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ピープルツリーの日々のこと

金曜日

15

5月 2015

世界フェアトレード・デー2015企画
「もっと知りたい! リサイクルサリー~インドの生産者さんを迎えて~」

Written by , Posted in 生産者のこと

5月の第2土曜日は、世界フェアトレード・デー。
世界中の様々なフェアトレード団体が、フェアトレードの大切さをアピールする日です。
ピープル・ツリーでは、リサイクルサリーのアイテムをつくっている
インドの生産者団体「サシャ」よりゲストをお招きして、いくつかのイベントを企画しました。


お越しいただいたのは、デザイン・商品開発担当マネージャーのスワガタさん(左)と、 テキスタイル・コーディネーターのリタさん(右)。

お越しいただいたのは、デザイン・商品開発担当マネージャーのスワガタさん(左)と、
テキスタイル・コーディネーターのリタさん(右)。


スワガタさんは、サシャの立ち上げメンバーでもあり、
30年以上のキャリアの中で何度か来日経験もあるベテラン。
リタさんは初来日。インドを離れるのも初めてです。
見るものすべてを楽しんでいらっしゃいました。

自由が丘店では、世界フェアトレード・デー前日の5月8日(金)に
トークイベントを開催しました。


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20150515_03まずお二人に自己紹介していただいた後、スライドで
リサイクルサリー製品のできる過程を丁寧に紹介いただきました。
サシャでは、これまでもリサイクルサリーのベッドカバーやバッグなどを手掛けてはいましたが、
生産現場を訪れたピープル・ツリー代表サフィアのアイデアで、
洋服をつくり始めたのは2007年。
いちばん最初のアイテムは、右の写真のようなトップスでした。

それからスカートやボトムスなど、デザインを変えて
いくつものオリジナルアイテムが生まれました。


実際にリサイクルサリーのアイテムをつくっている様子を
動画でご覧いただきました。



リサイクルサリーは、ストリートマーケットで買い付けます。
このマーケット、とても朝が早くて、まだ暗い3時くらいに始まり、
なんと朝7時ごろには終わってしまうとか。
懐中電灯で照らしながら、これは!と思うものを探し出すのだそうです。

新しいサリーは糊がきいていてパリッとしているのですが、
何度も水をくぐって手洗いされたサリーは、本当にやわらか。
新品と古着を参加者のみなさんにもさわっていただき、違いを肌で感じてもらいました。


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肌になじむ古着ですが、ほつれやシミがあることも。
それを丁寧にパッチワークしたり、刺繍をして補強するのも、大事な作業です。
これを日本の消費者が求めるクオリティーにするために、
継ぎ当て布のサイズや、柄合わせなどを事細かに指導するのが、
リタさんのお仕事のひとつ。
当て布が大きすぎて素敵ではないとダメ出しをしたサンプルを、
わざわざインドから持ってきてくれました。

また、色彩の捉え方もインドと日本では異なるため、
リタさんたちサシャのスタッフがピープル・ツリーとのやりとりで感覚を共有して、
実際のつくり手さんたちに指導してくれています。
さまざまな生地を組み合わせるとき、これは寒色系? これは暖色系?と
1つ1つ確認して、製品に仕上がった時の印象をそろえてくれているのです。
もともと、赤やオレンジ、ピンクなどの暖色系のサリーが多いので、
「暑い夏には寒色が着たい! 青や緑を増やしてほしい」
という日本の要望に応えるのは、本当に大変だそう。
ちなみに、赤系の色にはおめでたい意味合いがあるので、既婚者が好みます。
旦那さんに先立たれた人は、必ずしも白や黒を着る必要はありませんが
もう赤系は身にまとわないのだとか。

市場で売っているサリーのサイズは地域によっても異なり、
都市部では大体115cm幅で5.5m、農村では110cm幅で4.5m。
農作業をするには、スカート部分に取るひだを少なくして、短めのほうが動きやすいので、
最初から小さめなのだそう。

こうした「作業しやすい」着方以外にも、
おしゃれとしてのバリエーションや、地域の文化による違いなどがあるそうです。
サリーをどう身にまとうのか、お客さまをモデルに実演してもらいました。
1枚の長い布にひだが寄せられ、あっという間に形になるのを見ると、
サリーは特別な衣装ではなく、本当に身近な日常着なんだな~という実感がわきました。


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「私たちが着ているサリーが、形を変えて
 日本のお客さまに着ていただけることは、つくり手にとっても大きな喜びです。
 色とりどりのサリーの色柄合わせをすることは、
 クリエイティビティーを刺激されて、とても楽しいです」

現地の人びとにとって、玄関マットやベッドカバーなど
どうしても繕いものの古くさいイメージがつきまとっていた「リサイクル」サリーが、
おしゃれなファッションアイテムとしてよみがえった時、
とても新鮮な気持ちと共に、誇らしさをもたらしたとのこと。
リサイクルサリーの洋服は国内でも広くウケて、サシャの実店舗でも大人気商品だそうです。

フェアトレードの良さというのは、どこで、誰が、どんなふうにつくったのか、
つくり手の顔が見えることだと思います。
今回のトークイベントのように、買い手とつくり手が交流する場をつくるのも、
フェアトレードを広めるうえで、とても大事なこと。
お互いを知ることで、なおのこと商品に愛着が生まれたり、
より心を込めてものづくりするきっかけになります。

これからも、こうしたイベントを企画していきますので
残念ながら今回参加できなかった方々も、ぜひ、お楽しみに!


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