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ピープルツリーの日々のこと

生産者のこと Archive

水曜日

9

6月 2021

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フェアトレード商品「寄付つきのお買いもの」で応援してください!

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Share the Love フェアトレード商品のお買いもので応援してください!

フェアトレードはつくる人、買う人どちらも幸せになる貿易の仕組み。
「安全で清潔な場所で仕事が続けられる」「子どもが学校に通える」そんな安定した生活を送ることができるよう、継続的な取引と長いパートナーシップでつくり手を支えます。
さらに、「寄付つきのお買いもの」でみなさんにご支援いただいた資金をつかって、つくり手だけでなく、つくり手の住む地域で特に支援が必要なコトについて、さまざまなカタチでサポートをしています。

「寄付付きのお買いもの」の詳細はこちら

長引くコロナ禍のなか、ピープルツリーの生産者たちは、これまで以上の試練に立たされながらも、その地域の人々の安全と暮らしをまもり、これからの希望につながるフェアトレード商品の生産をつづけるために奮闘しています。

そこで「寄付つきお買いもの」で支援をおこなっている生産者団体のうち、タラ・プロジェクトとクムベシュワール・テクニカル・スクール(KTS)に、今年の支援の使いみちについて打診したところ、現在の厳しい状況を伝えるメールが届きました。
それぞれの支援金プロジェクト「フェアなアクセサリーを選んで子どもたちに笑顔を届けよう!」と「Walk with Nepal」の現在の内容について、あらためてご紹介させていただくとともに、各団体から届いた近況のメールをご紹介させていただきます。

フェアなアクセサリーを選んで子どもたちに笑顔を届けよう!

500万人以上の子どもたちが学校に行けずに働いているといわれるインドで、児童労働に従事する子どもたちに教育の機会をつくるため、 「タラ・プロジェクト」では8か所の教育センターを運営しています。センターでは、1日数時間でも学ぶ機会を提供し、教育の大切さを理解する手助けをしています。
● 期間:2015年2月~実施中
● 寄付先:ウッタル・プラデーシュ州プルディス・ナガール村の教育センター
● 寄付条件:タラ・プロジェクトのアクセサリーが100個売れるごとに、US30ドルを寄付。

※2020年はコロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンにより教育センターが活動停止を余儀なくされ、寄付金はタラ・プロジェクトが実施した困窮家庭への食料や衛生用品の配布に役立てられました。
※ 2021年も、ロックダウンためにセンターの活動が停止していることから、コロナウィルス感染に備えた保健衛生と、緊急支援の食料配給プログラムに活用してもらうことにしました。

タラ・プロジェクト ムーン・シャルマさんより、5月末にとどいたメール

5月下旬の数日間はほんとうに大変な状況でした。

知人が何人も亡くなった上、タラ・プロジェクトの同僚が病気になったり身内を亡くしたりしたことで心を痛めています。物流担当のサンジェイは、母親と義理の弟など4人の家族を次々と失ってしまいました。彼がこの悲しみを乗り越える力を得られるよう願っています。

デリーやウッタル・プラデシュ州では、コロナウィルス感染の患者に加えて新たに発生した黒コウジカビやデング熱、腸チフスなどの重篤な感染者が増えており、憂慮しています。感染者や死者の数は公式発表の数字よりもはるかに高く、多くの人が精神的にも問題を抱えています。すべての家族がパンデミックの影響を受けています。

ピープルツリーがタラ・プロジェクトのアクセサリーの売上からすぐに1,100ドルを寄付してくださるとのこと、本当にありがとうございます。この支援はとても大きな意味を持ちます。
現在私達は、コロナウィルス感染に備えた保健衛生と、緊急支援の食料配給プログラムを計画しており、そのための資金に役立たせていただきます。

食料の配布は、ボランティアの協力を得て来週には開始する予定です。多くの生産者が大変な思いをしています。

また、1年前に生産工房のひとつに隣接して建設されたコミュニティ・センターに、基礎的な医療施設を設置する計画も進めています。以前から計画はあったのですが、実現できていませんでした。コロナウィルス感染の第2波を受けて、コミュニティを助けるために具体的な行動を起こすことが重要だと気付いたのです。病気やコロナウィルス感染症の後遺症に苦しむ人のために、医師を雇う予定です。将来的には、若い人たちがヘルスワーカーになるためのトレーニングを受け、困っている人たちを助けられるようにしたいと考えています。残念なことに、ここでは健康がビジネスになっており、医師は法外な料金を請求します。薬や食品などの原材料の価格も上昇しています。

さらに、アクセサリーの女性職人のグループがいるキワイ村に、小さな保健施設を立ち上げようとしています。短期間の救急医療を比較的安価に提供することができます。

コロナウィルスの感染は農村部にも深刻な影響をもたらし、キワイ村では医療支援を受けられなかったために何人かが亡くなりました。タラ・プロジェクトの元職人で夫を亡くした人、年老いたおばあさんを亡くした職人のモスミーンさんなど、本当にたくさんの悲しい話があります。私たちは、これからも健康に関する活動を続けていきたいと思っています。多くの病気が発生し、庶民には手の届かない高額な医療が必要となっている今、とても重要なことです。私たちは与えられた状況の中で最善を尽くします。

ピープルツリーのようなパートナーのサポートがあれば、職人たちや経済的に弱い立場に置かれている人びとに必要な支援を届けることができます。

デリーではロックダウンが少しずつ緩和され、建設現場や工場の稼働が認められました。残念ながら原材料を供給する店は閉まっているため、アクセサリーの生産に必要な原料の仕入れはまだできません。
オフィスでは一部のスタッフが業務を始め、職人の作業場も稼働できるようになりましたが、日常に戻るにはもう少し時間がかかりそうです。

コロナウィルスの感染者数はまだ一日15万人、死者3,100人と多いものの、以前と比べれば減少しています。また状況は不確かで、感染が再び広がらないよう細心の注意を払わなくてはなりません。

ピープルツリー、グローバル・ヴィレッジとお客さまのサポートとご協力に感謝いたします。みなさんの安全と健康をお祈りしています。

(さらに…)

金曜日

4

6月 2021

インドの職人さんとつくるやさしい手仕事のストール

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インドの職人さんとつくるやさしい手仕事のストール

こんにちは。ピープルツリーのオオクマです。
突然ですが、下の写真は何だと思いますか?
箱に入った筆と、小さな鉛筆たち・・?

こちらは、とある場所で見つけたお道具箱です。

この鉛筆の持ち主は、インドの生産者パートナー「サシャ・ハンディクラフト」の中にある「サードアイ」というグループのハンドペイントの職人さん。工房で下絵を描いたりする際にこの鉛筆を使っています。こんなに小さくなってもまだまだ大切に使い続ける、そんな道具を大事に使う姿勢に敬意を感じます。

今日はそんな職人さんがつくるハンドペイントのストールを、工房の様子も交えてご紹介♪
制作風景の動画もありますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

すべてが一点もの。表情豊かなハンドペイントストール

こちらは「サシャ・ハンディクラフト」から今期届いた、ハンドペイントのストール。
ハンドペイントは、職人さんが手描きで一筆一筆、丁寧に柄を描く毎シーズン人気のアイテムです。
機械のプリントとは異なる、人の気配を感じるようなやわらかいタッチの絵柄が特徴的です。

私自身、ピープルツリーの手仕事の中でも大好きなハンドペイント。
好きになったきっかけは、昨年初めて見た制作風景動画でした。すいすいと筆を走らせる姿や仕上がっていく美しいアートのような絵柄に感動して、以来ハンドペイントのアイテムを見ると世界にひとつだけの特別な出会いに心がときめきます。

複数の職人さんが同じものをつくる手織りやブロックプリントとは異なり、ハンドペイントは柄ごとにひとりがすべてを描きます。

それは、その人でなければ同じタッチで表現をすることができないから。
このストールを担当する職人さんは工房で「ペインター」ではなく「アーティスト」と呼ばれているそう。
まさに、ストールに描かれている絵はアートなのです。

ストールの企画は1年以上前から

こちらは昨年の出張の様子。
販売開始1年前の3月上旬、日本でデザインされた原画は、商品開発担当ウエダとともに海を渡りインドへ。この時、すでにコロナウイルスの流行が始まっていて、滑り込みで生産者に会うことができました。

工房でデザイン案を見ながら、その場でアーティストのビシュジさんが布に描いていきます。こちらが試作の様子です。

動画が再生されない場合はこちら > ※こちらをクリックすると音声が出ますのでご注意ください。

キャンバスに絵を描くように、のびのびと筆を走らせる姿はまさにアーティスト。こうして試作を重ねて、デザインが出来上がっていきます。

最終的に選ばれたデザインはこちら。

柔らかなコットンガーゼの手織りの生地に、繊細で柔らかい印象の花柄が丁寧に描かれた、表情豊かなストール。

実際に描いているところを職人さんが動画に撮って送ってくれました。

動画が再生されない場合はこちら > ※こちらをクリックすると音声が出ますのでご注意ください。

こんなふうに描いている様子を見ると、使う度に愛着が増していきそうな予感がします。

商品の向こう側のつくり手が見えるのも、生産者と一緒にものづくりをしているフェアトレードならでは。コロナの状況でなかなか出張に行くことができなくなってしまった今も、リモートで連絡を取りながら、何とか職人さんたちとのものづくりを続けています。

今年はもう1柄。ドットとボーダーのデザインも登場しています。
こちらもぜひチェックしてみてください!

ハンドペイントストールはこちら >

手織りのストールはインドの生産者パートナーから

ハンドペイントを施す手織りのストールも、職人さんの手仕事によって作られます。
インドの西ベンガル州にあるフィリアという村から届きました。

とても細い糸を使った繊細な手織りサリーの産地として有名な村で、歴史は古く500年以上前から、現在にわたって多くの職人たちが伝統を継承しています。あちらこちらの家々から機織りの優しい音が聞こえてきます。

動画が再生されない場合はこちら > ※こちらをクリックすると音声が出ますのでご注意ください。

都市に働きに出る若者や機械の織機に切り替える人たちも多いなかで、手織りにしかない風合いを愛する人がこの村の伝統を受け継ぎ、支えています。

古くから受け継がれてきた素晴らしい技術と伝統を守る職人さんの思いもぎゅっと詰まっています。

時間と手間をかけてつくられた手織りのストールは、ふんわり柔らかく繊細な風合いが特徴。
ずっと触れていたくなるような優しい肌触りで、お肌の露出が増える季節に手放せないアイテムです。

先にご紹介したハンドペイントのストール以外にも、今シーズンは様々な素材の手織りの華やかなアイテム3種類が新登場しました♪

光沢感のある繊細で華やかなグラデーションの手織りシルク&コットンストール

光沢感のある繊細で華やかなグラデーションの手織りシルク&コットンストール

これからの季節にぴったり!淡いシャーベットカラーの涼し気な手織りコットンリネンストール

これからの季節にぴったり!淡いシャーベットカラーの涼し気な手織りコットンリネンストール

コーディネートのアクセントに! V&A 手織りブロックプリントストール

コーディネートのアクセントに! V&A 手織りブロックプリントストール


インドのつくり手の想いと手仕事の詰まったストールを今年のコーディネートに取り入れてみませんか?

すべてのストールはこちら >

水曜日

26

5月 2021

いま知りたい! 「フェアトレードって?」「SDGsって?」

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いま知りたい! 「フェアトレードって?」「SDGsって?」

人と地球にやさしいサステナブルな貿易のしくみ

フェアトレードとは、途上国に暮らす社会的・経済的に立場の弱い人びとに仕事の機会をつくりだし、公正な対価を支払うことで、彼らが自らの力で暮らしを向上させる貿易のこと。

生産地で持続的に採れる素材を活用して、現地の伝統的な手工芸の技術を活かした環境負荷の出来るだけ少ないサステナブルな生産を目指します。オーガニックや減農薬など環境への負荷の低い農法を用いて、リサイクル素材や生分解可能な梱包素材を用い、輸送にも船便を使う。
人と地球環境を大切にする、サステナブルなビジネスの仕組みです。

ピープルツリーのフェアトレード

フェアトレード専門ブランド ピープルツリーの商品は、それぞれの国や地方、民族の伝統的な手法を受け継いで、できるだけその地方で採れる素材を用い、すべて自然素材を手仕事によって仕上げています。

手織り、手編み、手刺繍、手紡ぎ、手染め、手彫り、型押し、シルクスクリーン・・・ “手仕事”は味わい深い製品を生むだけでなく、経済的・社会的に不利な立場にある人びとに、それぞれの能力を活かした仕事をもたらし、収入を得る機会をつくります。

そして、こうした人びとが資本・ハイテクノロジーが支配する大量生産のシステムにのみこまれることなく、国際貿易に参加し、自立を図ることにつながるのです。

手織りのアイテムはこちら 手編みのアイテムはこちら
手刺繍のアイテムはこちら ブロックプリントのアイテムはこちら

 

フェアトレード10の指針(10 Principles of Fair Trade)

ピープルツリーは、WFTO(世界フェアトレード連盟:World Fair Trade Organization)に加盟して、フェアトレード団体としての認証を受けています。

WFTOとは、途上国の立場の弱い人びとの自立と生活環境の改善を目指す世界中の組織が、1989年に結成した連合体で、順守すべき指針としてフェアトレード10の指針を定め、加盟団体がその基準を守り活動しているかをモニタリングしています。

「フェアトレード10の指針」
1)生産者に仕事の機会を提供する
2)事業の透明性を保つ(どこで誰がどのようにつくっているか把握して説明責任を果たす)
3)安定した仕事の依頼をする公正な取引を実践する
4)生産者に公正な対価を支払う
5)児童労働および強制労働を排除する
6)差別せず、男女平等と結社の自由を守る
7)安全で健康的な労働条件を守る
8)生産者個人や団体の能力を伸ばす支援をする
9)フェアトレードを広める
10)環境を大切にする

SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)

SDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年9月に国連総会で採択された、持続可能な開発のために必要不可欠な2016年から2030年までの行動計画で、17のゴールと169の達成基準からなる国際的な目標です。

「持続可能な開発目標」とは(国連広報センターのYouTube動画)
17のゴールからなる「持続可能な開発」とは?

フェアトレードは、SDGs17項目の全項目に直接的・間接的に関わっています。
消費行動が鍵を握る「12 つくる責任つかう責任」をはじめ、働きがいのある人間らしい仕事に人々が従事して貧困から抜け出す「1 貧困をなくそう」 「8 安全な労働環境 」、生態系や資源を傷つけない持続可能な発展を目指す「 13 気候変動への対策」なども、フェアトレードの推進が目標達成に大きく寄与します。

人と地球を大切にするフェアトレードの目指す世界は、SDGsが達成された世界と重なります。
フェアトレードが必要とされる背景 ― 行き過ぎた利益と効率の追求が生んだ大量生産・大量消費・大量廃棄による貧困問題や環境問題、生産者の健康と安全、このままでは持続可能でない生産方法など ― は、そのままSDGsが改善を掲げている内容です。

オンラインイベント「いま知りたい! フェアトレードって? SDGsって?」

今年の世界フェアトレード・デー(5月8日)、ピープルツリーの母体NGO「グローバル・ヴィレッジ」では、「いま知りたい! フェアトレードって? SDGsって?」というタイトルでオンラインイベントを開催しました。

フェアトレードとSDGsの関係性、具体的にアクションを起こすにはどうしたらよいのか、そして日本の達成度や世界ランクなどのデータをシェアするセミナーにはじまり、後半はグループに分かれて関心のあるSDGs目標について日ごろ思っていること、アクションしていることのアイデアを分かち合いました。

イベント報告はこちら(グローバル・ヴィレッジのニュースメディア FAIR TRADE STYLE)

今こそ、行動のとき

2030年のSDGs達成目標に対して10年目の2020年1月、国連は達成のための「行動の10年(Decade of Action)」をスタートさせました。

WFTOは昨年より、「今こそもっとフェアな世界へ Build Back Fairer!」というメッセージを発信しています。
アフターコロナの世界を以前のままに戻すのではなく、もっと人にも地球環境にもやさしい、よりフェアな世界につくり直そうということです。

 

さて、私たちは具体的にどんなアクションを起こしましょうか?

もちろんフェアトレードのお買い物も、できるアクションの1つです。
私たちの日常の買い物というのは、社会に大きなインパクトを与える投票行為。
「どこで、誰が、どんなふうにつくってくれたのか?」が分かるフェアトレードの買いものをすることで、作る人の生活を支え、安全な労働環境を整え、地球に負荷の少ない物づくりを応援することになります。

ぜひみなさんのアクションの1つに加えてください。

★フェアトレードのお買い物はこちら>

手織りのピープルツリーアイテムはこちら>

 

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水曜日

12

5月 2021

「今こそもっとフェアな世界へ Build Back Fairer!」 フェアトレードで実現する「人に地球に」より良い未来

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「今こそもっとフェアな世界へ Build Back Fairer!」 フェアトレードで実現する「人に地球に」より良い未来

5月8日は「世界フェアトレード・デー」

毎年5月の第2土曜日は、世界フェアトレード・デー。今年は5月8日(土)です。
WFTO(世界フェアトレード連盟:World Fair Trade Organization)に加盟する 世界76ヵ国、約400団体のフェアトレード組織と生産者組織を中心に、 フェアトレードをアピールするためのイベントやキャンペーンが各国で開催されます。

★世界フェアトレードデー特設ページ(英語のみ)

日本ではこの1日だけでなく5月を「フェアトレード月間」としてフェアトレードを盛り上げてきました。

厳しい状況下に見出す「フェアトレードの可能性」

昨年5月、ピープルツリーでは、コロナ禍でロックダウンしたインドの生産者団体「サシャ」代表でWFTO理事長のルーパさん、「タラ・プロジェクト」代表のムーンさんをゲストに、初めてオンラインイベントを開催。コロナ禍におけるフェアトレード団体のグローバルな活動、地域密着の現場での活動、今必要とされることについてお話を伺いました。

新型コロナウイルスは、世界中の人々を巻き込んでそれぞれの生活を劇的に変えました。特に、もともと弱い立場にあった人たちをさらに厳しい状況に追い込み、「ウイルスではなく、貧困によって死んでしまう」といわれるほどの死活問題を招きました。

しかし、ルーパさん、ムーンさんのお二人は厳しい状況であることは間違いないが、「だからこそ、世界中の人々との連帯を感じ、フェアトレードの可能性に希望を見出している」と力強くおっしゃいました。

「サシャ」代表のルーパさん(左)と「タラ・プロジェクト」代表のムーンさん(右)

 

「サシャ」から届いたピープルツリー商品 >

「タラ・プロジェクト」から届いたピープルツリー商品>

 

あれから1年、コロナ禍の収束はまだ見通せません。インドやバングラデシュでは昨年後半にいったんは感染者が減少して人びとの生活も少しずつ日常を取り戻していたものの、今年3月中旬から再び感染が拡大して、4月からはロックダウンが再発令されています。また、日本や欧米などフェアトレード商品の買い手である国々で経済が停滞する中、生産国への発注は減り、生産パートナー団体の苦境は続いています。

そんな中、フェアトレードでつながるパートナーたちは、さまざまな工夫と努力でこの困難を乗り越えようとしています。アメリカやドイツで開催される国際的な商品展示会がコロナ禍のためオンライン開催になったことをピンチをチャンスに変える商機と捉え、新たな取引先を見つけるためWFTO事務局のサポートを得てデジタル・ブースを出展した生産者団体もあれば、衣料品の縫製技術を活かしてマスクを生産した団体もあります。

バングラデシュの生産者パートナー「アーティザン・ハット」

 

「アーティザン・ハット」から届いたピープルツリー商品>

アフターコロナに向けて「今こそもっとフェアな世界へ」

アフターコロナの時代には、利益や効率よりも人と地球を優先し信頼と透明性を大切にするフェアトレードの価値観が、ますます多くの人の心に響き広がっていくという期待と希望が、フェアトレード団体を勇気づけています。

コロナの影響を単なる「禍」と捉えて元の生活を取り戻そうとするのでなく、従来の暮らし方や価値観を見直し始めた人は増えています。「新しい生活」「新しい価値観」は、多くの人がそれまでに感じていた、行き過ぎた資本主義経済の中でがむしゃらに利益や効率を求めることへの疲弊や疑問を浮き彫りにしました。

一方で、飲食店や食材の生産者に「感謝と支援の気持ち」でお金を使うことが自然と広まったり、Stay Homeにそれぞれの工夫をこらしたように、消費の在り方や「何に幸せや充足感を感じるのか」に向き合う機会も増えました。

フェアトレードやオーガニックのものを選んで買うことが、自分の健康や満足だけでなく環境や働く人を守ることにつながるように、もっとフェアで「サステナブル=持続可能」な世界に変えていくためには、私たち一人ひとりの消費行動が大きな役割を果たします。


WFTOは今年、「Build Back Fairer!」というメッセージを発信しています。「今こそもっとフェアな世界へ!」- 行動や価値基準の見直しを迫られている今こそが、アフターコロナの世界を以前に戻すのではなく、もっと人にも地球環境にもやさしい、よりフェアな世界につくり直すターニングポイントなのです。

フェアトレードの目指す世界は、地球上に暮らす誰もが幸せであること、そしてCO2の排出をおさえた生産と循環型モデル(リユース、リサイクル、アップサイクル、リパーパス)を実現するサステナブルな経済。その世界の実現に、消費者である私達にできることは何でしょうか?

「ゆでガエル」の例え話があるように、ゆっくりと進む環境変化に私たちはなかなか気づけず、じわじわと迫る危機に対応する難しさがあります。コロナという劇的な環境変化を前に、私たちはより良い未来のために何を変えていったらよいのでしょうか?

SNSでフォトチャレンジによるアクションに参加しよう

今年WFTOは、フェアトレード月間に「Build Back Fairer!」(「今こそもっとフェアな世界へ」) のメッセージを広げ、もっとフェアでサステナブルな世界への復興に賛同することを表明する、フェアトレード・デーのフォトチャレンジへの参加を呼び掛けています。
ピープルツリーも、このアクションに参加します!

スタッフみんなでお気に入りのピープルツリーの服を着て、#BuildBackFairerのポスターを持った写真を5月8日(土)の世界フェアトレード・デーからSNSに投稿しています。

みなさんも、この「Build Back Fairer!」(「今こそもっとフェアな世界へ」) に賛同していただける方、ぜひピープルツリーと一緒に参加してください。

<フォトチャレンジ参加方法>
1. Build Back Fairerポスターをプリントアウトしてください。

                ポスターのダウンロード
                •A4サイズの白地ポスターはこちら>
                •A3サイズや背景透明のポスターはこちら>

2.ポスターと一緒に写真を撮ります。

3.キャプションに「#BuildBackFairer」「#今こそもっとフェアな世界へ」と書いて、ご自分のSNSでシェアしてください(ハッシュタグを忘れずに)。

                ハッシュタグ
                「#BuildBackFairer」 「#今こそもっとフェアな世界へ」 は必ず入れてください。
                ピープルツリーの服を着て参加くださる方は 「#ピープルツリー」 も入れてください。

フェアトレード月間の5月、ぜひ一緒に考え、行動していきましょう!

★フェアトレードのお買い物はこちら>

水曜日

21

4月 2021

ファッションレボリューション・ウィークに参加しよう!

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4月19日(月)~25日(日)は、ファッションレボリューション・ウィーク!

ファッションが人や地球に及ぼす影響を知り、ファッション産業において、調達、 生産、 そして消費のすべての工程を変革するために、その透明性を高めるアクションを行おうという世界的なムーブメントです。

この活動が始まるきっかけとなったのは、2013年4月24日にバングラデシュの首都ダッカで起きた縫製工場の多数入った複合ビル、ラナプラザの崩落事故。大量消費を前提とした大量生産、そして大量廃棄が当たり前のアパレル産業において、生産者の立場はとても弱く、安全な労働環境もなければ生活の保障もない実態がかつてない規模で明るみに出ました。


このムーブメントが始まってから、世界中の人々がブランドに向けて問いかけることで、ファッション業界は変わりはじめています。今までになく多くのブランドが服がどこで作られているのかを公開し、工場での安全対策もとられはじめました。
さて、私たちは? 人にも地球にももっとやさしい、サステナブルなファッションとは何なのか知ることで、それぞれに考えて、それに基づいたアクションや選択をして、私たち一人ひとりが自分なりの方法で、これまでのファッションの在り方にレボリューション(革命)を起こすことに参加しませんか?

#Who Made My Clothes(私の服は誰が作ったの?)

自分の大好きなブランドを@タグ付けして「#whomademyclothes」(私の服は誰が作ったの?)とハッシュタグをつけてご自分のSNSで投稿するアクション。お気に入りのブランドの服が、「どこで、誰が、どんなふうに作ったか」がウェブサイトなどではわからない場合は、自分からブランドに問いかけてみませんか? そうすることで、「私たちは、生産背景を気にしています」というメッセージを企業に送ることになります。

ほかにもFashion Revolution Japanの公式サイトからは、「#whatsinmyclothes」(私の服は何でできているの?)のハッシュタグで服の素材や工程を知るための投稿をすることや、旅先で買った、家族にもらった、初めてのデートに着ていったなど、簡単には手放せない思い入れのある服への愛を「#loveclotheslast 」のハッシュタグをつけて投稿しましょう!という提案など、個人としての参加方法のアイディアを得ることができます。

★ピープルツリー直営店でドライマンゴープレゼント!


4月16日(金)~4月25日(日) の期間中、ピープルツリー自由が丘店、立川高島屋S.C.店の両店では、下記A.B.いずれかの方法でSNSに投稿をして、ショップでスタッフに投稿画面を見せてくださったお客様にドライマンゴ―30gをプレゼントしています。
両店ともにファッションレボリューション専用のフォトブースも設置していますので、ぜひご来店&投稿してください。

A.着ている服で参加 #whomademyclothes#ピープルツリー
B.ピープルツリーの思い出の服で参加 #whomademyclothes#ピープルツリー#loveclotheslast

今年ピープルツリーでは、「#loveclotheslast 」のハッシュタグも取り上げました。

#loveclotheslast (服をめぐるラブストーリー) ♥
旅先で出会った、家族にもらった、初めてのデートに着ていった、服にはそれぞれ思い出があります。簡単には手放せない思い出の服。その思い出や服への愛をハッシュタグをつけて投稿しましょう!   たくさんの人の「#loveclotheslast 」を知ることで、服との向き合い方が変化するかもしれません。

古くて新しいファッションのたのしみ

ピープルツリーのアイテムは、すべてがフェアトレード製品。誰がつくったのか、何からどのように作られたのかがわかることはもちろん、地球環境にやさしく、サステナブルなものづくりも徹底していますので、新しく買う際にも安心していただけます。
そして、選択肢として、リサイクル製品やセカンドハンドの購入やリメイク、アップサイクルなどで手持ちのものを大切に長くたのしむことも提案させていただいています。

★フェアトレードの学校「古くて新しいファッションの楽しみ方~ファッションレボリューション」

4月18日(日)には、毎月開催しているフェアトレードの学校の一環として、「古くて新しいファッションの楽しみ方~ファッションレボリューション」と題したイベントを開催しました。ファッションレボリューションの背景を知っていただくとともに、新しいものを買うなら、誰がどのようにつくっているかがはっきりとわかり、働き手が誇りをもって幸せに作っているフェアトレード製品を!そして新しく買う前には、まず手持ちのものを生き返らせる創意工夫を!ということで、リメイクのアイデアもいろいろとシェアさせていただきました。


このイベントについては、ピープルツリーの母体NGOグローバル・ヴィレッジのウェブマガジンFT Styleでもお読みいただけます。
FT Styleはこちら>>

★ピープルツリー自由が丘店で開催!「つなげる つながる ピープルツリー xChange」

服とのあたらしい向き合い方として、これからも開催していきたいのが、「つなげる つながる ピープルツリー xChange」と題した物々交換会。大切に着ていただいたピープルツリーのアイテムをお客様にお持ちいただき、次の持ち主へワンコインでエクスチェンジするイベントです。
手仕事で丁寧に作られたピープルツリーのフェアトレード製品を、はじめの持ち主がもう着なくなったら、次の持ち主のもとで、再び大切に着ていただきたい。フェアトレード・エシカル・サステナブルを大切にするお客様同士で、大切なモノとメッセージを通してつながる場、ピープルツリーの洋服を循環させるしくみの試みとして、今年2月に開催した際はご好評いただき40着以上のアイテムが次の持ち主の方へバトンされました。
この夏にも開催を予定していますので、ぜひお楽しみに。

映画や本で知ること

もっとファッションのサプライチェーンについて知りたい、ファッションのサステナブルな選択肢について知りたいという方に、ピープルツリーも関連している映画と本をご紹介します。

★ファッション業界の裏側に迫ったドキュメンタリー映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』

この数十年、服の価格が低下する一方で、人や環境が支払う代償は劇的に上昇してきました。この作品は、服をめぐるあまり知られていないストーリーに光を当て、「服に対して本当のコストを支払っているのは誰か?」という問題を提起する、ファッション業界の闇に焦点を当てたドキュメンタリー映画です。ピープルツリーの創設者サフィアもこの制作に協力し、フェアトレードの役割について語っています。


映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』公式サイト
予告編が見れますので気になる方はぜひ!
映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』のDVDはこちら

4 月 24 日(土)には、母体 NGO グローバル・ヴィレッジの主催で、この映画『ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション 真の代償~』のZOOM上映会を開催します。
詳細はこちら>>

★ピープルツリー創設者サフィア・ミニー著『Naked Fashion - おしゃれなエコのハローワーク』(2012年刊)

フェアトレード、オーガニック、アップサイクル……本当のエシカル・ファッションとは?
さまざまな分野でそれぞれの立場から変化を起こす方々へのインタビューと
美しいビジュアルを通して、自分の立ち位置から社会貢献したい方々へ、
発刊より9年を迎えたいまでもなお、インスピレーションとしていただける書籍です。

『Naked Fashion - おしゃれなエコのハローワーク』の書籍はこちら


今年のファッションレボリューション・ウィークの世界共通のメッセージは、「RIGHTS, RELATIONSHIPS AND REVOLUTION」。海や地球の権利を守り、自然環境との新しい関係性を持つサステナブルなファッションへの変革の提言です。

ピープルツリーはたくさんの方々に、人にも環境にも配慮したサステナブルなファッションについてもっと知って考えて欲しい、そして自然とのあたらしい関係をはぐくむファッション革命に参加してほしいと願っています。
この機会にぜひ、ファッションの、そして世界の「これから」に思いをめぐらせてみてください。

水曜日

8

7月 2020

生産者パートナーからのメッセージ
ご支援ありがとうございました!

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5月のフェアトレード月間に実施した「生産者パートナーを支えるためのクラウドファンディング」について、支援プロジェクトの詳細が決まりましたのでご報告いたします。

今回対象とした21のパートナー生産者は、ピープルツリーを唯一の取引先とする小さなグループもあれば、福祉や教育のプロジェクトも行うNGOや大きな生産工場を持つ企業など、事業規模や活動内容は多岐にわたります。どのグループもスタッフや職人への休業手当や食料の配給などの活動に多額の費用を必要としており、それぞれにいくらずつ支援金を配分するかはとても難しい判断でした。

地域での支援活動の規模や、他団体から支援を受けることができているかなど、それぞれの生産者グループの状況を確認し、最終的に原則として一律1000ドルを基準とし、特に配慮が必要なグループに500~1000ドルの支援金を追加するということに。6月中旬から送金を進めています。
詳しい報告についてはこちらをご覧ください

ご支援いただいたみなさまやフェアトレードを応援してくださるお客さまに生産者グループからもたくさんのメッセージが届きました。
支援金にだけでなく生産者パートナーに寄り添う気持ちへの感謝や、これからも活動を続けていく後押しとなり励まされたなど、たくさんの声が寄せられましたので、ぜひいくつかご紹介させてください。

サナ・ハスタカラ/ ネパール

✉‥∵‥∴‥∵‥
80日以上事業を休止していましたが、スタッフと生産者の25%が、マスクの着用や消毒、ソーシャルディスタンスなどの対策を取りながら業務を再開しました。スタッフや生産者の感染に備えた保険も取り入れました。
この困難な時期に、$1,000の支援はほんとうに助かります。

代表 チャンドラ・カッチパティ

サナ・ハスタカラの詳細はこちら>

タナパラ・スワローズ/ バングラデシュ


✉‥∵‥∴‥∵‥
今回の支援金の使い道として、私たちは工房で働く生産者に作業服を提供することにしました。
自分たちの工房で縫製し、115人の生産者にひとり2着ずつ提供します。
ありがとうございます。

代表 ライハン・アリ

タナパラ・スワローズの詳細はこちら>

デュー・クラフト/ バングラデシュ

✉‥∵‥∴‥∵‥
ピープルツリーは、もっとも長期間、密な関係を築いている信頼のおけるパートナーのひとつであり、常に私たちに思いを寄せ、認めてくれます。
商品を購入いただいたりクラウドファンディングに協力してくださったピープルツリーのお客さまに感謝しています。私たちの職人グループが持続可能な暮らしを送れるよう、力をつける手助けとなります。

代表 シャー・アブダス・サラー

デュー・クラフトの詳細はこちら>

サフィー/ フィリピン

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5月15日、31日と政府はロックダウンを段階的に緩和し、事業者は通常の稼働を認められました。しかし、感染者の増加し続ける状況は変わっていません。みな第二波を警戒していますが、政府は経済を優先させているようです。
サフィーでは、徒歩で通勤できるスタッフにのみ出勤を許可し、残りはテレワークで仕事を続けています。まもなく製品を出荷できると希望を持っています。支払いを受けられることが何よりも必要です。できるだけ早く準備できるよう、ベストを尽くします。
仕事を再開するにあたっては、ソーシャルディスタンスを守ることやマスクの着用、体温測定といったガイドラインを設けて守るようにしていますので、心配いりません。

代表 ロウィナ・アリンドガン・アントニオ

サフィーの詳細はこちら>

サシャ/ インド

地域の人たちに配るマスクをつくっているところ

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パートナーからこのような支援を得られることは、財政的な意味にとどまらず信義的にも、私たちのチームのモチベーションを高めこの困難に立ち向かうためにベストを尽くそうという決意を後押ししてくれます。

CEO ルーパ・メタ

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クラウドファンディングを行って私たちに支援金を送ってくださるということに、心から感謝いたします。
コロナウイルスの感染拡大と、さらにサイクロンの被害で苦境にある生産者にとって、とてもタイムリーな支援となります。
支援金の使い道については、情報をアップデートして報告いたします。

ディレクター スジャータ・ゴスワニ

サシャの詳細はこちら>

タラ・プロジェクト/ インド

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ピープルツリーとグローバル・ヴィレッジが、生産者パートナーを支援するために寄付プロジェクトを始めてくださり感謝しています。クラウドファンディングに多くのお客さまや支援者が協力してくださったと聞き嬉しく思います。
タラ・プロジェクトに$1,500の寄付金を送ってくださるという決定に、深く感謝いたします。このご寄付は私たちにとってとても大きな意味を持ちます。大変な状況にある生産者やその家族を支えることができるでしょう。これからタラ・プロジェクトが実施するさまざまな活動について、定期的に報告いたします。

ご存じの通りインドでは、状況は以前よりも厳しくなっています。ロックダウンが緩和され、人びとは生きていくために仕事に戻るしか選択の余地はありません。しかし同時に、貧しい人びとの多くが仕事を失ったままです。デリー(タラ・プロジェクトの活動拠点)やその他の大都市では日ごとに感染が広がっています。残念ながらコロナウイルスは今やデリーのような大都市で街中あちこちに広がっています。私たちがいる地域は感染拡大地域とされており、これまでに45万6千人の感染者と1万4千人の死者が出ています。検査件数は増えていますが人口が膨大なためとても十分と言えません。マスクの着用やソーシャルディスタンスを保つというルールを守らない人も多くいます。さらに、雨期に入って気温と湿度が上がり、マスクを着用するのも難しくなってきています。

タラ・プロジェクトの教育プロジェクトと生産者グループ2団体が活動しているバダルプールで、悲しいことに二人の犠牲者が出ました。一人は以前コミュニティーワーカーとして働いていたマンジュ、もう一人は教育プロジェクトで支援を受けていた少女ナンディニです。マンジュは心臓と甲状腺の疾患を持っていました。呼吸困難に陥って病院に運ばれ(そのために大変な苦労がありました)、多くの困難を経てようやく酸素吸入を受けられましたが、助かりませんでした。ほとんどの病院はコロナウイルスの感染患者であふれかえり、必要な治療を必要な時に受けられなくなっているのです。

酸素供給機器の不足と病院の定員オーバーの状況を見て、タラ・プロジェクトでは緊急時に酸素吸入ができるようバダルプールのヘルスセンターに医療機器を配備することにし、酸素濃度計、酸素ボンベ、酸素集結装置の3種類を手配しました。これで緊急時の患者の手当や、喘息などの呼吸器系の疾患を持つ人の助けになればと思います。

代表 ムーン・シャルマ

ヘルスセンターに納品された酸素キット


配給されたフードパック

タラ・プロジェクトの詳細はこちら>

パートナー生産者のこれから

5月下旬にはインド東部とバングラデシュを過去10年で最大級というサイクロンが襲い、暴風や強雨による土砂崩れなどで住宅や農作物に大きな被害をもたらしました。インドの西ベンガル州で80人以上、バングラデシュで20人以上が亡くなり、家や作物、土地に被害を受けた人は1300万人にものぼりました。
幸いにもパートナー団体の中で人的被害はありませんでしたが、西ベンガル州に職人グループがいるサシャから、10の職人グループで作業所や事務所の建物に被害があったとの報告を受けました。

日本でも大きな水害が続いていますが、インドやバングラデシュも雨季の真っただ中。いつまた大きなサイクロンが起きるかわかりません。

コロナウイルスの感染はますます広がり続けていますが、再びロックダウンで経済活動がストップすることはさらに大きな問題を引き起こします。
さまざまな脅威があるなかで、フェアトレードの生産者たちは懸命に仕事を続けています。

2か月以上のロックダウンで予定からはだいぶ遅れてしまいましたが、やっと新商品が日本に届き始めました。いつもと違う状況でたくさんの壁がありましたが、ようやく動き出すことができます。

今月下旬より少しずつ新アイテムをご紹介しながら、8月9月には新作コレクションが続々と入荷する予定です。
これからたくさんの方に商品をお届けすることで生産者パートナーとともにこの苦難を乗り越えていこうと思います。

たくさんの支援ありがとうございました。
ピープルツリーの新作、ぜひ楽しみにお待ちくださいませ。

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生産者グループの近況や商品の入荷情報など、これからもInstagram、Facebook、Twitterで発信していく予定です。
ぜひご覧ください!
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水曜日

10

6月 2020

新しい日常はたくさんの気づきをくれました―5月のフェアトレード月間を振り返って

Written by , Posted in 生産者のこと, ニュース

6月に入り、早いものでまもなく1年の折り返し地点。
きっと世界中の誰もが、試行錯誤の半年だったのではないでしょうか。

私たちピープルツリーにとっても、まさにそうでした。

毎年5月の第2土曜日は世界フェアトレーデー。
ピープルツリーにとって、とても大事な1か月です。
いつもなら、イベントやセミナーを開催し、フェアトレードの魅力を伝え、手に取ってもらえるよう全力で走り切ります。

でも今年はそれができません。
「できない」日常の中で、新しい「できること」を模索しました。
そして「今やらなきゃいけないこと」も。

そうして出てきた答えが3つのことでした。

✔ 私たち以上に苦しんでいる生産者をサポートすること
✔ 動き出すそのとき、生産者にたくさんの仕事をお願いできるよう、お客さまの声を聞くこと
✔ オンラインで多くの人にフェアトレードを伝えること

今日はそんな私たちの5月の挑戦をみなさんにシェアさせてください。

お寄せいただいた支援額は3,076,800円!
生産者パートナーを支えるためのクラウドファンディング

真っ先に考えたのは生産者のことでした。
日々連絡を取り合う中で、どんどん増える感染者と厳しくなっていく規制。
それは日本にいる私たちとは比べものにならないほど苦しい環境でした。

フェアトレードで手にした自立した暮らしに終止符を打ってはいけない。
再び仕事ができる日まで、どうにかして彼らの思いを支えたい。
そのための支援をできるだけたくさんの人に届けたい。
こうして私たちは、「今やらなきゃいけないこと」クラウドファンディングに挑戦することを決めました。

5月1日からグローバル・ヴィレッジとの連携でプロジェクトをスタート。数日のうちにたくさんのご支援をいただきました。
1週間後にはレディーフォーに切り替えてより多くの応援を呼びかけ、支援総額は2,147,000円に。目標の120万円を大きく上回ってプロジェクトは成立!6月5日23時に無事終了しました。

その額は合わせて3,076,800円、これまでピープルツリーが行った支援プロジェクトで最も大きな金額です。

これからそれぞれの活動報告や要望をもとに各団体への送金額を決定し、6月中に送金を実施いたします。詳しいご報告は7月上旬を予定しておりますので今しばらくお待ちください。

現地の状況はなかなか改善の兆しが見えず、サプライチェーンが正常化し、フルキャパシティで生産が再開できる見込みは全く立っていないというのが現状ですが、生産者パートナーからは力を合わせてがんばっている活動の報告や、応援してくださったみなさまへお礼のメッセージがたくさん届いています。

支援をお寄せいただいたみなさま、周囲の方に協力を呼び掛けていただいたみなさま、SNSなどを通じて情報の拡散にご協力をいただいたみなさま、本当にありがとうございました!

このクラウドファンディングを通じて、応援してくださるみなさまとパートナー生産者の思いに触れることができました。
フェアトレードの活動を絶やしてはいけない、生産者パートナーたちと共に必ずこの苦境を乗り越えてさらにフェアトレードを強固なものにしていこうと決意を新たにしています。
これからもどうぞ応援をお願いいたします。

よりよいモノづくりのために!お客さまの声を集めるアンケート


日常が戻ってきたら、生産者に必要なのは寄付ではなく仕事です。
たくさんの仕事を依頼すること。これが私たちの大事な使命です。
より多くの人にフェアトレードを知ってもらい、気に入っていただけるものを企画する。
そのために、お客さまの声を集めるアンケートを実施しました。
2週間ちょっとの短い期間でしたが、4000人ほどの方の声を聞くことができました。
本当にありがとうございました!

結果の中で、特に面白かったものをご紹介します。

Q.好きな手仕事は何ですか?
ピープルツリーはさまざまな手仕事を活かした商品をつくっています。
手仕事はその地域に伝わる技術の継承につながるだけでなく、雇用を生み出し、フェアトレードを支える大事な要素です。
そしてなんとも言えないそのあたたかさ、やさしさが、私たちは大好きです。

1番人気が高かったのは…

手刺繍でした!
服の胸元や裾、小物にアクセントとして施され、華やかに彩ってくれる手刺繍。
納得の第1位です。

ただその他の手仕事も人気で、接戦でした。
手染め、草木染めのアイテムは最近あまりつくられていないのに、第3位と大健闘!
4位と5位の手編みとハンドプリントも選んだ方もたくさんいて、手仕事ファンが多いことを嬉しく思いました。

これからも手仕事の魅力が存分に引き出されるものづくりを、生産者と一緒にしていきます。

Q. ピープルツリーの過去の商品で、再度販売してほしいものはどれですか?
今までたくさんのオリジナルアイテムをつくり、お届けしてきました。
オフィスに昔のアイテムを身に着けているスタッフがいると「懐かしい!これ可愛いよね!」と盛り上がることもしばしば。
そんな過去の人気商品をいくつかピックアップし、また販売してほしいアイテムを聞いてみました。

1位を獲得したのは…

手刺繍の日傘でした!

そして、本当に僅差で2位だったのが…
リサイクルサリーのスリッパでした。

どのアイテムも「欲しい!」の声をいっぱいいただいたので、生産者と相談し、再販を検討していきたいと思います。

そしてフリーメッセージの欄には、たくさんの応援やアイディアをいただきました。

「こんなものが欲しいなど、ご意見があればお聞かせください」という質問に対して、たくさんのアイディア!

「最後にご意見、ご要望、生産者へのメッセージなど、ご自由にどうぞ!」では、たくさんのあたたかい声

みなさまからのメッセージには、新たな気づきがたくさんありました。

スタッフみんなでひとつひとつ読ませていただき、これからのものづくりや情報発信にぜひ生かしていきたいと思います。
ご協力、本当にありがとうございました。

オンラインで初開催!フェアトレードの学校

いつもは自由が丘店にお集まりいただいていた「フェアトレードの学校」。
緊急事態宣言で店舗での実施が難しくなってしまったので、新しい「できること」としてオンラインで開催することにしました。

今だからこそフェアトレードについて語り合う場を!と考え、1回目は鎌田ありささん、2回目は末吉里花さんとインドからパートナー団体の代表をゲストにご登壇いただくことに。
慣れない進行で不安はいっぱい、実際にトラブルでご迷惑をおかけしながらでしたが、どこからでも参加可能なオンラインでは2回でのべ220名以上、日本全国どころか海外からもご参加いただけました!
これだけ多くの方に関心を持っていただいたことを、とても嬉しく感じました。

日本に住む私たちも、あたりまえに過ごしていた日常生活をいろいろと制限され、普通の毎日がどれほど「ありがたい」ことなのかを実感する日々。
こんなときだからこそ、自分たちのことだけでなく世界とのつながりを考え、お買いもので応援するという発想が身近になり、これまでの経済最優先なあり方を改めた新しい生き方、働き方を考える人たちが増えていると実感しています。

ゲストスピーカーのひとり、インドのタラ・プロジェクト代表のムーンさんは「今こそフェアトレードが重要です。すべての職人が尊厳をもって生き残るために、食料とある程度の収入を得られるように努力することが私たちの使命です」とおっしゃっていました。

顔の見えるものづくりで作り手たちの暮らしや将来をサポートするフェアトレードは、これからの「ニューノーマル」な価値基準にふさわしい取り組みのひとつだと思います。

6月のフェアトレードの学校は、アンケートで最も開催希望の多かった「入門編」をお届けします。
個別のテーマがある回ではさっとしかできない説明や、基本的な情報を、わかりやすく丁寧にお伝えする予定です。ぜひご参加ください!

お申込はこちら

新しい「できること」をこれからも

戸惑いからスタートしたフェアトレード月間でしたが、振り返ってみると、新しいアイディアや取り組みがたくさん生まれた5月だったと思います。
たくさんの人に支援していただき、声を届けていただき、参加していただきました。
離れているのに、人とのつながりを感じることができた、そんな1か月でした。

私たちの試行錯誤の日々はまだ続きそうですが、乗り越えた先の明るい未来を信じて、挑戦を続けていこうと思います。

たくさんのご支援、ご協力、本当にありがとうございました。

ピープルツリー
スタッフ一同

水曜日

13

5月 2020

#Planet Fair Trade つながって、支えあって生きる

Written by , Posted in 生産者のこと

いま地球に暮らすすべての人が、同じ試練に立ち向かっています。
みんなが離れた家族や友人を想い、最前線で戦う人へエールをおくり、困っている人に手を差し伸べています。

今回の試練は、私たちにいろいろなことを考えさせ、気づかせました。
そのひとつは、同じ地球に住む私たちは、つながり、支えあって生きているということ。
広く大きな地球で、私たちはともに戦い、助け合っているんだと感じました。

この試練を乗り越えていくには、このつながりをより強いものにしていくことが必要です。
そしてそのつながるための手段のひとつが、フェアトレードだと信じています。

生産者のみなさんが一刻も早くいつもの生活を取り戻せるよう、
ピープルツリーでは5月1日から寄付キャンペーンを開始していますが、
より多くのみなさまからご支援をいただくために、
クラウドファンディングサイト「READYFOR」でのご案内を始めました。
目標金額を達成した場合のみ支援金を受け取ることができる(All-or-Nothing)方式で
6月5日までの間に120万円の達成を目指しています。

すでに約20名の方の応援をいただいていますが、ゴールはまだまだ遠いので、
これからもたくさんの方々に呼びかけていく予定です。

誰もが厳しい状況にありますが、みなさまのご支援や情報シェアのご協力をいただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします。

クラウドファンディング「READY FOR」はこちら

パートナー生産者のいま

3月下旬から始まったロックダウンはいまだ解除されないまま、5月も中旬になりました。
社会経済への打撃は、貧しい労働者たちの生活に深刻な影響を与えています。

インドやバングラデシュでは新型コロナウイルスの感染者数や死者数が増加し続けているにもかかわらず、
感染者数の少ない地域から、厳格に安全対策を行いながら、徐々に経済活動を再開しようとしています。
ピープルツリーの商品をつくる生産者グループも、いくつかは小規模ながら活動を始めました。

ただ、人口が過密する都市部の生産者はまだ先が不透明な状態。
活動を一部再開しているグループも、輸送状況や社会の混乱から、普段通りの仕事をするにはまだまだ程遠いというのが現実です。

ピープルツリーのパートナー生産者たちはスタッフや地域の人びとへのサポートを必死で続けています。
今後の資金面で大きな不安を抱えながらも、豊富ではない運営資金を惜しみなく使って生活支援する。
貧しい国では「助け合うことは当然のこと」という文化が根付いていることに気が付かされます。

5月1日のブログで、生産者グループのみなさんに聞いた現地の様子をお伝えしましたが、新しく届いた情報やアップデートをご紹介します。

サフィー/ フィリピン

色あざやかなカピス貝のブローチを届けてくれるサフィーからフィリピンのアップデートです。

フィリピンでは3月中旬から始まったロックダウンが5月15日まで延長され、
約2か月も外出制限の日々が続いています。
移動の制限はかなり厳しく、航空便や公共交通機関はすべて停止、
食料や必需品の買いものも各家庭から1人が代表して行っている状態です。

サフィーでも商品の出荷ができず、運営資金に影響を受けています。
今のところオフィススタッフに対しては賃金の支払いを続けていますが、
製品をつくる20の生産者グループの状況は厳しいです。
本来であれば生産者はオフィスに製品を納品した際に支払いを受けるのですが、
それができない今、サフィーから50%の前払いを受けて家族の暮らしを支えています。

政府や自治体もロックダウンにより影響を受けている個人や家庭に対して助成をしていますが、
それにも限りがあり、すべての人に行き渡る訳ではありません。
サフィーでは、海外のバイヤーからの支援を得て、地域コミュニティにマスクを寄付するなど、
地元の人びとをサポートする活動にも参加しています。

このような状況ですが、サフィーでは生産者の仕事と収入を維持するために、
世界中でさらに販路を拡大しようと積極的に新しい商品の企画も進めながら、再開の準備をしています

サフィーの詳細はこちら>

フュージョン/ インド

オーガニックコットンのカットソーなどを届けてくれるフュージョンから現地の様子を聞きました。

インドでは5月3日までの予定だったロックダウンが更に2週間延長されました。
これまで1か月以上に渡る厳しいロックダウンを行ったにもかかわらず、感染者数は日々増加しています。
社会経済や労働者の生活への打撃がすでに深刻な状況ですが、今後の見通しがつかない状況です。

フュージョンで働く約70名のスタッフはみな元気です。
ただ、完全なロックダウンが敷かれているため、
食料品や生活必需品を買いに行くほか外にでることはできず、すべての経済が止まっています。
スタッフには必要に応じて給与の前払いを行っているそうです。

労働者や生活に困窮する人びとに対しては食料、穀物、豆類、ガスボンベなどの配給や
支援金が政府から給付されていますが、企業に対する助成はまだありません。
1日も早く工場が再開する日を待っています。

フュージョンの詳細はこちら>

ボンボルル・ワークショップ/ ケニア

ハンドメイドのアクセサリーを届けてくれるボンボルル・ワークショップからケニアのアップデートです。

ケニアでも感染者の数は日々増加しています。
政府は感染者数を抑えるため、ナイロビやモンバサなどいくつかの主要都市をロックダウンし、
学校やホテル、文化施設を閉鎖、国際便も運航停止にしました。

ボンボルルではソーシャルディスタンスを徹底するため、
シフト制を敷いてサンプルや新しいシーズンの生産を進めていますが、
経営するギフトショップやレストランは閉めざるを得ない状況で、
これらの休業による損失は4000USドルにも及びます。
ジュエリーの制作部門も、取引先である欧米の深刻な状況を鑑みると、
今後の発注がどうなるのかとても心配していると聞きました。

82名の職人に対しては全員にマスクや除菌剤を配り、感染予防に対する啓発などを行っています。
彼らの半数はボンボルルが用意する住居で暮らしていますが、
それ以外の職人たちは、ただでさえ今後食料や医療品の高騰が予想される中、
今後の家賃の支払いにも不安を抱えています。

また、ボンボンルルの拠点にほど近いモンバサ港で大規模な検査が開始されるため、
より正確な感染状況が報告され、更なる規制が行われるかもしれません。

ケニアでは人口の70%が手工業ともいわれていて、多くの人が今回のパンデミックで影響を受けています。
政府からの支援がない中で、ボンボルルでは限られた資金からスタッフや職人への賃金や固定費の支払いを続けています。

ボンボルル・ワークショップの詳細はこちら>

デュー・クラフト/ バングラデシュ

竹やホグラなどの自然素材を使ったカゴを届けてくれるデュー・クラフトから現地の様子を聞きました。

バングラデシュでも感染者数は日々増加していて、
3月26日から始まったロックダウンが5月16日まで延長されることになりました。

デュー・クラフトのスタッフはみな在宅で仕事をしています。
職人たちもみな健康ですが、彼らの多くが日雇いの労働者で他に働き口がないため、
ロックダウンが長引けば生活に困窮する恐れがあります。

デュー・クラフトでは、コロナウイルス感染防止や正しい手洗い、ソーシャルディスタンスの方法などを記載したパンフレット作成し、地域に向けた啓蒙も行っています。

デュー・クラフトの詳細はこちら>

タナパラ・スワローズ/ バングラデシュ

縫製や刺繍だけでなく、バングラデシュでは男性の仕事とされる機織りに至るまで、
多くの工程で女性に働く機会をつくり、
手仕事の技が詰まったアイテムを毎シーズン届けてくれるスワローズから
逼迫した現地のレポートが届きました。

3月末のロックダウン開始とともに工房もオフィスも一時閉めることに。
ただ、機織り機を止めると縦糸が緩んでしまうため、仕事の時間を1日3〜4時間に短縮して
なんとか作業を続けています。

しかし今、165人の職人と50人のスタッフが影響を受けています。
特に職人たちは出来高制のためインパクトが大きく、
また彼女たちの夫の多くは日雇いの仕事をしているため、
ロックダウンの影響で職を失い経済的な不安を抱えています。
組織としても資金繰りに困窮し、賃金の支払いもままならない状況です。

そんな中でもスワローズは、地域に暮らす人たちにマスクを配布したり、医療従事者による感染予防の講習会を開いたり、米、豆、じゃがいも、オイル、除菌剤を全生産者とマイクロクレジットプログラムのメンバーに配給したりしています。
更に支援者より資金の援助を受け、150家族に7日分の食料を供給するなど、
積極的に地域の人びとのための活動を続けています。

タナパラ村の多くの人たちは日々の収入で生活していますが、
仕事がなくなった今、配給されるわずかな食料に頼るしかありません。
生活苦からロックダウンを無視し、家族を養うために街や畑に出る人もいます。

スワローズの限られた資金から地域を支援しようにも限界が近い状況で、
生産部門の代表のサントさんは「自分の人生の中で一番の危機を迎えている」と語っています。

タナパラ・スワローズの詳細はこちら>

クムディニ・ハンディクラフト/ バングラデシュ

毎シーズン美しいブロックプリントの服を届けてくれるクムディニからのアップデートです。

クムディニもすべての運営を停止し、直営ショップも休業しているため収益が絶たれています。
今はラマダン(1か月ほど続くイスラム教の断食期間)で、
本来であれば一番お店が賑わう時期でしたが、今年は様子が一変してしまいました。

生産者や地域の住民2,500世帯に対しては、
米、豆、ジャガイモ、塩などの食料品や、マスク、手袋、除菌剤、洗剤を支援していましたが、
今は厳しい都市封鎖のため供給をストップしています。
ロックダウンが解除されたらまた再開する予定です。

また、クムディニ財団が運営する病院では、外来、入院、救急、すべてにおいてフル稼働で対応し、
医者、看護婦、医療スタッフは必要な防護服と装備が提供されています。

多くの貧困者は故郷の村へ帰り、都市部に住む人はできるだけ自宅待機を心がけています。
その結果、街はガラガラの状態です。
未曾有の病気であり、また医薬品の欠如や医療崩壊など、
他国の状況を見た国民は戦々恐々としています。

クムディニ・ハンディクラフトの詳細はこちら>

ラジラクシミ/ インド

インド全土では5月16日までロックダウンが延長されましたが、
政府は社会経済への影響を鑑み、各地域をグリーン、オレンジ、レッドと3つに分け、
感染者数の少ない地域を対象に少しずつビジネスを再開しています。
ただ、安全を確保するため出勤人数を制限しているためフル稼働とまではいかず、
交通や移動制限もいまだ厳しい状況です。

コルカタとデリー近郊の産業都市ノイダに2つの拠点を持つラジラクシミでは、
特別な許可を得て厳格な安全基準のもとで5月7日からコルカタの工場が再開しました。

休業中は従業員に対して賃金支払いを行うとともに、マスク、除菌剤、
石けんを家族分も含めて配りました。
ラジラクシミのパートナーとしてオーガニックコットンの綿花を育てる農家2団体も無事に過ごしています。
地域に対しては、約500人の日雇い労働者とその家族に食品の配給を
4月中旬からロックダウンが終わるまで続けています。
ただサポートを必要としている人はまだ何千人といますが、限られた人しか支援することができません。

ラジラクシミ/ インドの詳細はこちら>

アシシ・ガーメンツ/ インド

20年以上にわたってピープルツリーのオーガニックコットン製品を届けてくれているアシシ・ガーメンツは、
3月18日から工場を閉め、ロックダウンの延長を受けて今も休業が続いています。
ロックダウンの制限は厳しく、人びとは通院や食料や生活必需品を購入する以外の外出を禁じられています。

政府はごく限られた世帯に17キロの米を支給しただけで、
人びとは食料と生活必需品を求めて苦しんでいます。
そのため、アシシでは休業中もすべてのスタッフに満1か月分の給与を支払い、
近隣の住民にも、米、穀物、油、小麦、野菜、ココナッツなどを支給しています。

アシシで働く管理部門、縫製のスタッフはみな再開の時を待っています。

アシシ・ガーメンツの詳細はこちら>

プロクリティ/ バングラデシュ

いつも自然素材を使ったザルやカゴなどのハンドメイドアイテムを届けてくれるプロクリティから
現在の状況を聞きました。

5月16日までロックダウンが延長されたため、引き続きオフィスでの業務は停止、
生産者である女性たちは工房に出勤できない状態です。
原材料を自宅に持ち帰り少しずつ生産を進める人たちもいますが、生産はほぼ止まっている状況です。

プロクリティでは生産者に対して、再利用可能な布マスク2枚、固形石けん2個、
ドイツのバイヤーからの支援を受け1,100タカの資金を配ることにしました。
また、近隣地域に住む1,100世帯に対しても、布マスク5枚、固形石けん2個、
蚊よけネット1枚または同じ金額相当の食料・必需品、再利用可能なバッグを配ります。
さらに、香港の団体からの支援を受け4,000名の人に対して布マスクを配るそうです。

全てが封鎖されたこの危機的状況の中、最も影響を受けているのは工賃ベースの労働者です。
生活に困窮する人びとは身を寄せ合って暮らす狭い住まいから抜け出す手立てを持っていないため、
ソーシャルディスタンスを徹底することができず危険にさらされています。

プロクリティの詳細はこちら>

ゴダバリ・デルタ・レース/ インド

レース工芸で有名なインド南東部の町、ナルサプールを拠点に活動するゴダバリ・デルタ・レースも3月末から5月上旬までロックダウンにより休業していました。

写真は、女性の職人たちが手編みしたクロシェのマスク。

先週から感染者数の比較的少ない「オレンジゾーン」に区分けされ、ごく限られた数のスタッフがこのマスクをつけて仕事を始めました。

ゴダバリ・デルタ・レースの詳細はこちら>

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生産者グループの近況や最新情報など、これからもInstagram、Facebook、Twitterで発信していく予定です。ぜひご覧ください!

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金曜日

1

5月 2020

#Stay Home Live Fair フェアトレードの未来に支援を
生産者サポートのクラウドファンディングを始めました

Written by , Posted in 生産者のこと

ピープルツリーのパートナー生産者たちが暮らすインドやバングラデシュ、ネパールなどの国でも、新型コロナウイルス感染拡大防止のため厳しいロックダウンの日々が続いています。

ほとんどの生産者グループが3月下旬から今日に至るまで、1か月以上に渡りオフィスや工房の休業を余儀なくされています。
そんな苦しい中でも、スタッフや職人たちが日々の生活に困らないよう、食料や生活資金を援助したり、地域コミュニティの支援活動をサポートしたりする団体なども多く、改めて、数え切れないほど多くの人の生活の基盤になっているフェアトレードの重要性、そして彼らの製品を日本のみなさまに届けているピープルツリーの役割の重さを感じています。

生産も完全に中断し、国内および海外への輸出もできないいま、パートナー生産者たちは資金面でも不安を多く抱えています。
そこで、ピープルツリーは グローバル・ヴィレッジの協力を得て、生産者グループの緊急支援活動をサポートするためにクラウドファンディングを立ち上げることにしました。
詳細はこちらのページからご覧ください。

インドやバングラデシュをはじめ、各国では新型コロナウイルスの感染者数がますます増加しており、事態の収束がいつになるのか、全く見通しがつかない状況です。
仕事が再開できる日のために、より多くの人たちへ支援の手を差し伸べられるよう、クラウドファンディングや普段のお買いものなど、ぜひフェアトレード生産者に応援をお願いいたします。

パートナー生産者のいま

ピープルツリーでは生産者グループのみなさんに現地の様子を聞き、少しずつInstagram、Facebook、Twitterに投稿を始めましたが、まとめてご覧いただけるよう、こちらでもご紹介いたします。

クムベシュワール・テクニカル・スクール(KTS)/ ネパール

ネパールでは3月24日から1か月以上ロックダウンが続いていますが、KTSのすべての編み手さんたちはみな健康で無事に日々の生活を送っています。
外出制限が厳しく家にいる以外は何もできませんが、製品の生産に関して言えば、もともとKTSでは女性たちが在宅でニットを編み、家庭と仕事を両立させているので、いま生産中の2020年秋冬コレクションの生産は止まることなく進んでいます。

ただ、毛糸が足りなくなったいくつかの製品は、オフィスに毛糸を取りに行くことができないので止まっていて、商品の検品や梱包なども自宅ではできないので、いつロックダウンが明け、普段の仕事を再開できるか不安に思っています。

ネパール国内の感染者は他国と比べるとまだ低い水準を維持していますが、この状況が長引けば生産者たちへのインパクトも大きくなるのは確実です。

クムベシュワール・テクニカル・スクール(KTS)の詳細はこちら>

手工芸生産者連盟(ACP)/ ネパール

3月24日のロックダウン直前、オフィスから1週間分くらいの仕事を持ち帰って各工房で生産を進める職人もいましたが、外出制限が長引き、生産をさらに進めるための原料も尽きてしまいました。
また、街のすべての機能が止まってしまったのでATMが使えず、給与を引き出すことができない人がたくさんいます。

ACPの事務所でも海外向けの輸出ができず、これからどうやって事業を続けていけばいいのかまだ先が見えない状態です。
1か月ほどのロックダウンでしたら家に籠って生活を続けていくことはできますが、これ以上長引くとどうなるのか、早く事態が収束し事業を再開できることを願っています。

手工芸生産者連盟(ACP)の詳細はこちら>

ニュー・サドル/ ネパール

ネパールの伝統技法であるダッカ織りの製品を届けてくれるニュー・サドルの代表、チトラさんからのメッセージをご紹介します。

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ニュー・サドルではすべてのスタッフや職人は家にいるか、故郷の村に帰っています。
敷地内にある高齢者養護施設にいるお年寄りは、医療補助スタッフの元、健康に過ごしています。
街の機能が停止し給与の引き出しもままならないスタッフたちに向けては、3~4週間分の食料や当面の生活に必要な日用品の購入資金なども届けています。
ただ外出制限が厳しいため、ニュー・サドルの拠点から離れた場所に住む人たちへの手助けはできない状態です。

今後ロックダウンがさらに続けば、フェアトレード団体も含む小さな事業者は深刻な資金不足に陥り、生き残りが難しくなるでしょう。
また、ネパール国内全体でも食料や医療品、製造に必要な原料不足が起こることが予想されます。
ニュー・サドルとしても海外への輸出ができず資金繰りが厳しくなってきています。

この困難な時代を乗り切るため一番大切なのは、皆が団結していくことです。
一緒に協力しあうことで、ニュー・サドルが支援する、ハンセン病や、その他障害を持つ人びと、社会的な弱者である生産者たちを助ける力となります。

ニュー・サドル
代表 チトラ・バハドゥール

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クリエイティブ・ハンディクラフト/ インド

オーガニックコットンやテンセルの洋服を届けてくれるクリエイティブ・ハンディクラフトも、5月3日までオフィスやすべての縫製グループは休業しています。
ただ、休業中も現場の女性たちやオフィススタッフへの給与の支払いは続けています。
また、支援をしている家族や子供たちへ食料の配布もしています。

インドの中でもクリエイティブ・ハンディクラフトが拠点にしているムンバイは、特に人口が過密した大都市です。
先日もアジア最大級のスラムとも言われるダラヴィ地区でコロナウイルスの感染ケースが報告され、感染拡大の懸念が広がっています。
ただ、このようなスラム街でソーシャルディスタンスを徹底することは容易ではありません。

インドでは60%以上の人たちが日雇いの仕事をしていると言われています。
リキシャドライバーや建設現場の作業員など、今回のパンデミックで最も被害を受ける日雇いの労働者たちです。
クリエイティブ・ハンディクラフトは、より多くの人の支援をするため国内マーケットを広げる計画をしていましたが、いまはいったん棚上げするしかありません。

ロックダウンが明けたら一刻も早く普段の仕事に戻りたいと思っています。
そのためにもみなさまにフェアトレードを支援いただき、この厳しい時を乗り切れたらと思います。

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サシャ/ インド

いつも手織りシルクや色鮮やかなブロックプリント、インドの伝統技術を用いた手工芸品などバラエティ豊かな製品を届けてくれるサシャでも、オフィスや生産グループ、工房などすべての拠点が休業を余儀なくされていますが、自宅で働ける職人たちは少しでも生産の遅れを取り戻せるよう、プリントや縫製などを少しずつ進めてくれています。
インドのロックダウンは今のところ5月3日までとなっていますが、オフィスのある地区はホットスポットとなっているため、当面の間は封鎖措置が続きそうです。サシャのスタッフはWhatsAppやSkype、Zoomなどを駆使してお互いに連絡を取り合い、生産グループとコミュニケーションを欠かさないようにしています。

また、それぞれが住む地域のボランティアとして、食料品の配布やマスクの提供などを行うスタッフもいます。
皆ひとりひとりができることを進めています。

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タラ・プロジェクト/ インド

インドの首都ニューデリーを拠点に活動するタラ・プロジェクトは、ピープルツリーのハンドメイドビーズを使ったアクセサリーやパレワストーンの雑貨などを30年近くにわたって生産する大切なパートナー団体です。
代表のムーンさんからお便りをいただいたのでご紹介します。

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タラ・プロジェクトも4週間以上にわたり休業状態が続いています。
短時間で生活必需品を買いに行く以外は誰も外出を許されていないので、すべてのスタッフと職人たちは家にこもっています。

農業や漁業など限られた産業は稼働することを許されていますが、働く場所を失った日雇いの労働者や工場で働く人たちに対する打撃は計り知れません。
その影響はもちろんタラ・プロジェクトの職人たちにも及んでいます。

職人たちは工房の設備を使ってアクセサリーを製作しています。
在宅で仕事をすることは難しく、輸送手段も断たれているため、全く生産ができない状態です。
政府の支援や社会保障もないので、私たちのような小さな事業者が生き残っていくための資金繰りはますます厳しくなりそうです。
周辺の小さな工房はすでに多くが廃業し、このままでは近い将来ほとんどが消えてしまうでしょう。
私たちだけでなくアメリカやヨーロッパの依然厳しい状況により、海外からの受注が減ってしまうことも懸念しています。

こんな状況ですが、タラ・プロジェクトではスタッフやすべての職人たちと定期的に連絡を取り合い、コミュニティで活動するグループを通じて、支援を必要としている人びとに炊き出しや食料品を配る活動を続けています。
また、家を失い自治体が用意したシェルターに避難している人たちへマスクを配りました。
こんな時だからこそ、人のためにできることをしています。
しかし残念ながら、限られた資金の中では全ての人を助けることはできません。

早く状況がよくなって、職人の手による製品がたくさん売れるようになることを願っています。
みなさま、支援と連帯をありがとうございます。私たちは皆、思考と祈りでつながっています。

タラ・プロジェクト
代表 ムーン・シャルマ

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サイドプール・エンタープライズ/ バングラデシュ

リサイクルサリーやジュートなどの素材を使ったバッグを届けてくれるサイドプール・エンタープライズから現地の様子を聞きました。

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サイドプール・エンタープライズのスタッフは皆元気です。
ロックダウン環境下のため、全員がほぼ自宅で過ごし、外出しないように心がけています。
ただ、生産がすべて止まっているため、職人たちは収入を得ることができません。
そのためサイドプール・エンタープライズでは、休業が始まる前に、生活必需品購入のための資金として10,000タカをすべての職人たちに配りました。
また、食糧支援として米20kg、小麦粉5kg、食用油1リットル、玉ねぎ 5kgなどを購入するための費用として1500タカを助成しました。

誰もが厳しい状況にありますが、何とか協力しあって切り抜けていけたらと思います。
ぜひフェアトレードのお買い物で支援いただけると嬉しいです。

サイドプール・エンタープライズ
代表 M.ギャスディン

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ジュート・ワークス/ バングラデシュ

ジュートなどの自然素材を使った手工芸品や雑貨を届けてくれるジュート・ワークスからバングラデシュの状況を聞きました。

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バングラデシュでは国内のほぼ全域で新型コロナウイルスの感染ケースが報告されています。
検査をするにもごく限られた数のテストキットしかなく、また検査機関も十分ではないので、実際の数を把握しきれていないのが現状です。

ジュート・ワークスでは職人たちとスタッフの安全確保のため、3月19日からいまに至るまで、オフィスと各生産拠点を閉鎖しています。
休業中もスタッフへの給与の支払いをしていますが、中には「No Work No Pay」の理念で給与の一部を寄付した人もいます。

いま組織全体で3,500人もの人がロックダウンの影響を受けています。
職人たちに対してはジュート・ワークスの資金からサポートしていますが、ロックダウンが少しずつ延長され、職人たちの食料の貯蔵が尽きてきているいま、更なる人道支援を行う必要があります。

ジュート・ワークス
開発/広報マネジャー ミルトン・スランジット・ラトナ

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バングラデシュ・デヴテック・アソシエイツ/ バングラデシュ

風合いの美しい手織りの生地を使った製品をいつも届けてくれるデヴテックから厳しい現地の様子を聞きました。

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バングラデシュ全域では、1か月以上ロックダウンが続いています。
当初はごく限られた人数でなんとか手織りや縫製を続けていましたが、いまはオフィスも工房も完全に閉鎖中です。
生産が止まっている間もスタッフには毎月給与を支払い、工賃ベースの職人には家族を養っていくのに最低必要な分を週払いしています。

もともと原材料調達のために資金繰りがタイトな時期に、あと1か月でAW20の製品を出荷というところで休業を余儀なくされてしまい、収入が途絶えています。
政府や支援団体からも援助も受けられない中で、デヴテックで働くスタッフやその家族、合計40世帯もの生活がかかっています。
5月以降どうやってサポートを続けていけるかとても不安です。

これからも組織を存続させ、職人たちの手織りや手刺繍の技術を未来へつないでいくためにも、みなさまの支援を必要としています。

バングラデシュ・デヴテック・アソシエイツ
代表 プロディップ・ゴメス

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最後にピープルツリー創設者のサフィア・ミニーからみなさまへ

私たちはこのパンデミックのさなか、家族や身の回りのコミュニティのことに集中しがち(それは人と人とのつながりを再確認するということでもありますが)ですが、世界に目を向けると、苦しい状況に陥っている人びとがたくさんいます。
例えば、4,000万人もの縫製従事者はただでさえ最低限の賃金で日々の暮らしにも事欠くのに、さらにこの事態による影響を受けています。
こういった人びとが困難な日々から抜け出すため、フェアトレードやグリーン・ニューディールは必要とされていますし、いま一度、経済の仕組み全体を見直すきっかけとしたいと思っています。

私たちはどうやって自分や家族が安全に暮らせるかということを考えるのと同時に、フェアトレードの次のアクションも考えています。
ぜひ、フェアトレードの活動、またフェアトレード生産者たちを支援してください。
なぜなら、私たちが”未来”だから。

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ここでご紹介しきれなかった生産者グループの近況や最新情報など、これからもInstagram、Facebook、Twitterで発信していく予定です。

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金曜日

17

4月 2020

4月24日は何の日?#Who Made My Clothes

Written by , Posted in 生産者のこと, ニュース

4月24日は何の日?#Who Made My Clothes

2013年4月24日、バングラデシュの首都ダッカ近郊で複数の縫製工場が入った複合ビル「ラナ・プラザ(LANA PLAZA)」が崩落し、死者1138人、負傷者2500人以上を出すファッション史上最悪の大惨事が起きました。

欧米企業からの需要に応えるために、工場を広げて生産力を高め、コストを下げるために安全を無視した違法な建築で幾度も増築された8階建ての建物には、たくさんのミシンと発電機の振動によっていくつもの亀裂が入っていましたが、どれだけ訴えても従業員は避難を許されず、給料を払わないと脅されて、仕事を続けるしかありませんでした。
生き埋めになったのはすし詰め状態で働いていた4000人の人びと。その多くが低賃金で雇われた女性やスラムに暮らす若者でした。

沢山の命が奪われて初めて、多くの人たちは気が付きました。このような悲劇を二度と繰り返してはいけない、ファッション産業は変わらなければならないと。
ファッションを愛する人たちは革命を起こそうと声を上げました。ファッションのために誰も死んではいけないのだと。
こうしてFashion Revolutionへの活動が世界中で始まりました。
4月24日はファッションレボリューションデーです。

あなたは今着ている服が、どこの国で、どんなふうにつくられたか知っていますか?
どんな人が、どんな思いでつくったものか考えたことはありますか?

映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』



安く、早く、大量に衣服を生産するファストファッションの裏側で何が起きているのか?自身もファストファッションの衣服を買っていたという米国のアンドリュー・モーガン監督が立ち上がり、制作したのが映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』です。ラナ・プラザの悲劇から2年後の2015年5月に米国で公開されました。

この数十年、服の価格が低下する一方で、人や環境が支払う代償は劇的に上昇してきました。この作品は、服を巡る知られざるストーリーに光を当て、「服に対して本当のコストを支払っているのは誰か?」という問題を提起する、ファッション業界の闇に焦点を当てたドキュメンタリー映画です。
ピープルツリーの創設者サフィアもこの制作に協力し、フェアトレードの役割について語っています。
ぜひ日本の人たちにも見てほしいと積極的に働きかけた結果、字幕版が2016年4月に公開されました。

多くの国で本格的な都市封鎖が始まった3月の下旬、サフィアから英国の新聞「The Guardiaガーディアン」が報じた1通の記事が送られてきました。そこには、アパレル製品の輸出が最大の産業であるバングラデシュで、欧米のファッションブランドのオーダーキャンセルによって100万人以上の労働者が全く保障もないままに失業したというニュースが!
その後も感染拡大によって工場閉鎖はますます進み、現在までに3500億円の取引が消え10億枚の服の仕事を失った220万人の人びとは収入のない暮らしを余儀なくされています。医療体制やセーフティネットの整っていない脆弱な社会の中で、どうやって生きていけばよいのでしょうか。
私はこの記事を読んで、もう一度『ザ・トゥルー・コスト』を観ようと思いました。

初めて観たときには気に留めなかった印象的な言葉がいくつもありました。
「戦後多くの化学兵器や爆薬製造の工場が不要になりました そして爆薬をつくっていた産業が窒素肥料を作っています」
「肥料であれ殺虫剤であれ 化学薬品の悲劇は生態系を麻痺させることです 使うほどにもっと必要になります」
「ファッションは消耗品ではないし そう考えてはいけません」
「血でできた服なんて 誰にも着てほしくない」
「必要なのは価値観の革命だ」

いま、ウイルスの蔓延で世界は大変な混乱に陥っています。いつかこの事態が収束して再び経済が動き出したら、企業は利益を取り返すために過剰な競争を繰り広げるかもしれません。
ファッション業界で戦う革命者たちは、勝利を勝ち取ることができるでしょうか。

ピープルツリーのオンラインショップにDVDが再入荷しました


来週からファッションレボリューションウィークが始まります。
ピープルツリーはたくさんの人にこの事実を知ってほしい、革命に参加して欲しいと思い、映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』のDVDを再び販売します。
長いおうち時間に、私たちの暮らしに欠かせないファッションについて、考えてみる時間をつくってみませんか?

まだの方はぜひ、観た方はもう一度、ファッションが好きな方は何度でも!
いまこそ世界の「これから」に思いを巡らせてください。

映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』公式サイト
予告編が見れますので気になる方はぜひ!

映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』のDVDはこちら>



ファッションレボリューション公式サイト(英語)
ファッションレボリューションウィークに向けて世界中でたくさんのアクションが呼びかけられています。
コロナウイルス感染の拡大で多くのイベントがキャンセルになってしましましたが、オンラインで参加できるものが増えました。
世界で起きていることのニュースもたくさん掲載されているので、ぜひご覧ください。