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ピープルツリーの日々のこと

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木曜日

13

2月 2014

春の新作、一部入荷しました!

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こんにちは。
カタログ担当のアイです。

明日の東京は、雪の予報ですね。
ホワイトバレンタインデーになるのでしょうか?

今日は、そんな寒さを吹き飛ばしてくれるような
春の新作が一部、ピープル・ツリーの
オンラインショップに入荷しました!

それでは、とってもかわいい新作をご紹介します。

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薄手のコットン地に、刷毛やスタンプを使い、
ひとつひとつ手作業でプリント。

色合いやかすれ具合など、職人の技が光ります。

こんな素敵なワンピース、
ほかではなかなか見つからないと思います!

このワンピースのほかにも、2色展開でサンドレス、スカートがあります。
商品はこちらから

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さわやかなボーダーのトップスと思いきや、
ボタンを外すとスヌードや羽織りになる便利な一着。

着丈も程よい長さで、大活躍間違いなし!

写真のグレイ系のほかにも、ブルー系があります。
商品はこちらから

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カーブをつけたモチーフにコットン糸を巻いた、
真鍮のアクセサリーは、ケニアから届きました。

シンプルながら、存在感のあるアクセサリーです!

写真のシルバーのほかにも、ゴールドがあります。
商品はこちらから

このほかにもまだまだオススメアイテムがたくさんあります。

20130213_04いまなら、春の新作アイテムをご購入の方先着100名さまに、
「ビーズつきメジャー」をプレゼント!

ぜひオンラインショップからチェックしてください!

火曜日

19

11月 2013

ネパールのKTSから生産者が来日しました!

Written by , Posted in 生産者のこと, おしゃれ, ニュース

こんにちは。
エディターのアイです。

今日の早朝、ピープル・ツリーへ毎シーズン素敵な手編み製品を届けてくれる
ネパールの生産者団体KTSから技術指導・品質管理担当のラビナさん(写真中央)、
ディレクターのサティエンドラさん(写真右)が来日しました。

今日から数日間日本に滞在します。
ラビナさんは海外に行くのが初めて、そしてサティエンドラさんは日本が初めてだそうです。

今回、イベントや打合せで大忙しの二人。
着いてすぐに、少しだけ初めての東京を満喫したようです。

写真を見せてもらいました。

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左)満員電車、初体験!
リナさん、様になってます!

右)皇居あたりをお散歩。
いいお天気で、楽しい時間になりました。
なんと途中でケネディ米大使の馬車に出会ったのだとか!

とっても素敵な笑顔が印象的な二人に直接会えるチャンスがあります!

ぜひ会いにきてください。
二人もよろこびます。

 

■女性が自分らしく働くということ-ネパールのフェアトレードから学ぶ-

ピープル・ツリーの代表サフィア・ミニーを交え、KTSの活動について、フェアトレードの仕事がネパールの女性たちの生き方をどのように力づけてきたかなどをお話しします。

11月21日(木)19:00-20:30(18:30受付開始)

会場:東京ウィメンズプラザ 2F 第1会議室
東京都渋谷区神宮前5-53-67
(渋谷駅 宮益坂口から徒歩12分、東京メトロ表参道駅B2出口から徒歩7分)
地図はこちら

スピーカー:
サティエンドラ・カドゥギさん(ネパール・フェアトレード生産者団体「KTS」ディレクター)
ラビナ・シャクヤさん(ネパール・フェアトレード生産者団体「KTS」技術指導・品質管理担当)
サフィア・ミニー(ピープル・ツリー/グローバル・ヴィレッジ代表)

参加費:500円 (グローバル・ヴィレッジ会員 無料)

申込方法:こちらの申込フォームよりお申込みください。

月曜日

9

9月 2013

Time Out Tokyoコラボレーション連載「ボーダレスな人びと」第7回

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ライフスタイルマガジン「Time Out Tokyo(タイムアウト東京)」とピープル・ツリーのコラボレーション連載、第7回目に登場するのは、日本を代表する指揮者、井上道義。その既成の概念にとらわれないボーダレスな音楽性は国内外から評価が高い。そんな彼に、クラシック音楽のおもしろさについて聞いてみた。

井上道義(指揮者)

-指揮者ってオーケストラの中で何をしているんですか?

僕は指揮者って、コンサートの1時間なり2時間なりを自分が思い描く世界に塗り替えているんだと思うんですよ。相手が100人いたら、それぞれの世界をみんなが持っているんだけど、それを自分の世界に塗り替えようという意欲を持っている人っていうのかな。押しつけるのとは違います。

-それぞれ違うことを考えている人たちをまとめるコツは?

いつもなるべく基本的な話しかしません。基本に帰って、当たり前のことを言うだけ。大きい音は大きく、小さい音は小さく。小さい音をなんで小さくするのか、どんな小さい音にするのかとか、そんなことをやっているだけです。まあ、僕じゃなくても誰でもやれる仕事です(笑)。

-日本のクラシックは、世界で言うとどのくらいのレベルなんですか?

マーケットとしては世界一ですね。特に東京は、世界一クラシック音楽が演奏されていると言ってもいいのではないでしょうか。コンサートホールも多い。だから日本にいれば世界中のオーケストラが聴ける状態で、いい音楽を聴けるチャンスも多いです。まるで寿司でトロばっかり食べちゃって困るみたいな状況になっているけれど(笑)。ただし、そこで何かが育っているかと言うとそれはまた別で。作曲家もそんなに出てきていないし、世界的にオペラハウスやミュージカルシアターなんかで演奏されるような作品が生まれてはいないんです。

-なぜ日本では音楽作品が生まれないのでしょうか?

やっぱり言葉の問題もあると思う。日本語だから。もうすぐバルトークの「青ひげ公の城」をやるんだけど、これはハンガリー語で書かれています。男と女の愛情のズレを描いたオペラで、本当に素晴らしい作品ですが、上演する機会は残念ながら少ないと思う。世界的にシェアの少ない言語は、どうしてもそうなってしまうんですね。でもイタリア語はまた別。長い歴史があって、音楽がイタリアで生まれたと言ってもいいからね。楽語と言って、楽譜に書かれている言葉、例えばフォルテやピアノ、カンタービレなどはすべてイタリア語です。実際、イタリア語は歌いやすいんです。しゃべってる人を聞いても歌っているように聞こえるでしょ。

-音楽にとっても言語は重要なんですね。

今年、北朝鮮でベートーヴェンの第九を初演しました。彼らはドイツ語で歌うことも初めてだったから、ドイツ語を僕が教えなきゃいけない。技術は持っているんだけど、第九はドイツ語的な響きの中で音楽が培われているから、そういう世界観を創造することから始めました。ドイツ語ってアジアの言語と違って、肺の奥から出るような響きでしゃべっているんです。それを意識しないと音楽も軽めになってしまう。北朝鮮では英語がほぼ通じません。だから、通訳が必要。僕が日本語でしゃべって、それを通訳してもらう。昔と違って今では、フランスとかドイツでも英語を話す人が増えたと感じます。やっぱり言葉が通じないとかゆいところに手が届かない。音楽をともに演奏するには、語学が絶対にいる。島国である日本にいたのでは、語学の勉強はなかなか難しい。よっぽど真剣にやらない限りは、ボーダレスなんかになれっこないと思います。

-クラシック音楽というだけで敷居が高く感じてしまう人も多いと思いますが。

敷居が高いということは全然構わないと思うし、ありとあらゆる今も飽きられていない芸術って敷居が高いものなんです。とはいっても、演奏家はなるべくわかりやすい演奏をしなきゃいけない。演奏するっていうことは、作曲家や作品をなるべくわかりやすく紹介するっていうことだと思うので、ことさらに難しくて高級なものに演出する演奏家は僕にとって敵です。そういう人たちがクラシックを化石化させている。本当にいい演奏ってものはわかりやすいものなんです。
例えば、室井摩耶子さんって僕が小学生だった頃のピアノの先生がいるんだけど、同じようなことを言っているんです。「モーツァルトだって、私が20歳や30歳ぐらいの頃は全然わからないで弾いていた。でもこういうことだったのねってわかり出してからはとってもおもしろくなった」と。92歳の日本屈指のピアニストでさえそうだったんだから、普通の人がすいすい入れないってことは別に問題ないと思う。

-「夏休みの子供音楽会」では、ショスタコーヴィッチの交響曲から始まって驚きました。

そう、あれはよかった! 子どもは5歳から大人です。知っている曲があるから子どもが喜ぶかっていうと、それは大人が思っているだけで、子どもは知らないものばっかり毎日見ているんですよ。毎日新しい発見をしているのが子どもで、大人になったら繰り返しになるんだよ。その違いはめちゃくちゃ大きい。知ってようが知るまいが、それがその人にとっておもしろいと思えるか、また新しい発見ができるかどうかが演奏家の務めです。やっぱりいいものにはいろんな秘密が隠れていて、玉手箱とか宝箱って、鍵がかかっているんだよ。

大人目線で子どもを教育したらおしまいだと思うわけです。自分が子どもだった時をよーく思い出さないといけないんだよね。

-井上さんのコンサートは帰る時に笑顔の人が多い印象です。

僕は音楽会っていうのは舞台だと思ってます。人間は目からも音が聞こえていると思うんです。だから、無駄なくいつでも一番きれいに見えるように指揮をしたいなと思っている。無駄のない指揮っていうのはきれいなんです。舞台に出た時から、僕は僕でしかないから、究極的に自分でいようと。あとは僕と仕事したり、僕の音楽会に来てくれる人がハッピーであること。じゃないとやったってしょうがない(笑)。みんなが音楽好きにならなくてもいいけれど、音楽をきらいにはならないでほしい。クラシックは愛されなくてもいいけれど、つまらないとは思われたくないな。

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井上道義 Michiyoshi Inoue
1946年東京生まれ。1971年ミラノ・スカラ座主催グィド・カンテルリ指揮者コンクールに優勝し、一躍注目を集める。古典から近現代の音楽までカバーする幅広いレパートリーと、既成概念にとらわれない企画性は、国内外で高い評価を獲得している。特にマーラーの演奏には定評があり、1999年には新日本 フィルハーモニー交響楽団とともに交響曲全曲演奏会を行った。2007年からは、オーケストラ・アンサンブル金沢音楽監督ならびに石川県立音楽堂アーティ スティック・アドバイザーに就任。ラ・フォル・ジュルネ金沢などで多くの実験的企画を敢行し続けている。
公式サイト:http://www.michiyoshi-inoue.com/

【バルトーク 歌劇「青ひげ公の城」】

プログラム:オッフェンバック(ロザンタール編曲)バレエ音楽「パリの喜び」
バルトーク 歌劇「青ひげ公の城」

2013年9月13日(金)19:00開演
東京芸術劇場コンサートホール(東京都)

指揮:井上道義
コヴァーチ・イシュトヴァーン(青ひげ公/バス)、メラース・アンドレア(ユーディト/メゾ・ソプラノ)、仲代達矢(吟遊詩人)、東京フィルハーモニー交響楽団
料金:S6,500円、A5,500円、B4,000円、C3,000円、D2,000円
問合せ:東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296

2013年9月27日(金)19:00開演
フェスティバルホール(大阪府)

指揮:井上道義
コヴァーチ・イシュトヴァーン(青ひげ公/バス)、メラース・アンドレア(ユーディト/メゾ・ソプラノ)、晴 雅彦(吟遊詩人/バリトン)、大阪フィルハーモニー交響楽団
料金:A6,000円、B5,000円、C4,000円、BOX7,000円
問合せ:大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890

衣装協力:
ピープル・ツリー
オーガニックコットン・ボーダー・プリントTシャツ(ブルー)
http://www.peopletree.co.jp/shopping/ladies/168115.html

About Time Out Tokyo
タイムアウト東京は、街の探索と発見の楽しみを日本語、英語のバイリンガルで伝える“お出かけ促進メディア”。ヴニュー、イベント、特集記事、ブログなどのコンテンツをデイリーで発信しています。
http://www.timeout.jp/

金曜日

6

9月 2013

ピーター・イェンセンとコラボレーションしました♪

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ピーター・イェンセンは、イギリスを拠点に世界的に活躍するデザイナーで、
ピープル・ツリーとのコラボレーションも今回で2回目になりました。

好評だった春夏に続き、今シーズンのアイコンは、
ユーモラスな表情がかわいいクマとウサギ!
素材はどちらももちろん、オーガニックコットンです。

まずご紹介するのは、ピーターといえばウサギ!!というぐらい人気の高いアイコン。
ピーター・イェンセンのブランドタグにも使われています。
そのウサギをグラフィカルに配し、大人でもかわいく着ることができます。
色味は今シーズンのトレンドカラー、ネイビーとバーガンディーの2色。

気になる腰まわりが隠れる長さ。

気になる腰まわりが隠れる長さ。

ウエストのゴムですっきりとした印象に。

ウエストのゴムですっきりとした印象に。

大きなスタンドカラーがポイント。タイトめなラインでゆったりしすぎないのもうれしい。

大きなスタンドカラーがポイント。タイトめなラインでゆったりしすぎないのもうれしい。

クマのトップとドレスには、秋冬でもあたたかく着ていただけるように、
裏起毛加工を施しています。

起毛用の機械にオーガニックコットン生地をロールさせ、
生地の表面をひっかいて毛羽立たせて起毛することで、
よりやわらかい肌触りと保温性を持たせています。

袖に手を通した瞬間に、オーガニックコットンのやわらかさと
着心地のよさを実感していただけるはずです。

カジュアルに着ることができるスウェットは今シーズンのマスト・ハブ!

カジュアルに着ることができるスウェットは今シーズンのマスト・ハブ!

スニーカーと合わせてカジュアルダウンしても◎。タイトめでおしゃれシルエット。

スニーカーと合わせてカジュアルダウンしても◎。タイトめでおしゃれシルエット。

ピーター・イェンセンのアイテムはこちら

オーガニックコットンの裏起毛アイテムはこちら

木曜日

8

8月 2013

夏休み、どう楽しむ?-暑い夏を心地よく過ごす5つのヒント

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毎日まだまだ暑い日が続きますね!
もうすぐ待ちに待った夏休み!!という方も多いのでは?
お休みの準備もまた楽しいひととき。

旅行に出かける方も、お家でのんびりな方も、
暑い暑い今年の夏を心地よく過ごす5つのヒントをご紹介します。

Webサイトリニューアルを記念して、
8/21(水)まで、人気アイテムを20%オフ。
この機会にぜひチェックしてみてください。

① 手織り生地
機械織りと違い、程よく空気を含んだ手織り生地は通気性もよく、
真夏でも涼しく着ることができます。

20130808_01

私のオススメは、「手織りギンガムチェック・トップ」
シーンを選ばず、バカンスもオフィスも着られる便利な1着。

そのほかの夏にぴったりな手織りアイテムはこちら>>

② オーガニックコットン
吸水性に優れたコットンは、汗をかく夏に手放せないアイテム。
私もオーガニックコットンの着心地にやみつきです!

海外旅行など長距離の移動には、オーガニックコットンのボトムスが
とってもラクでオススメです。
グレイやブラックならコーディネートもしやすく、キッチリ感もあります。

オーガニックコットンワイドパンツ(グレイ/ブラック)

オーガニックコットンワイドパンツ(グレイブラック

そのほかのオーガニックコットンアイテムはこちら>>

③ 夏素材の小物
地味になりがちな夏スタイルを華やかにしてくれるのは、
ケニアから届いたキオンドのバッグ。
キオンドのバッグは、サイザル麻の繊維をひとつひとつ手で編んでいます。
ケニアでは嫁入り道具のひとつなのだとか。
美しい模様と色合いも魅力的です。

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貝殻の飾りつきキオンドショルダーバッグ(ネイビー/ペールピンク)

貝殻の飾りつきキオンドショルダーバッグ(ネイビーペールピンク

そのほかの服飾雑貨アイテムはこちら>>

④ コットン・ヘンプのワンピース
一度着てしまうとやめられないのが、ワンピース。
1枚でコーディネートを考えなくていいのもうれしいですね。

さらっと涼しいコットン・ヘンプ生地のワンピースは、
ベルトでウエストをマークしても◎

手織りコットンヘンプ・タックドレス(生成り系/オレンジ系)

手織りコットンヘンプ・タックドレス(生成り系オレンジ系

そのほかのワンピースはこちら>>


⑤ ボリュームのあるアクセサリー

夏の日焼けした肌にもぴったりな真鍮のアクセサリー。
シンプルな白シャツや色鮮やかな柄ワンピースなど、
さまざまなテイストに合わせやすいので、愛用しています。

ケニアのボンボルル・ワークショップから届いたアクセサリーは
小さなチェーンもひとつひとつ、すべて手作りしています。
手作りならではの美しさをぜひ夏スタイルにプラスしてください。

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そのほかのアクセサリーはこちら>>

金曜日

26

7月 2013

Time Out Tokyoコラボレーション連載「ボーダレスな人びと」第6回

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ライフスタイルマガジン「Time Out Tokyo(タイムアウト東京)」とピープル・ツリーのコラボレーション連載、第6回目に登場するのは、国内にとどまらず海外での活躍も目覚ましい、アートディレクターでアーティストの川上シュン。アートとデザイン双方から多方面にアプローチを続ける彼のボーダレス観を聞いた。


川上シュン(アートディレクター、アーティスト)

-海外での仕事が増えているそうですね。

そうですね、今は7:3ぐらいで日本と海外ですね。厳密に言うと、6が東京、3が海外のプロジェクトで、1がアートの仕事かな。将来的には日本と海外と5:5にして、デザインとアートの仕事も半々にしていきたいと思っています。

-主にはどのような仕事をされているんですか?

アートは、ビジュアルワークを僕がつくってそれを売るという仕事。例えば、もともとできている作品を販売することもあるし、オーダーワークだったり、コミッションワークとして仕事を頼まれることもあります。デザインは、クライアントワークを基本に、ブランドデザインの仕事として、企業ロゴだったり、ファッションブランドとか食品系ブランドなどのブランディングの仕事をしています。ブランディングと言っても、基本的に僕はメディアをボーダレスに仕事をしています。WEB、グラフィック、空間演出、店舗設計、建築まで一通りをアートディレクションするんです。まずはメディアを越えないとブランディングってできないんですよ。店舗設計も必要だし、デザインしたロゴを店舗やグラフィック、印刷、WEBでどのように使われるのかを全部コントロールしないと本当の意味でのブランドデザインにならないので。メディア全体をデザインすることを念頭に置いて、仕事をするということをベースにしています。

-海外の場合は?

海外では映像とかパッケージとか、そういうデザインの仕事もするんですが、どちらかというとアートの仕事の方がボーダレスに国境を越えやすいんです。ビジュアルだから言語がいらない。カンファレンスでも言うんですが、要はビジュアルってランゲージなんです。すごくグローバルなランゲージで、かつ僕の作品は日本的要素を内包しているんです。僕自身が日本人だし、日本の文化が好きだから、自分の作品が外に出るのであれば、日本のエッセンスを何かしら入れて流通させたいと思っています。

-海外ではなく、東京にオフィスを構えた理由は?

もう出て行くという感覚はやめていいと思って。それに、日本はいろんなものが世界一なんですよ。技術もそうだし、文化も感性も。たぶんどこの国よりも優れていると思うんです。日本人ってもっと偉そうにしたらいいのにって(笑)。だから、日本にいても海外ともっとグローバルに仕事をしてもいいんじゃないかなと。ただ、ヨーロッパと日本って距離的に異常に遠いんですよ。ヨーロッパの人は、2、3時間でヨーロッパ内のほかの国に、ほぼ行けるんです。その3、4倍の飛行時間って、ヨーロッパからすると世界の果てなんですね。日本人はもう慣れているけれど、まずその距離感を理解しないと外の人とは戦えないですね。その距離を越えてまで来たいと思えるものをつくらないと。海外に行けば仕事はあるけれど、東京から何かできないかなという強い想いがあります。東京を拠点にしながらも国際的に活躍するっていうのが今の目標になっています。

-東京の魅力は何でしょう?

僕にとってのNY、ロンドン、パリへの一時的なあこがれが終わったんですね。そこから日本のよさが見えだしてきて、東京がいいって言ってるのかなと思います。もちろん若い頃は、東京だけにいてはダメです。いろんなものを吸収するために外に出て行かなくては。世界は広い方が楽しいんですよ。いろんなところに行ったがゆえに、日本のよさが見えてくるところもあって、結局、僕は東京よりおもしろいところはなかったですね。

-創造の原点が東京なんですね。

僕が東京生まれというのも大きいと思います。本当に東京が好きなんです。地元愛ってあるけれど、まさにそれです。僕のデザインとか作品は東京っぽいってよく言われるんです。僕自身、東京をベースにしていた方がアイディアが広がります。ここを出てしまったら、東京は自分の街じゃなくなるから、作品が変わってしまうもしれない。

でも、日本文化を取り入れる感覚は外国人に近いんじゃないかと思っています。ずっと海外のデザインに憧れて勉強して、物をつくってきたから、外国人が思う“日本かっこいい!”が僕の中にあるんですね。僕の日本文化の知識って、外国人の日本大好きぐらいの知識しかないと思うんです。東京に対してちょうどいいファッション感があって、それをどう表現するかっていうのをアウトプットしているので、外国人目線で日本を見て、物をつくっているんです。やっぱり外国人には東京にもっと興味を持ってもらいたい! そのためには東京をもう少しグローバル化したいなと思っています。

-どうしたらグローバル化できると思いますか?

まず、僕の周りのことから言えば、東京にいながらも、人種がミックスしたデザイン会社をつくりたいと思っています。これから何人か外国人のスタッフが入る予定です。そして、スタッフの半分ぐらいは外国人にします。日本人しかいないと日本人の感覚しかないから、海外から10時間の壁を越えてわざわざ発注はしないと思う。
僕の東京の理想像というのがあって、日本人と外国人が半々ぐらいで暮らしている感じ。日本人も英語で楽しそうにしゃべってる絵が未来の東京であってほしいと思っています。

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川上シュン Shun Kawakami
アートディレクター、アーティスト。1977年、東京・深川生まれ。artless Inc.代表。日本の伝統美と現代的感覚、古典技法とテクノロジーを組み合わせるなど、アートとデザインの境界に位置する「芸術としてのデザイン」を探求している。その領域は多岐にわたり、アート、デザイン、タイポグラフィック、インタラクティブ、ビデオ、インスタレーションなど、アートとデザイン双方から多方面へアプローチを続け、グローバルに活動中。「NY ADC: Young Gun 6」受賞(2008年)、「カンヌ国際広告祭」金賞(2010年)、「ONE SHOW DESIGN(NY)」金賞(2013年)など、国内外で多数の受賞歴を持つ。
公式サイト:http://www.artless.co.jp/

衣装協力:
ピープル・ツリー
オーガニックコットン・ボーダー・プリントTシャツ(ブルー)
http://www.peopletree.co.jp/shopping/ladies/168115.html

About Time Out Tokyo
タイムアウト東京は、街の探索と発見の楽しみを日本語、英語のバイリンガルで伝える“お出かけ促進メディア”。ヴニュー、イベント、特集記事、ブログなどのコンテンツをデイリーで発信しています。
http://www.timeout.jp/

金曜日

19

7月 2013

オンラインショップをリニューアルしました!

Written by , Posted in ニュース

こんにちは。WEB担当のアイです。

本日、ピープル・ツリーのオンラインショップを
リニューアルオープンしました!

オンラインでのお買いものはもちろん、
世界各地のピープル・ツリーの生産者がつくったアイテムを
探したり、ご覧いただくのも
簡単でより楽しくできるようになりました。

今回のリニューアルでは、3つが変わりました。

① 検索しやすい、探しやすい

左上にある検索ウィンドウから、
探したい商品のキーワードや品番を入れて検索!
以前よりも、すぐに商品を見つけることができます。
カテゴリーを絞って検索することもできます。

② フェアトレード商品をより身近に

生産者の手仕事の技術から検索することも可能になりました。
すべての商品から「オーガニックコットン」、「手織り」、
「手刺繍」、「手編み」、「草木染め」、「ブロックプリント」を
絞って検索できます。

例えば、手刺繍の商品を見たい場合は、

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をクリック!
手刺繍アイテムをすべて表示できます。

さらにそこから、トップス、ワンピース、雑貨などのカテゴリーで
絞ることもできます。

また、主な生産国ごとに商品を見ることもできます。

③ピープル・ツリーのフェアトレードをわかりやすく

ピープル・ツリーのフェアトレードについて、
また、取り組みについて、よりわかりやすい内容に変更しました。
今後も随時アップデート予定です。

今回のリニューアルを記念して、7/19(金)から21(日)まで
送料無料キャンペーンを実施しています。

また期間中、15,000円以上お買い上げの方から
抽選で20名様に、オンライン・ショップでの次回の
お買いものでご利用いただける3,000円クーポンをプレゼント!

この機会に、ピープル・ツリーのオンライン・ショップ
フェアトレードのお買いものをお楽しみください!

金曜日

21

6月 2013

Time Out Tokyoコラボレーション連載「ボーダレスな人びと」第5回

Written by , Posted in おしゃれ

ライフスタイルマガジン「Time Out Tokyo(タイムアウト東京)」とピープル・ツリーのコラボレーション連載、第5回目に登場するのは、モーツァルト国際コンクールにおいて日本人で初めて優勝を果たしたピアニストの菊池洋子。ヨーロッパを拠点に、世界をボーダレスに活躍するその原点を聞いた。

菊池洋子(ピアニスト)

- ピアノを始めたきっかけは?

4歳の時、幼稚園の先生が毎日弾いてくれるピアノがすごく好きで、なんて素敵な音なんだろうって思ったのがきっかけです。私が大好きだったのが、お昼寝の時間に先生が弾いてくれるエステンの「人形の夢と目覚め」という曲でした。その曲を聞くのが楽しみで幼稚園に通っている感じ。それで両親にピアノを習いたいってお願いしたんです。

- その頃からピアニストを目指していましたか?

将来はピアニストになりたいとずっと思っていました。これは、一度も変わらない夢です。そういえば、七夕の短冊にも毎年「ピアニストになります」って書いていましたね。小さな頃は、練習をいやだと思ったことはなかったです。どんどん新しい曲を弾けることが楽しかった。学校でも早く家に帰ってピアノが弾きたいと思っていたぐらい(笑)。

- 菊池さんにとっての転機はいつでしたか?

一番大きな転機は中学1年生の時に田中希代子先生(数々の国際コンクールで日本人初入賞した日本を代表する伝説のピアニスト) と出会ったことです。音楽っていうのはひとつの音、ひとつのフレーズをとっても、弾く人や考え方によってこれだけ変わるんだということを知りました。ひとつの音を何回も何回も試して、こういう音が出したいというイメージをつくっていく。こんなに深いものだったんだと感動したことを覚えています。高校卒業直前に、希代子先生が亡くなって勉強の場をヨーロッパに移そうと決意しました。第2の転機が18歳でイタリアに留学したことですね。そこで13年間勉強しました。そして、今住んでいるベルリンに移ったのが数年前。これも大きな転機でした。

- イタリアで勉強した中で大きかったことは何ですか?

イタリアに行く前までは、どんな演奏がしたいか聞かれても、ここはこう答えるべきだろうというような優等生の答えしかできなくて、自分の個性を隠すように、こわごわ表現していたところがありました。でもイタリアでは、人と違う意見を持っていることが個性としてすごく評価されるんです。だから、ひとりひとりがびっくりするぐらいいろいろな意見を持っています。時間はかかったけれど、自分をオープンにして、意見のはっきりした演奏ができるようになってきたのは大きいですね。

- あえてドイツに行った理由は?

イタリアのことは本当に大好きで、気候も人も食べ物も最高で、居心地がいいんです。でも今の時点で、ここで学べることは学んだと思って、何か新しい勉強をしていかないと自分の成長にはつながらないと感じてしまって。自分の中にアイディアはすごくたくさんあるのに、ちゃんと整理できていない感じをベルリンに行くことで脱したかったのかもしれません。
ベルリンでは、いろいろな演奏会やオペラを聴いたり、私にとっては最高の環境。そしてここで再会したのが、当時ベルリンフィルの首席ホルン奏者だったラデク・バボラーク。彼は常に世界最高の指揮者の元で演奏してきて、ものすごく音楽のアイディアを持っているんです。趣味のいい音楽のつくり方というのかな。彼と共演することで、テクニックやペダルの使い方、音の出し方など私自身、本当にたくさんのことを学んでいます。

- バレエも好きだそうですね。

ベルリンで初めて「白鳥の湖」を観てからハマってしまって、同じ演目でも行ける時はすべて行っています。バレエを観ることによって、自分の演奏のイメージも広がります。新しいアルバムの「ロマンティック・アンコール」では、「白鳥の湖」の「情景」をオーケストラのスコアを見て、自分でアレンジしました。あまりに好きすぎて(笑)。

- 今年に入ってバレエとの共演も立て続けにありましたね。

そうなんです。オーケストラやリサイタルで弾くのとは、全くアプローチの仕方が変わっておもしろい経験でした。バレエは、ダンサーのステップがあるからテンポをすごくゆっくりにすることもあれば、息づかいをたっぷり取らないといけないことがあったり、どんなテンポもあり得るんです。でもそういうふうに弾いた時に、今まで気がつかなかったすごく素敵なハーモニーを見つけたり、隠れたリズムを見つけたりという新しい発見があって。その作品を全く別の角度から見ることができました。私にとって、バレエと共演することは、ただダンスに合わせるのではなくて、自分の成長にもつながっています。

- ベルリンは旬な場所なんですね。

音楽家だけでなく多くのアーティストが集まっている感じはあります。ベルリンで聴く演奏会は、私が住んでいたイタリアのイモラで聴く演奏会とは演奏家の気合いが違うように感じました。ここにいればいつでも最高のクオリティーの音楽を聴くことができます。でも、それは日本にも言えるんです。日本はアーティストに対するリスペクトが世界で一番だと感じます。私の知り合いの海外の音楽家たちも日本に行くっていうとすごく気合いが入って、最高の準備と演奏をしようと努力しています。そういう意味で、東京、ニューヨーク、ベルリンの3都市は、クオリティーの高い演奏を聴くことができると思います。

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- 演奏会は緊張しますか?

それはします。一人の前で弾くのも数千人の前で弾くのも同じ緊張です。演奏会が始まる直前に、オーケストラがオーボエの音でチューニングをしますよね。あれを聞くと、もう逃げられないっていう心境です。まさに覚悟を決める音。

- 何かおまじないがあったりしますか?

留学する時に家族からもらったネックレスと親友がパリで買ってきてくれたメダイユは寝る時も身につけているお守りです。これはコンサートの時ももちろんつけています。あとは、本番前に毎年お参りしているお寺のお守りを楽譜の中に入れておくんです。お願いしますって。これは毎回しています。あとは、毎日の練習ですね。

- どのぐらい練習されているのでしょうか?

日にもよりますが、毎日8時間は練習しています。インタビューでそう答えると、すごいですねって言われることが多いのですが、よく考えたらオフィスで働いている方たちと変わらないんです。ただひとつ違うのは、会社員の人たちは仕事が終わった後に自由時間が始まるけれど、私たち音楽家にとっては、楽器を弾いている時がいきいきとしている自由な時間なんです。ピアノに向かっている時間が、みんなが仕事を終えた後に楽しむ時間と同じ感覚なんだと思います。

- 練習はコンサートのためですか? それとも日々の修練ですか?

モーツァルトは一生取り組んでいく中でのひとつひとつの演奏会という想いで続けています。近現代、コンテンポラリーのレパートリーは、演奏会にクライマックスをつくるように準備します。室内楽の場合は、共演する相手によって違います。前日にリハーサルがあって、翌日が本番ということも多いのですが、それだと合わせて弾いて終わったという感じになってしまいます。例えば、ホルンのラデク・バボラークやクラリネットのアンドレアス・オッテンザンマーなどは、ひとつの演奏会にもかかわらず、3回も4回もリハーサルをします。朝10時から夜6時まで食事もせずにリハーサルして。でも集中しているから、あっという間。これは、次の日のコンサートの準備をしているのではなく、お互いに音楽が好きで合わせ始めたら、ああしようとかこうしようっていうアイディアが湧き出てきて止まらなくなってしまう。まさに情熱。だから練習ではないんです。そういう時間が私にとって最高の時間です。

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菊池洋子 Yoko Kikuchi
2002年第8回モーツァルト国際コンクールにおいて日本人として初めて優勝して一躍注目を集めた。その後、2003年にザルツブルク音楽祭のモーツァルト・マチネに出演するなど国内外で活発に活動を展開し、いまや実力・人気ともに日本を代表するピアニストの一人。国内の主要オーケストラとの共演はもとより、国際的にもリサイタル、オーケストラとの共演、室内楽演奏会で成功を収めている。CD録音も活発に行い、モーツァルト・アルバムをエイベックス・クラシックスより3枚、オクタヴィアより室内楽アルバムをリリースしている。最新版は、小品集「ロマンティック・アンコール」(エイベックス・クラシックス)。第17回出光音楽賞受賞。
オフィシャルwebサイト:http://www.yokokikuchipf.com/

■菊池洋子ピアノ・リサイタル
2013年12月13日(金)19:00/紀尾井ホール
プログラム/シューマン:交響的練習曲 op.13(遺作つき)
※後半は、新譜「ロマンティック・アンコール」の収録曲から、リクエストの多い曲を演奏。あなたのリクエストで曲が決まるコンサートです!
全指定席¥5,000
詳しくはAMATI(アマティ)まで。Tel.03-3560-3010

衣装協力:
ピープル・ツリー
オーガニックコットン・ボーダー・プリントTシャツ(ブルー)
http://www.peopletree.co.jp/shopping/ladies/168115.html

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タイムアウト東京は、街の探索と発見の楽しみを日本語、英語のバイリンガルで伝える“お出かけ促進メディア”。ヴニュー、イベント、特集記事、ブログなどのコンテンツをデイリーで発信しています。
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月曜日

10

6月 2013

Time Out Tokyoコラボレーション連載「ボーダレスな人びと」第4回

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ライフスタイルマガジン「Time Out Tokyo(タイムアウト東京)」とピープル・ツリーのコラボレーション連載、第4回目に登場するのは、女優の東ちづるさん。生きづらさを抱えるマイノリティの人びとのサポートを行い、障害者も健常者もまぜこぜのボーダレスな社会を目指す。その活動について聞いた。

東ちづる(女優、一般社団法人Get in touch理事長)

-まずは「Get in touch」について教えてください。

2012年10月に設立したばかりの団体で、いろいろなマイノリティ団体や個人で活動してきたトップの仲間7人で立ち上げました。そのきっかけは、東日本大震災。新聞記事で、障害者やセクシュアルマイノリティとか、普段から生きづらさを感じている人たちが、避難所の中で孤立してしまったり、自宅に帰るように促されて車中で暮らしたりということを知って。私も20年間さまざまな活動をする中で、正しい知識、理解、支援を、と活動してきましたが、今必要なのは正しい知識より、どんな状況でも誰をも排除しない社会作りだと実感したんです。

-「Get in touch」は「つながる」という意味ですね。

震災後、「つながる」とか「絆」という言葉ばかりが前に出て、違和感がありました。その言葉を口にすることでつながったつもりになるの?というか。日本はチームですっていうのにも。別にひとつの国で同じ方向に団結する必要はなくて、つながりたい時につながれるような社会であるべきだと思ったんです。それで、「Get in touch」とみんなで名付けました。

-具体的にはどのような活動をされているんですか?

アートと音楽を通して、楽しくおしゃれに。啓発、福祉の活動ですが、そのにおいを一切させたくない。私たちは、講演やシンポジウム、デモもしません。他人事だと思っている人たちをいかに巻き込むかっていう活動ですね。楽しそうおもしろそうだから参加してみたら、気づいた!っていう感じ。アートとか音楽とか食とかファッションとか、そういった空間は集いやすいし、見えない壁を超える力があります。たいていの人は自分はマジョリティだと思っていたい。でも、私は世の中にマジョリティは存在しないと思っています。すべての人が何かしらマイノリティ。

-人はなぜマイノリティを排除してしまうのでしょうか?

先進国の中では特に日本は遅れていますね。それは教育もあります。「みんな違ってみんないい」なんて言いますが、都合よく使っているなあと思う。社会に車いすの人や障害のある人やあらゆるマイノリティの人がまぜこぜにいっぱいいますか?っていうとそんなことないですよね。それは、彼らが施設や学園にいたり、あるところに集中的にいたり、共生共存の社会がまったくできていないからなんですよ。違いをハンディキャップにしてしまっている。だから、みんな普段会わない人とどう接していいのかわからないんです。避難所でも悪気はなく排除してしまったんですね。違いをアドバンテージにできれば誰も排除されないはずです。

-“まぜこぜの社会”をつくりたいというのは東さんの使命ですか?

使命感はまったくないです。ただやりたいだけ。私自身、自分の中にまぜこぜがあるはずなのに、光の部分しか出しちゃいけないと思っていたんです。芸能人は評価されなきゃいけない仕事なので、そこはとっても苦悩したんですね。評価のために私は私らしく生きていないんじゃないかと生きづらさを感じた時期もありました。でも、光があれば陰もあるんです。経済にしても、着るもの、食べるものにしても。例えば、そこに児童労働があったり。でもそこは見なくても生きてこられたんです。ふと自分の陰に気づいた時に、そういう社会の陰にいても立ってもいられなくなってしまって。なんで陰の人たちを作らなきゃいけないの?って。政治で変わらないなら、私たちが楽しく変えられるんじゃないかなと。

-仕事をしながらの活動は大変ですね。

仕事とは違う楽しさがあります。仕事はオファーが来て、ニーズがあって、いろんなことで折り合いをつけなきゃいけない。やりたいことをやれません。当然です。だけどこの活動はやりたいようにやっていい。この活動ではロードマップをつくらずに走行しながらF1マシーンを組み立てるような爆走のしかた(笑)。時代の変化も早いし、ハプニングだらけ。でも瞬時に考えて、チームで解決する。私だけの夢だったら単なる妄想なんですが、それをみんなで実現していくことがたまらなくおもしろいんです。4月2日に東京タワーで「世界自閉症啓発デー」のイベントを開催したのですが、どしゃ降りの雨の中1,500人も来てくれたんですよ。みんな何かを知りたくて不安なのかもしれない。 本来の福祉のあり方って、こちらから行くケースが多い。でも私たちは来てほしい。思いきって外へ。まぜこぜになるために。最初はみなさんに迷惑をかけるから不安ですっておっしゃいます。私たちは慣れたスタッフや弁護士や救護隊と万全の態勢で臨みますが、今までトラブルはありません。にぎやかなところや大きな音が苦手と思い込んでいましたが、居心地のいいところでの騒音は楽しいと言われてうれしかった。そういうことが私たちもわかってきました。

-東さんの活動を知りたい、参加したいと思ったらどうしたらいいですか?

ぜひウェブサイトを見てください。そしてイベントに参加してください。ボランティアはその都度募集しています。ただ、何でもやります、何をしたらいいですか?と言う人はノーサンキューかな。何かができる人と何かをしたい人とつながりたいと思っています。 今、ちょうど「Get in touch」のテーマソングをつくっています。PVもつくって、ダウンロードできるようにしたいと企画中です。この歌は社会に対してのメッセージ。普通ってどういうこと?みんな違ってみんないいっていうから、みんなと違うことを楽しくしていたら、どんどん生きづらくなってきたじゃないかっていう歌なの(笑)。PVにはオノ・ヨーコさんとか、いろいろなカムアウトをしている海外のアーティストにも出ていただいたり。すごいスケールのPVをつくるぞ!と意気込んでいます(笑)。

-日本人でカムアウトしている文化人とかアーティストっていますか?

難しいようですね。カムアウトされると社会が変わるのに! 本当に。
ただ、ほかの国にはカムアウトできるような環境があるんですね。日本はまだまだ。社会は人間の手でつくるもの。小さい力でも集うと大きな力になるから、活動を続けることで変わっていくと信じたいですね。ある日突然、私が死んで「Get in touch」がなくなっちゃったっていうんじゃ困るので、今は走りまくっていろんな人とつながって、継続できるようにがんばっています。最近みんなから、東ちづるという事故に遭ったって言われるんですよ。巻き込まれた人がまた違う人を巻き込んで玉突き事故ですって(笑)。お金が発生しないからこそ、自由にクリエイトできて楽しいんですって。楽しいって言うのが何でも基本ですよね。楽しくないと続けられないですね。

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東ちづる Chidzuru Azuma
広島県出身。女優。一般社団法人Get in touch理事長。 会社員生活を経て芸能界へ。ドラマから舞台、司会、講演、エッセイ執筆など幅広く活躍。骨髄バンクやドイツ平和村などのボランティア活動や障害者アート支援の活動を続けている。「〈私〉はなぜカウンセリングを受けたのか - いい人、やめた!」母と娘の挑戦」(マガジンハウス)、「らいふ」(講談社)など著書多数。
http://getintouch.or.jp/

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ピープル・ツリー
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金曜日

10

5月 2013

Time Out Tokyoコラボレーション連載「ボーダレスな人びと」第3回

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ライフスタイルマガジン「Time Out Tokyo(タイムアウト東京)」とピープル・ツリーのコラボレーション連載、第3回目に登場するのは、ノンフィクションやエッセイのほかに、2,000人以上の有名人のインタビューを手がけるフリーライターの森綾さん。言葉を使ってボーダレスに仕事をこなす彼女に、その原点を聞いてみた。

森 綾(フリーライター)

-ライターになろうと思ったきっかけは?

子どもの頃からとにかく本が好きで、将来は作家になりたいと思っていたんです。でも、たくさん本を読む中で、すごい作家の作品と出会うと、これは無理だなって。
小学校の頃、先生から詩を書くことを勧められて、とにかく毎日、毎日書いたんです。今でもそのノートが60冊ぐらいあるんですよ。さらに、小学生新聞にも投稿をしていて、投稿すると必ず載せてもらえたんです。それで、作家は無理そうだけど、新聞記者ぐらいならなれるかもって(笑)。

-まさに、子どもの頃に思ったことを実現されたんですね。

そうなんです。女子大生の頃にはラジオで話す仕事もしたんですが、結局は気持ちを伝えるのに書く方が早いんですね。放送って瞬発力が大事だと思うんですが、私はもうちょっと考えていたいタイプ。だから書く方が向いているんですね。
大学を卒業して、人のご縁で新聞社に入って。本当にいい先輩がたくさんいて、仕事を教えていただきました。先輩から教わったのは、「名文家は世の中に山のようにいる。だから80点の文章を30分で書けるようになれ」ということ。つまりは、80点の文章を短い時間でたくさん書けるようになれないと、文章で食べていくことはできないよっていうことなんです。この頃、勉強したことが大きかったですね。わかりやすく、無駄な言葉がなく、見たものを多くの人にわかるように伝えること。文学少女って、無駄な装飾語とか難しい漢字を無意識に使ってしまいがち。そこは、いまだに直されたりするんですけど(笑)。

-フリーで仕事をするようになったのは?

結婚を機に上京したのをきっかけに、思い切ってやってみようかと。最初は仕事さえあればと思っていたので、私が書けるところを書かせてくださいって売り込みをしました。じゃあ、1回書いてみてってチャンスを与えていただいて、その記事がおもしろかったり、評判がよかったりっていうことで、ひとつずつつながっていった。私がこうしてやってこれたのも人に恵まれたんだろうと思います。真面目な編集者とたくさん出会えたから。

-東京での生活はいかがでしたか?

やっぱり東京ってすごい。カルチャーだったり、アートだったりを大事にする人がいて、それを発表できる場がある。それをいいねっていう人の数も圧倒的に多いんです。大阪や地方になると、何となく偏りがちでマニアックになるんですよね。東京っていろいろたくさんある中で、これって大きな視点でとらえることができる。そこがすごくいいなと思うし、居心地がいいです。

-インタビューの仕事をたくさんされていますが、コツってあるんですか?

人を好きになることですね。
その人が本当は何を考えていて、どんな人なんだろうとか、その人の奥が知りたくなるんです。だから、1対1でじっくり話をするのが好きです。インタビューだけど、デートな感じ(笑)。好きだからもっと知りたくなるし、その人の本当の心を知りたいと思うんです。その分、疲れることもあります。
さらに、その人のために自分が何をしたらいいかって想像するんです。この人にとって、私の人生の中で役立てることはないかなって。そこまで考えちゃう。ちょっとおかしい(笑)?

-ゲッターズ飯田さんの『ボーダーを着る女は95%モテない』も森さんプロデュースだと伺いました

ゲッターズさんと初めて会った時も、この人を絶対に売り出したいって思ったんです。むしろ、こういう真面目でちゃんと勉強をしている人が世の中に出ないとダメなんじゃないかと。それでいろんな編集者にゲッターズさんの本を出しませんか?って売り込んで。人のサポートをすることも大好きなんですね。
今ちょうど、ゲッターズさんの次の相性本の構成をお手伝いしています。6月末には出せそうです。

-最後に、今後やりたいことはありますか?

ちゃんとフィクションは書きたいですね。やっぱり小説をやりたい。50代はそっちをがんばれるようにしたい。
だいぶネタはたまってきてますよ。そのために一生懸命生きていますし。ただ仕事はニーズですから、それは忘れずに必要とされればなんでも書きたいですね。

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森 綾 Aya Mori
大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで2000人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方に ついてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』(マガジンハウス)、ストーリー部分を担当した遠藤功の『新幹線お掃除の天使たち』(あさ出版)がヒット中。新聞、雑誌、ウエブ連載のほか、歌手の加藤登紀子さんの聞き手を務めるユーストリーム『TOKIKO'S BAR』も月一回放送中。http://www.ustream.tv/channel/tokiko-s-bar
ブログ「森綾のおとなあやや日記」http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

衣装協力:
ピープル・ツリー
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http://www.peopletree.co.jp/shopping/ladies/168115.html

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