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ピープルツリーの日々のこと

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月曜日

1

10月 2018

マカイバリとラジャ・バナジー氏の新たな挑戦
~ダージリンからの便りと、みなさまへのご報告~

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ピープルツリーが20年以上にわたりお届けしているインド、マカイバリ茶園のダージリン紅茶。
はじまりは1994年、茶園主のS.K.バナジー氏との出会いでした。

マカイバリ茶園のダージリン紅茶

歴史あるマカイバリ茶園を父から受け継ぐにあたり、4代目となるS.K.バナジー氏は、茶畑をとりまく山々の生態系との調和を大切にしたいと考え、人智学者シュタイナーの哲学にもとづくバイオダイナミック農法での茶づくりを始めました。自然や宇宙のリズムと調和した農法は、茶園の村に住み茶園で働くひとびととその家族1700人の健康と、サステナブルな暮らしを守ることにもつながっています。
とくに手摘みの収穫を担う村の女性たちを薪拾いなどの重労働から解放するために、バイオガスを供給する設備を開発・供給したり、茶園の中に学校をつくるなど、バナジー氏はさまざまな取り組みを実現しました。

いくつかの山々を擁す茶園の土地の3分の2、約400ヘクタールは原生林のまま残され、生態系を守りながら40年にわたり育まれてきた茶園には、「ティー・ディーバ」(紅茶の女神)と呼ばれる茶葉にそっくりな擬態虫(写真)が現れました。「もし農業が真にホリスティックな状態で行われていれば、重要な作物には擬態ができるだろう」というシュタイナーの言葉どおりになったのです
学校に通う子どもたちや茶摘みの女性たちが歩く茶畑の土も、豊かにふかふかとしています。

その思いを熱く語るバナジー氏の言葉と、マカイバリ茶園で大切につくられるお茶の風味には、出会うひとびとを魅了する、生命のエネルギーがあふれています。

そして近年では、ダージリン地方の他の茶園でも、バナジー氏の影響と指導を受け、オーガニック栽培、働くひとびとの権利を守るフェアトレードが広がっています。

ところが、昨年夏にこの地方で起きた民族紛争による大規模なストライキで、ほぼすべての茶園でお茶づくりができなくなったというニュースが世界中を駆け巡りました。

インドは日本の8倍の国土を持ち、多様な民族がそれぞれの地方の風土に根差した文化と暮らしを営んでいます。ダージリン地方は北東部、西ベンガル州にあり、ヒマラヤ山脈の懐、ネパールとの国境に位置し、もともとシッキム王国が少数民族を治める土地の一部でした。

シッキム王国は1975年にインドに併合され西ベンガル州とシッキム州に分かれ、異なる民族はそれぞれの固有の文化と尊厳を主張してきました。昨年2017年の6月、ダージリン地方で起こった民族独立・自治権を求める運動は、大規模なストライキへと発展し、さらに中国との国境をめぐる周辺地域での紛争も起こり、ダージリン地方の交通機関、ホテル、商店、政府系オフィスも3か月にわたって機能停止状態となり、マカイバリを含むすべての茶園が何人も立ち入れないまま放置されることになりました。

2017年9月、西ベンガル州知事ママタ女史の強いリーダーシップによってこのストライキは終結しましたが、ダージリン地方の茶園が受けたダメージは大きく、荒れた茶畑地の回復には数か月を要しました。秋摘みの収穫・生産量は前年までに比べ約9割減、市場価格が20%以上も上昇し、世界中の大手バイヤーの多くがダージリン紅茶の仕入れを取り止めて他の産地からの調達に切り替えるという、茶園にとっては維持存続が危ぶまれるようなとても深刻な事態となりました。

そんな中でも、マカイバリ茶園では丹念に茶木の手入れが続けられ、秋摘みオータムナルの時期には少量の茶葉を摘み取ることができました。天候にも恵まれた2018年春、ファーストフラッシュの頃には、想像を超える良質なお茶をつくることができ、茶園では喜びの声があふれました。まだ茶木の手入れ、回復の作業が続けられている中、マカイバリ茶園でも、8月には夏の茶摘みができたとのこと。やはり量は少なめながら、良質な仕上がりが期待できそうです。

バナジー氏の新たな挑戦

バナジー氏は今、ダージリン地方からさらにシッキム州へと活動の場を広げ、州政府とともにオーガニック&バイオダイナミック農法による紅茶づくりに取り組み、大きな貢献をされています。

シッキム州には、インドで唯一、政府が経営する茶園「テミ茶園」があり、50年近くにわたり人々に安定した仕事と収入の機会を提供しています。440エーカーの広大なこの茶園は、1969年、当時のシッキム王国の王様が人々の暮らしの糧をつくるために開拓しました。その時、マカイバリ茶園からたくさんの苗木を贈り、王様を支援したのが先代、バナジー氏のお父さんでした。
美しい山々に囲まれ、インドの桃源郷ともよばれるこの地は、ネパール、チベット、ブータンに囲まれ、かつてはチベットへの玄関口として交易が盛んな地域で、ダージリンのひとびととも親しく交流し助け合ってきたのです。


 
テミ茶園では現在427人が常勤でお茶づくりと茶園の運営に携わり、茶摘みの季節にはさらに120人が働いています。政府の経営により給与はインドの中で最も高い水準、医療や託児所や子ども教育など地域の人々に必要な福利についても茶園がしっかりとサポートしており、フェアトレードの認証を取得しています。

また、シッキム州はもともと、州全体で農業のオーガニック転換に取り組んだ、インドでも珍しい州で、紅茶だけでなくすべての農作物が有機栽培で育てられています。
テミ茶園も2005年にオーガニック農法を取り入れ、2008年には茶園全体がオーガニックに切り替わりました。

そして、こういったシッキム州の取り組みに共感したバナジー氏は、父の代からの縁があり理念と価値観を共有するシッキム州に活動の拠点を移し、より広範囲にわたるバイオダイナミック/オーガニックの指導を続けています。
これはマカイバリ茶園で長年にわたりバナジー氏と共に働いてきた仲間たちにとっても、新たなチャレンジとなり、マカイバリでは初めての女性管理職が誕生し、コミュニケーションのリーダーシップを担うなど、素敵な変化も起こっています。
バナジー氏は近年、講演や広報の活動で海外を旅することも多く、自身の不在のマカイバリ茶園への影響は何もない、と茶園の仲間に厚い信頼を寄せています。

バナジー氏がマカイバリで培ってきた、お茶づくりを通じて実現する地域の人々の健康と暮らしの安定、生態系と調和したサステナブルなコミュニティづくりという活動は今、壮大な信念に基づいてさらにそのすそ野を広げ、世界に広がる道の途にあるのだと、ピープルツリーは共感し、確信しています。

「テミ茶園は肥沃な土地と良質の茶樹に恵まれています。人々も一所懸命に働き、指導したとおりに実践してくれるので、最高のお茶ができることを期待しています。」とラジャ・バナジー氏は語ります。
シッキムはダージリンと似た気候で、春・夏・モンスーン、秋の4つの季節の紅茶は味・香りともにダージリン紅茶に近く、高い標高ならではの、華やかなフローラルな香り、繊細でまろやかな味は今、幻の紅茶として世界中から注目されている、とも。

自分の目の前にある環境と人との関係のなかで最善を尽くし、ひとつひとつ理想の形へと実現してゆく、バナジー氏の姿勢は、私たちに多くのことを教えてくれます。

ピープルツリーでは、これまでと変わりなく、マカイバリ茶園とバナジー氏の取り組みを応援し、季節ごとのお茶の風味とともに、茶園の様子をみなさんにお伝えしてまいります。

この春に摘まれたお茶を日本のみなさまにお届けするにあたり、現地での生産量の一時的な減少と価格の上昇を容認しながら、日本での販売価格を維持できるよう、弊社としてできる限りの努力と調整をしておりますことをお伝えいたします。

昨年からのいくつもの困難を乗り越えてつくられ、オークションでも高い評価を得た「上質な」お茶を、どうぞお楽しみください。
バナジー氏もお茶の作り手たちも、この春・夏のお茶の出来を、とても誇りにしています。

今後とも、バナジー氏とマカイバリの人々が育んできたバイオダイナミック・ダージリン紅茶を変わりなくご愛顧いただき、応援し続けていただけますよう、願っております。

「牛は、バイオダイナミックを象徴する生き物」とバイオダイナミックの概念を語りながらバナジー氏が描いた絵。(2014年、来日の時)

「牛は、バイオダイナミックを象徴する生き物」とバイオダイナミックの概念を語りながらバナジー氏が描いた絵。(2014年、来日の時)

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金曜日

31

10月 2014

グローバル・ヴィレッジ誕生日に思うこと

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ピープル・ツリー/グローバル・ヴィレッジ ディレクターのムラタです。

二十数年も前のこと、サフィアと初めて出会った時の印象は今もくっきりと残っています。
どんより曇った梅雨のある日、私が手伝いで店番をしていた知人の陶器店に、辺りをぱっと明るくするような笑顔で「こんにちは~♪」とサフィアが入ってきたのでした。夫ジェームスの誕生日プレゼントを探していたところ、クラフト好きのアンテナが反応したそうです。

イギリスで仕事をしながら、環境・人権NGOの活動に関わり、フェアトレード団体Traidcraftのボランティア・レップ(商品を紹介販売するボランティア)もしていたという彼女は、日本でも自分が貢献できる活動はないかと情報を求めていました。

その少し前に2年ほどロンドンで暮らしていた私は、市民運動やNGOの会合がごく当たり前のように街のあちこちで開かれ、誰でも気軽に参加できたこと、普通の人々に交じって議員たちも気さくに意見交換していたのに驚かされました。日本にも、もっと気楽に、でも真面目に、世界で起きていることを知り、共感する人たちとともに自分に何ができるかをディスカッションできる場があったらよいのに、と思っていました。そんなこともあり、すぐさま彼女と意気投合。

後日、その店でナミビアの女性たちの手仕事による品々を、国の背景とともに紹介する企画展をやろう!ということになりました。サフィアは、ジェームスのお兄さんの結婚式のためにナミビアに行くことになっていて、ちょうど関心がそこに向いていたのでした。よりよい社会をつくるために自分にできることを考えてはすぐに実行、しかもとてもチャーミングに。そんなサフィアの姿は、私も含めたくさんの人の行動を促したと思います。

DMA-Chap1_GV_12サフィアと私が企画した「ナミビア展」の開催日が11月1日。
企画の主催者として紹介される団体名を、ジェームスの案「小さな村のようにお互いを大切にする社会」をイメージして「グローバル・ヴィレッジ」と決めました。

最初は小さなひとつの出会いが、どんどん次の共感できる人々とのコラボレーションに繋がり、さらに多くの人の心を動かし、大きなうねりとなってゆくのを感じます。グローバル・ヴィレッジが23年も続いたのも、たくさんの方々との出会いが私たちに元気と感動を与えてくれたからこそ。これからもみなさまの応援を支えに、前を進んでいきたいと思います。



【開催中! 大周年祭】
ニットキャンペーン ※プレゼントがなくなり次第終了

会員限定メンバーズセール 11/3(月・祝)まで






NGOグローバル・ヴィレッジ

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金曜日

13

6月 2014

カカオポイントのお礼とご報告

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エルセイボが参加する、自然生態系と調和した有機農業のための技術向上プログラム「PIAF」の育苗施設。 気象変動によると考えられている大雨・洪水の被害と影響により、多くの農家がカカオ樹の病害に悩まされ、新しい苗木に植え替えるなどの対策を迫られています。

FOOD担当のムラタです。

カカオポイントを集め、ボリビアのカカオ生産者に苗木を贈るプロジェクトにご参加くださったみなさま、
ほんとうに、ほんとうに、ありがとうございました!

5月末までに396名のみなさまから、11,670カカオポイントをお送りいただき、
カカオ農家の協同組合エルセイボに1,167本の苗木を贈ることができました。

20140613_011995年に初めて日本でご紹介して以来、19年間にわたり、
たくさんの方々に愛され、広めていただいてきたピープル・ツリーのチョコレート。

カカオポイントは、カカオの生産者と日本のみなさんを直接つなぎたいという思いから、昨年の秋から始まった新たな試みです。
http://www.peopletree.co.jp/choco/cacaopt/index.html

いまどき、切って貼って集めて送ってという、かなりお手間をとらせてしまうこの企画に、どれだけ多くの方がご参加いただけるものかと、少々案じておりました。
しかもチョコの包み紙の裏面に淡いグレートーンで描かれているわけですから、そもそも気づいてもらえるのか……?と。

それでも、糊付けの跡ででこぼこした応募シートが届くたび、そして中に生産者と私たちへの手書きメッセージや見覚えのあるお名前を見つけるたび、心にあたたかな気持ちが広がります。

ご応募いただいた方には、10カカオ、20カカオ、50カカオそれぞれにプレゼントをご用意しているのですが、「何もいらないので、ただ苗木をおくってください」とメッセージを記された方や、「1本でも多くの苗木を」と端数カカオのポイントを送ってくださった方も複数いらっしゃり、その思いに感激してスタッフ一同、うるうるしております。

カカオポイントは、これからも長く続けてまいります。
10月から始まる 次のチョコレート・シーズンには、
ぜひあなたにもご参加いただけることを、希っております!

<2013年カカオポイントご報告>

20140613_02ご応募総数 :396名さま

プレゼントのご送付:
・10カカオ / 壁紙 :43名さま
・20カカオ / ミニタオル : 222名さま
・50カカオ / Tシャツ: 124名さま
 TOTAL カカオポイント=11670ポイント = カカオの苗木1167本

※プレゼントを希望なさらなかった方や、多めにポイントを集めてくださった方を合わせているため、
人数と本数が異なります。

エルセイボが参加する、自然生態系と調和した有機農業のための技術向上プログラム「PIAF」の育苗施設。 気象変動によると考えられている大雨・洪水の被害と影響により、多くの農家がカカオ樹の病害に悩まされ、新しい苗木に植え替えるなどの対策を迫られています。

エルセイボが参加する、自然生態系と調和した有機農業のための技術向上プログラム「PIAF」の育苗施設。
気象変動によると考えられている大雨・洪水の被害と影響により、多くの農家がカカオ樹の病害に悩まされ、新しい苗木に植え替えるなどの対策を迫られています。




火曜日

1

10月 2013

10月1日はコーヒーの日!

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こんにちは。フード担当のムラタです。

秋の気配とともに気温が下がり始め、朝のコーヒーが一層おいしく感じるこの頃。
この時期は、その年のコーヒー豆の収穫を祝い、感謝する頃でもあります。日本では、全日本コーヒー協会が、10月1日をコーヒーの日と定めています。(ちなみに、コーヒー発祥の地ともいわれるエチオピアでは9月29日がコーヒーの日、イギリス、アメリカ、カナダでも、この日に祝うようです)

ルワンダの生産者。チェリーと呼ばれるコーヒーの実を選別しています。

ルワンダの生産者。チェリーと呼ばれるコーヒーの実を選別しています。

世界中の人びとに愛好される飲み物、コーヒーは、おもに「コーヒーベルト」と呼ばれる赤道周辺の熱帯地域で栽培されています。
美味しいコーヒーの産地として知られるこのエリアの国々は、一方で、貧しく立場の弱い人びとの多く暮らすところでもあります。
そしてコーヒーは、弱者であるために搾取されてきた小さな農家やプランテーションで過酷な労働を強いられていた人びとの暮らしを守るために広がった、70年代のフェアトレード運動を考える時、とても重要な作物のひとつでもあります。

ピープル・ツリーでは、はじめて通販カタログを発行した時から、ペルーのフェアトレードコーヒーをご紹介しています。

1999年の通販カタログ創刊号でのフェアトレード・コーヒーの紹介

1999年の通販カタログ創刊号でのフェアトレード・コーヒーの紹介

日本のみなさんの暮らしの中に、手仕事の衣料・服飾品や雑貨とともに、コーヒーもフェアトレードのものを選んでいただけるように、という思いからでした。

今年、ピープル・ツリーでは、ルワンダとラオスのフェアトレード・コーヒーを新たにご紹介しています。
それぞれに異なる個性と風味を、ぜひ一度、飲み比べてみてください。
コーヒー全商品はこちら

今日はもう一つ、ダッチ・コーヒーとも呼ばれる「水出し」コーヒーの楽しみ方をぜひ、ご紹介したいと思います。

ピープル・ツリーでは、冷たいコーヒーが好まれる夏に、水出し用パックタイプのペルー・コーヒーを販売していますが、「水出し」コーヒーは、本来は別の楽しみ方として考えられた抽出法なのです。
冷たい水では、カフェインやタンニンといった苦味の強い成分が溶出されにくく、酸化も遅いため、コーヒーの香りとコクはそのままに、やさしいまろやかな味に仕上がります。
一晩(6-8時間)かけて水出ししたコーヒーを、必要な分だけ静かに温めて(沸騰直前まで)のこりは冷蔵庫で保存し、その日のうちなら、何度かに分けて美味しくお飲みいただけます。
ぜひおすすめの、楽しみ方です。
今季はすでに、在庫のみの販売となりますが、こちらからお早めにどうぞ。

※ 参考
コーヒーとフェアトレードについての関連本など: