を開いたり、米、豆、じゃがいも、オイル、除菌剤を全生産者とマイクロクレジットプログラムのメンバーに配給したりしています。
更に支援者より資金の援助を受け、150家族に7日分の食料を供給するなど、
積極的に地域の人びとのための活動を続けています。

タナパラ村の多くの人たちは日々の収入で生活していますが、
仕事がなくなった今、配給されるわずかな食料に頼るしかありません。
生活苦からロックダウンを無視し、家族を養うために街や畑に出る人もいます。

スワローズの限られた資金から地域を支援しようにも限界が近い状況で、
生産部門の代表のサントさんは「自分の人生の中で一番の危機を迎えている」と語っています。

タナパラ・スワローズの詳細はこちら>

クムディニ・ハンディクラフト/ バングラデシュ

毎シーズン美しいブロックプリントの服を届けてくれるクムディニからのアップデートです。

クムディニもすべての運営を停止し、直営ショップも休業しているため収益が絶たれています。
今はラマダン(1か月ほど続くイスラム教の断食期間)で、
本来であれば一番お店が賑わう時期でしたが、今年は様子が一変してしまいました。

生産者や地域の住民2,500世帯に対しては、
米、豆、ジャガイモ、塩などの食料品や、マスク、手袋、除菌剤、洗剤を支援していましたが、
今は厳しい都市封鎖のため供給をストップしています。
ロックダウンが解除されたらまた再開する予定です。

また、クムディニ財団が運営する病院では、外来、入院、救急、すべてにおいてフル稼働で対応し、
医者、看護婦、医療スタッフは必要な防護服と装備が提供されています。

多くの貧困者は故郷の村へ帰り、都市部に住む人はできるだけ自宅待機を心がけています。
その結果、街はガラガラの状態です。
未曾有の病気であり、また医薬品の欠如や医療崩壊など、
他国の状況を見た国民は戦々恐々としています。

クムディニ・ハンディクラフトの詳細はこちら>

ラジラクシミ/ インド

インド全土では5月16日までロックダウンが延長されましたが、
政府は社会経済への影響を鑑み、各地域をグリーン、オレンジ、レッドと3つに分け、
感染者数の少ない地域を対象に少しずつビジネスを再開しています。
ただ、安全を確保するため出勤人数を制限しているためフル稼働とまではいかず、
交通や移動制限もいまだ厳しい状況です。

コルカタとデリー近郊の産業都市ノイダに2つの拠点を持つラジラクシミでは、
特別な許可を得て厳格な安全基準のもとで5月7日からコルカタの工場が再開しました。

休業中は従業員に対して賃金支払いを行うとともに、マスク、除菌剤、
石けんを家族分も含めて配りました。
ラジラクシミのパートナーとしてオーガニックコットンの綿花を育てる農家2団体も無事に過ごしています。
地域に対しては、約500人の日雇い労働者とその家族に食品の配給を
4月中旬からロックダウンが終わるまで続けています。
ただサポートを必要としている人はまだ何千人といますが、限られた人しか支援することができません。

ラジラクシミ/ インドの詳細はこちら>

アシシ・ガーメンツ/ インド

20年以上にわたってピープルツリーのオーガニックコットン製品を届けてくれているアシシ・ガーメンツは、
3月18日から工場を閉め、ロックダウンの延長を受けて今も休業が続いています。
ロックダウンの制限は厳しく、人びとは通院や食料や生活必需品を購入する以外の外出を禁じられています。

政府はごく限られた世帯に17キロの米を支給しただけで、
人びとは食料と生活必需品を求めて苦しんでいます。
そのため、アシシでは休業中もすべてのスタッフに満1か月分の給与を支払い、
近隣の住民にも、米、穀物、油、小麦、野菜、ココナッツなどを支給しています。

アシシで働く管理部門、縫製のスタッフはみな再開の時を待っています。

アシシ・ガーメンツの詳細はこちら>

プロクリティ/ バングラデシュ

いつも自然素材を使ったザルやカゴなどのハンドメイドアイテムを届けてくれるプロクリティから
現在の状況を聞きました。

5月16日までロックダウンが延長されたため、引き続きオフィスでの業務は停止、
生産者である女性たちは工房に出勤できない状態です。
原材料を自宅に持ち帰り少しずつ生産を進める人たちもいますが、生産はほぼ止まっている状況です。

プロクリティでは生産者に対して、再利用可能な布マスク2枚、固形石けん2個、
ドイツのバイヤーからの支援を受け1,100タカの資金を配ることにしました。
また、近隣地域に住む1,100世帯に対しても、布マスク5枚、固形石けん2個、
蚊よけネット1枚または同じ金額相当の食料・必需品、再利用可能なバッグを配ります。
さらに、香港の団体からの支援を受け4,000名の人に対して布マスクを配るそうです。

全てが封鎖されたこの危機的状況の中、最も影響を受けているのは工賃ベースの労働者です。
生活に困窮する人びとは身を寄せ合って暮らす狭い住まいから抜け出す手立てを持っていないため、
ソーシャルディスタンスを徹底することができず危険にさらされています。

プロクリティの詳細はこちら>

ゴダバリ・デルタ・レース/ インド

レース工芸で有名なインド南東部の町、ナルサプールを拠点に活動するゴダバリ・デルタ・レースも3月末から5月上旬までロックダウンにより休業していました。

写真は、女性の職人たちが手編みしたクロシェのマスク。

先週から感染者数の比較的少ない「オレンジゾーン」に区分けされ、ごく限られた数のスタッフがこのマスクをつけて仕事を始めました。

ゴダバリ・デルタ・レースの詳細はこちら>

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