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ピープルツリーの日々のこと

生産者のこと Archive

水曜日

1

3月 2023

3月8日は国際女性デー
フェアトレードによる女性の社会進出支援

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広報・啓発担当のスズキです。
あたたかな日も増え、お花屋さんに色とりどりのお花が並ぶようになると、春ならではの弾けるようなエネルギーを感じます。特に黄色い花が好きな私は、ミモザを見かけると心の中に太陽が生まれたような気分になります。

3月8日は、ミモザの日。イタリアでは「女性の祝祭(フェスタ・デラ・ドンナ)」として日ごろお世話になっている女性に感謝と敬意をこめてミモザを贈る日。街中がミモザや黄色のアイテムで飾られ、寒い冬が終わり、春の訪れを感じられる華やかな1日です。

 

バングラデシュのフェアトレード団体「サイドプール・エンタープライズ」から届いた、手刺繍のアイテム

 

そして3月8日は、国連が定めた記念日「国際女性デー」でもあります。
1908年、縫製工場の劣悪な環境下で働いていた女性たちが、労働条件の改善を要求してニューヨークで起こしたデモがきっかけとされています。国連の記念日となったのは1975年ですが、今もなお、世界のあちこちで、女性の地位の向上と権利の獲得は重要な課題です。

 

フェアトレードと女性のエンパワメント

社会的・経済的に立場の弱い人びとの生活を支援するフェアトレードでは、文化的・社会的な慣習により収入の機会を持たなかった女性が仕事を得て、自立を目指すケースが多くあります。

ピープルツリーも加盟している「世界フェアトレード連盟(WFTO)」では、加盟団体で生産に携われる96万人の74%を女性が占めています。

フェアトレードによって正当な対価が支払われ、安全な場所で健康的に働ける環境が整えば女性の経済的自立につながります。

さらにフェアトレード団体の多くは、研修などで、女性の権利に対する意識向上や指導者としての機会を提供するなど、積極的に女性のエンパワメントを行っています。

エンパワメントとは、直訳すると「権限を与える」。力を発揮する機会を与えられなかった人が自分の力を取り戻し、能力を高め、その努力が認められ、社会に参加してさまざまな場面で活躍することです。

その結果、WFTOの加盟団体では意思決定に関わるポジションの54%を女性が占めています。従来型の企業では24%なので、フェアトレード団体では女性の活躍がとても進んでいることがわかります。

Gender study Report WFTO 2019より、従来型企業(左)とWFTO加盟団体(右)との比較。 上から、女性の取締役、最高経営責任者、上級管理職

 

Gender study Report WFTO 2019より。前述のデータを踏まえ、フェアトレード団体では従来型の企業と比べて、女性が4倍活躍できる機会があるというイラスト。従来型の企業では、見えない天井も描かれている。

 

 

自分の力で立ち上がる強さ


エンパワメントされた素敵な女性としていつも思い出すのが、2017年に来日したインドのフェアトレード団体、クリエイティブ・ハンディクラフト(以下「CH」と略)の縫製部門の現場でマネジメントを担うロージィさんです。小柄ながらエネルギッシュで、日々、大好きな仕事でバリバリと働いていることの誇りが全身からあふれていました。

ところが、CHで働く前のロージィさんは、18歳の若さで17人もの大家族に嫁いでからずっと、家族の世話に忙殺され、夫からの家庭内暴力を受ける暗い日々を送っていたそう。

子どもが生まれたのをきっかけに、このままではいけない!と、CHの創設者であるシスターを訪ね、悩みを打ち明けたことが転機となりました。何もできないところからトレーニングセンターでの縫製の研修を受け、作業グループに加わりました。その後、仕事ぶりが認められてグループのリーダーとなり、トレーニングセンターでの教育係を経て、品質管理担当に抜擢、生産管理を任されるに至ったのでした。

現金収入を得ることで家庭内での扱いが激変したそう。2人の子どもを大学まで進学させ、家も建て、夫の意識も変わって、「今ではとても協力的になった。本当に幸せ」と笑っていました。フェアトレードは職場に限ったことではなく、家庭内でも男女が助け合えるような関係を築くのに大いに貢献します。

 

ロージィさんの力強い笑顔は、フェアトレードによるサポートを受けながら自分の力で立ち上がり培ってきた、自信から生まれたものでした。私はその神々しさに圧倒されたのでした。

「男性が教育を受けると、その人生が変わる。
女性が教育を受けると、社会が変わる」

ロージィさんのこの言葉は、きっと一生忘れられません。

つくり手の大半は女性であり、女性が主体的に働いて収入を得ることで、家庭や地域で発言権を増し、子どもの教育など次世代への投資により多くのお金が使われます。

女性の能力向上をさらに後押しすることが、フェアトレードが目指す「みんなが幸せに暮らせる世界」の推進力になります。

 

ジェンダー平等の果たす意義

WFTOが掲げる、フェアトレードの団体が守るべき「10の指針」には、「6.差別をせず、ジェンダー平等と結社の自由を守る」の項目があります。これは国連の会議で策定されたSDGs(持続可能な開発目標)の「5.ジェンダー平等を実現しよう」にも繋がります。

ロージィさんの語ってくれた半生はまさに、女性の地位向上によって果たせることの大きさを物語っています。貧困や飢餓といった世界規模の課題に取り組み、よりよい未来をつくるためにはジェンダー平等は大前提の要素であり、不可欠であるということ。

WFTOが行うメンバー女性を対象にしたエンパワメント研修で大事にしているのが、「HAVE:持つ、KNOW:知る、WANT:望む、TO BE ABLE TO:できるようにする」の4つの視点。具体的に言うと、以下のようなことです。

まずは現金収入を得て、生活水準を改善すること
実践的な知識とスキルを知ること
自身や自尊心を持ち、精神的な強さを身に着けること
自分で将来を選択する能力と意思
意思決定を行い、自分を望む方へ動かすこと

各国の男女格差の現状を評価する「ジェンダーギャップ指数」で146カ国中116位の日本にも、大いに学ぶヒントがありそうです。

また、ピープルツリーの母体NGOグローバル・ヴィレッジでは、バングラデシュにおける女性リーダー育成のためのエンパワメント研修について、2021年3月にクラウドファンディングで資金を募りました。そのプロジェクトの進捗報告をお読みいただけます。フェアトレード団体がジェンダー平等をいかに大切にしているかがお分かりいただけると思います。

 


バングラデシュ訪問記
~現地の今 Vol.2 女性を応援する研修プロジェクト~
記事はこちら >

 

フェアトレードのお買いものがもたらすこと

フェアトレードのお買いものは、つくり手をサポートするさまざまな活動を応援することに繋がります。日常的にできる、望む未来への投票活動です。

自分の仕事に誇りを持ち、幸せに暮らしている生産者たちが心を込めてつくったものを身にまとい、使い、味わう私たちもまた、幸せな気持ちになれます。私がフェアトレードのお買いものを好きなのは、モノの向こう側にある笑顔を想像して、清々しさと晴れやかさを感じられるからです。幸せをおすそわけしてもらっているのは、私のほうだなぁと。

春の新作コレクションの第一弾が入荷しています。
ぜひ、ウキウキした気分を楽しんでくださいね。

春の新作アイテムはこちら >

 

金曜日

23

12月 2022

手編みニットデザインコンペ2022結果発表!

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こんにちは。マーケチームのオクです。

先日みなさまにご協力いただき、手編みニットデザインコンペの投票を行いました。

ニットデザインコンペとは、いつも素敵なニットを編んでくれている、ネパールの生産者団体「クムベシュワール・テクニカル・スクール(KTS)」の編み手さんたちが考えたオリジナルの編地を、投票によって優秀作品を選出するという、技術向上を目指して始まったイベントです。

ニット作品を1枚につなげる製作風景


KTS(クムベシュワール・テクニカル・スクール)とは?
1983年以来、ネパールの首都、カトマンズ郊外で立場の弱い人びとに職業訓練と雇用機会を提供しています。2,500人の職人たちが仕事を得ており、ピープル・ツリーの手編み&手刺繍のカーディガンやセーター、帽子、手袋やストールなどを生産しています。


毎年開催していましたが、2020年に起こったコロナ禍の影響で、開催できない年が続いていました。

それが今年やっと3年ぶりに開催!

応募のあった全125作品から、まず自由が丘店と立川高島屋S.C.店にて投票を行い、その中から投票数の多かった9作品でオンラインにて最終投票を行いました。

自由が丘店の開催中の様子

 

立川高島屋S.C.店の開催中の様子

 

ネパールの編み手さんたちは、紙に編み図をおこしてから編むのではなく、頭の中にえがいたそのまま編んでいくそう!
イマジネーションと技術力の高さに本当に驚かされます。

投票の際はあたたかいメッセージもたくさんたくさんいただきました!

多くの皆さまにご参加いただき、本当にありがとうございました。

オンラインで投票いただき、プレゼントに当選された方へは順次メールにてご連絡させていただきます。楽しみにおまちください!

それでは、みなさまの投票により選ばれた優秀作品を、発表いたします!

第1位 Nirmala Khinbanjar Dhojuさん

Nirmala Khinbanjar Dhojuさんの作品

リーフ模様がとても美しく、確かな技術力を感じさせる力作!
表編みと裏編みを切り替えた立体感のあるデザインで、ダントツの票を集めました。

「デザインコンペで優勝できてとてもうれしいです。インターネットとYouTubeからアイデアを得ました。オンラインでインスピレーションを探すのが好きです。」

Nirmala Khinbanjar Dhojuさんは、KTSで10~15 年間編み物をしています。
家族から編み物を学び、出身地であるパナウティでさらにトレーニングを受けたそうです。

第2位 Bhawani Shresthaさん

Bhawani Shresthaさんの作品

元気になれそうなカラフルなデザインが注目をあつめました!
配色バランスとひとつひとつ均一に丁寧に編みこまれた編み地がとても魅力的です。

「デザインコンペで賞をいただくのは初めてで、とてもうれしく思います。仲間の編み手からインスピレーションを得ました。」

Bhawani ShresthaさんはKTSで10年間編み手をしているそうです。

 

KTS代表のKiranさんにもニットデザインコンペについてお話を伺いました!

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― KTSと編み手さんにとって、ニットデザインコンペの価値と期待は何ですか?
ニットデザインコンペは、世界フェアトレードデーを記念し、ピープルツリーの提案により始まりました。ネパールの伝統的なデザインを促進させ、製品のデザインに活用することを目標にしています。
フェアトレードの日の祝賀会では、すべての編み手が交流プログラムに招待されます。そしてフェアトレードの指針について確認し、それぞれの意見や不満、そして品質の問題を共有します。これにより、編み手同士のつながりを保つことができました。そして同時に、彼らの持つ編みの技術を示す良い機会になっています。

― 3年ぶりにニットデザインコンペが再開されたことについて、どのように感じていますか?
久しぶりに開催できて良かったです。 3年間、私たちは編み手たちと会って交流することができませんでした。毎年デザインコンペのアイデアを製品に活用していましたが、新しいインスピレーションも考えられていませんでした。
まだ状況が完全には落ち着いていないため、昨年に比べてエントリー数が少なかったですが、来年はより多くの編み手が参加できるようになることを願っています。

― 昨年と比べて、今年の変化を感じることはありますか?
状況が100%戻ったわけではなく、旅行や人と会うことにまだ慎重な人が多いです。デザインコンペへのエントリーも比較的少なく、以前のように多くの編み手を招待し、交流することはできませんでした。来年はまた、編み手たちの交流の機会を持てたらと思います。

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ニットデザインコンペの優秀賞に選ばれたデザインを製作した編み手さんには、表彰式が行われます!

過去の受賞の様子

こういったコンペを行うことによって、ニッターさんの創作性や企画力が鍛えられ、モチベーションや技術の向上につながっています。

私が今季購入したこちらのニットもKTSのアイテム。

ケーブル編みニットグラデーションプルオーバー

やさしいケーブル編みとグラデーションがかわいくて気に入っています。
編み目も均一できめ細やか。これが手編みなんて驚きですよね!

KTSはニット製品の生産だけでなく、保育、成人の識字教育、ローンなどのサービスを生産者に提供しています。
その他にも小学校や児童養護施設などを運営しています。

ピープルツリーは、長年にわたるフェアトレードのものづくりのパートナーシップとともに、KTSが運営する児童養護施設を支援するため、2017年からファッションアイテム1点の販売につき100円の寄付を送っています。毎年みなさまのお買い上げの中から30万~40万円程度を継続的に送ることで、施設の運営費の20%近くが支えられています。

詳細はこちら >

これからの季節大活躍のニット。
ぜひお気に入りの1枚を選ぶワクワクといっしょに、遠く離れたネパールの生産者の方たちとのあたたかいつながりも感じていただけるとうれしいです!
KTSのニットアイテムはこちら >

 


ピープルツリー社長 ジェームズ・ミニーからKTSへのメッセージはこちら(1:29)
※外部サイト(YouTube)へリンクします。


日本語訳:)
KTSと共に仕事ができることを、とてもうれしく思っています。みなさんの生み出す作品に、日々、本当に刺激を受けています。
まず初めに、みなさんが活動される背景として社会から排除された人々の問題をさまざまな角度から捉え、解決に向けて取り組むため職業訓練や小学校を運営していることに、本当に心を動かされました。
忍耐強く、絶えず愛情を持ち続けることでみなさんは、社会と人々の大きな変化の一部となったのです。
私は冬になると、週に3、4回はこのKTSのセーターを着ています。
誰かが編んだセーターが誰かの人生に影響を与えるきっかけになるだけでなく、編み手さんたちが着る私たちのことを考えながら編んでくれている。そのことが、とてもうれしいです。
着るたびに、そして考えるたびに、変化へのきっかけを生み出してくれるのです。
KTSと私たちが一緒に仕事をするようになってから、多くの困難や変化があったにもかかわらずたくさんのサポートをいただき、いくつもの出会いがありました。
一緒に仕事ができていることに、心から感謝しています。
ハッピー・クリスマス。
そしてハッピー・ニューイヤー。

 

水曜日

7

12月 2022

新しい年に向けて、揃えたいもの新調したいもの。

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こんにちは。マーケティングチームのオクです。

12月になり、今年も残すところあとわずか。
大掃除をしたり、年賀状を準備したり。今年の締めくくりと来年の準備でいそがしい季節ですね。

バタバタとする中でも、毎日を大切に、自分もまわりのいろいろなことにも目を向けられたら。
そんな気持ちをこめて、ていねいに手づくりされたフェアトレードのお洋服や雑貨の中から、年末年始の生活におすすめのアイテムをご紹介します。

大掃除や毎日の身の回りのお手入れに。
パハーリ素材のほうき・ブラシ

環境にやさしく、インテリアに馴染みがいいのがうれしい天然素材のお掃除アイテム。
ピープルツリーのほうきやブラシの穂先には「パハーリ」という素材が使われています。

日本では聞きなれないこの「パハーリ」は、ススキの一種で、バングラデシュでは工芸品などによく使われる自然素材なんです。
ベンガル地方ではこの「パハーリ」が一面に育っている景色が秋の風物詩なんだそう。

ほうきはリサイクルサリーの端切れでカラフルに、ブラシは持ち手がジュートで人形のように仕上げられていて、かわいくもこだわりの詰まったデザイン。
毎日使うアイテムに海の遥かむこうの遠い国の景色や物語が詰まっていると思うと、ワクワクしてきます♪

気になるサイズ感ですが、身長153cmの私が実際に持つとこんな感じ。

左)リサイクルサリーのほうき(大)  / 右)ちょこっとブラシ水汲み

ほうきは大小2種類のサイズがあるので、親子でお掃除をするのもいいですね♪

リサイクルサリーのほうき(大)
リサイクルサリーほうき(小)

ちょこっとブラシ水汲み
ちょこっとブラシ母子

リサイクルサリーのマルチクロス・鍋つかみ

キッチンまわりで無くてはならないのが、クロスと鍋つかみ。
毎日使うものだから、新しい年を迎えるというこのタイミングで、新調または買い足してみるのはいかがでしょうか。

どちらもピープルツリースタッフの中でも愛用者の多い人気アイテム!
マルチクロスは3枚セットになっていて、表地・裏地それぞれ生地が異なるので、6種類のデザインが楽しめちゃいます♪

リサイクルサリーの生地は、もともとインドやバングラデシュの人たちが日常着として身につけていたもの。一度使われている生地を再利用しているので、とてもやわらかく、吸水性もバッチリなんです!

つくり手が表も裏も生地の組み合わせを自由に選んでいて、同じものは2つとありません。
つくり手の思いも、アップサイクルされる前のサリーを使っていた人の思いも、たくさん詰まっています。

お店で選ぶ時はどれにしようか、WEBで注文するときはどんなものが届くか、考えるだけでワクワクしますね。

リサイクルサリーのマルチクロス(3枚セット)
リサイクルサリー バード鍋つかみ

心地のよい眠りに。
オーガニックコットンのパジャマ・リネンシリーズ

長い時間触れ合うベッドリネンやパジャマは、1日の疲れをゆっくりと癒せる、心地のよいアイテムを選びたいですよね。
ピープルツリーのベッドリネンは、なめらかでしっとりとした、肌ざわりのいいオーガニックコットンを使用しています。

私はベッドリネンとおそろいの生地のこのパジャマを春から愛用しています!

SLOW ORGANIC オーガニックコットン男女兼用パジャマ

ふんわりやさしい素材感で、とても着心地がいいです♪
生地の厚みもほどよいので、ロングシーズン楽しめます。

今年の秋冬に新しく販売開始となったこちらのパジャマは、厚みをもたせたダブルガーゼになっていて、あたたかさがアップしているので今の季節にぴったり!

ふわふわのやさしい肌ざわりの生地で、こちらも着心地バツグンです♪

オーガニックコットンダブルガーゼ男女兼用パジャマ

 

地球にもひとにもやさしく大切につくられたアイテムを取り入れて、また大切にしていく。
新しい年を迎えるこの節目の時に、そんなやさしさのサイクルに触れてみてはいかがでしょうか。

生活雑貨はこちら >

オーガニックコットンのパジャマ+リネンアイテムはこちら >

金曜日

25

11月 2022

\世界にたったひとつ、自分だけのアイテム/リサイクルウール商品をご紹介♪

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こんにちは、マーケティングチームのトダです。
ぐっと気温が下がり、冬が近づいてきました。そろそろ冬のアイテム、ニットが欲しくなる季節ですね。

今回は寒い季節にぴったりなリサイクルウールのアイテムを、スタッフが実際に使用している写真も合わせてご紹介します!

リサイクルウールとは-
ニットアイテムをつくるときに余った糸(余剰糸)を再利用した商品。編み柄のパターンは同じでも、雰囲気が違って見えるのは、編み手が自由に毛糸を選んでいるから。カラフルなものから落ち着いた色味のものまで、編み手の個性にあふれたアイテムです。どんな色の商品が来るかは届いてからのお楽しみです。
※すべては一点ものとなり、通販でのお買い物は色や柄のご指定をいただくことができません。あらかじめご了承ください。

リサイクルウールのアイテムはこちら≫

クッションカバー、ブランケット


秋冬のお部屋にあたたかみを演出してくれる、リサイクルウールの雑貨シリーズ。今シーズンからの新作です!
ウール素材なので実際にあたたかいのはもちろんのこと、マルチカラーがお部屋全体を華やかにしてくれます。ソファやチェアにプラスするだけで、グッと季節感ただようお部屋に。ブランケットをぐるっと巻けば、エコな温活。在宅ワークのおともにもおすすめです◎

手編みリサイクルウールクッションカバー(小)はこちら≫
手編みリサイクルウールクッションカバー(大)はこちら≫
手編みリサイクルウールブランケットはこちら≫

ポンチョ


ボタンがついたカラフルなポンチョ。社内で早速、ポンチョを着用するスタッフを目撃しました!今の時期は、暖房をつけるか少し迷ってしまいますよね…。そんなちょっと寒さを感じるときにも便利なアイテムです♪


ボタンを留めずにそのまま羽織っても。少し折りたたんでマフラーとしても。1枚で何通りもの使い方ができるアイテムです。

手編みリサイクルウール ポンチョ・ミックスドットはこちら≫

ミニサイズのソックス、ニット帽、ミトン


ほんのちょこっとしか残らなかった毛糸を最後まで有効活用した、ミニサイズのソックス、ニット帽、ミトン。手編みのほっこりとした雰囲気と、かわいらしいサイズ感が絶妙にマッチします。ソックスだけでも6万5000個も売れた、ベストセラー&ロングセラー。オーナメントとしてツリーに飾れば、自分らしいアレンジを楽しむことができます。


そしてこちらのアイテム、チョコレートを入れるのにちょうどいいサイズ! ちょっとしたギフトのラッピングにもおすすめですよ。

リサイクルウールの手編みミニソックス・アソートカラーはこちら≫
リサイクルウールの手編みミニニット帽・アソートカラーはこちら≫
リサイクルウールの手編みミニミトン・アソートカラーはこちら≫

ニット帽


ニット帽が大好きな私は、ミックスドット&ジオメトリックの2種類をゲットしました! 軽いのにしっかりと保温性があるのは、ウールならでは。カラーに個性があるので、何枚か集めてみるのも楽しいですね♪ マルチカラーなデザインは、暗くなりがちな秋冬のコーディネートで大活躍してくれます。

手編みリサイクルウール ニット帽・ミックスドットはこちら≫
手編みリサイクルウール ニット帽・ジオメトリックはこちら≫

ショップでは「選べるリサイクルウールフェア」開催中!


ショップでは「選べるリサイクルウールフェア」を11/30まで開催中です!
自由が丘店をチェックしたところ、たくさんのリサイクルウールのアイテムが並んでいました。手編みニット好きの私にはたまらない光景! 同じアイテムでも、毛糸のカラーが違うだけでこんなにも個性的に見えるのか…! と感動しました。リサイクルウールのアイテムを豊富な色柄から選べるこの機会。ぜひチェックしてみてくださいね♪

ショップ情報はこちら≫

リサイクルウールの生産者について

今回ご紹介したニットを届けてくれるのは、ネパールの生産者パートナー団体「クムベシュワール・テクニカル・スクール(KTS)」。

家事や育児の合間に自宅で作業を進められる手編みは、ネパールの女性たちの生活に寄り添いながら収入を得られる有効な手段となっています。また、ニットの生産による雇用の促進だけでなく、小学校や児童養護施設を運営している社会的企業です。

ピープルツリーでは、その活動を応援するために、寄付つきのお買いもの『Walk with Nepal』を実施。対象のファッションアイテム 1点お買い上げにつき100円をクムベシュワール・テクニカル・スクール( KTS )へ寄付します。

KTSについてはこちら≫
Walk with Nepal についてはこちら≫


お気に入りのニット商品は見つかりましたか?
寒い冬を一緒に過ごす、自分だけのリサイクルウールのアイテムを探してみてくださいね。

リサイクルウールのアイテムはこちら≫

火曜日

15

11月 2022

フェアトレードのお話 ―「みんなが幸せに暮らす」ためにできること ―

Written by , Posted in 生産者のこと, ニュース

広報・啓発担当のスズキです。

毎月1回、自由が丘店かオンライン開催で「フェアトレードの学校」を企画しています。このところ、小学校から大学まで、本当の学校に出前授業に行くこともあります。

SDGsへの関心が高まる中、社会科や地理総合、家庭科などの副読本にフェアトレードが掲載され、出前授業のご依頼も確実に増えています。これからの社会を担う若者たちへのアプローチとなる取り組みが心強く、とても嬉しく思っています。

今回のブログでは、フェアトレードの学校や出前講座でいつもお話していることを抜粋してみました。

 

フェアトレードって?

「フェアトレードってなんでしょう?」とたずねると、よく聞く回答が「公正な貿易」「適正な賃金を支払うこと」。

正解ですが、フェアトレードではそれ以外のことも大切にしています。例えば、ピープルツリーが加盟している世界フェアトレード連盟(WFTO)では、フェアトレード団体が守るべき「10の指針」を掲げています。

世界フェアトレード連盟についてはこちら >>

「フェアトレード=公正な賃金」とだけ覚えていると、児童労働やジェンダー平等がなぜ指針に入っているのかピンと来ないかもしれません。でも、何のためにやっているのか?という「目的」が分かるとイメージがしやすいと思います。

フェアトレードは、「みんなが幸せに暮らせる世界」を、ビジネスの仕組みで実現するための活動です。

適正な賃金を支払うことや、児童労働をなくすこと、ジェンダー平等を守るのは、そのための具体的な「手段」。2015年に国連でSDGsが採択されるよりもずっと前から活動してきました。「みんなが幸せに暮らす」ためという大きな目標に向けて、フェアトレードではそれぞれの指針に照らして問題解決に取り組んでいるのです。

「みんなが幸せに暮らす」には、大きく分けて環境問題と貧困(社会)問題を解決する必要があります。問題解決のための手段はひとつではなく、いろいろあったほうが解決スピードは速いですよね。だから、国や国際的なネットワーク、企業やNGO・NPOといった組織、一人ひとり、それぞれのスケール感でできることをしていくことが大事です。役割は他にもいろいろとありますが、ひとつの例を簡単にまとめてみます。

一人ひとり
→ 消費者として、フェアトレードのお買い物をする
企業
→ ピープルツリーはフェアトレード専門ブランドとして、魅力的な商品を企画する
国際的なネットワーク
→ 世界フェアトレード連盟(WFTO)は生産者団体とバイヤーが連携し合ってグローバルにフェアトレードの啓発・推進を行う

 

 

手仕事で実践

「みんなが幸せに暮らす」ための具体的な方法として、ピープルツリーでは「手仕事」によるものづくりを実践しています。

例えば、お洋服1枚をとっても、手仕事なら綿花を摘む、生地を織る、糸や生地を染める、プリントする、刺繍する…など、たくさんある工程ごとに仕事を生み出すことができます。また、手織りや手編みによるものづくりでは、電気に依存せずに仕事ができるのもメリット。停電が多く、電気の供給が安定しない地域でも現金収入を得る機会が持てるのです。これはまた、脱炭素に貢献する、エコロジカルな生産でもあります。

それぞれの生産者団体が得意とする技法やできることを生かして、ピープルツリーのデザイナーや生産管理のスタッフが話し合いながら、商品企画を進めています。

手仕事から生まれた商品は、つくり手の思いが込められていて、大量生産にはないぬくもりが感じられます。


↑会社案内2022より
ダウンロードはこちら  >>

 

オーガニックであること

もうひとつ、ピープルツリーが力を入れていることに、「オーガニック」があります。

オーガニックな栽培は、人の健康や水、土壌などを害する農薬を使用しないため、働く人が安心して健康的に仕事ができ、生物多様性も守られる、人と地球にやさしい持続可能な農業です。遺伝子組み換え種子や農薬などの購入費用がかからず、農家の経済的負担も減らせます。

「みんなが幸せに暮らせる社会」を目指すフェアトレードと、見ている未来が同じだからこそ、ピープルツリーではできる限りオーガニックな素材を使うことで小規模農家を応援しています。ピープルツリーのコットン製品のうち、約8割がオーガニックコットンです。

ほとんどのオーガニックコットンはGOTS(オーガニック・テキスタイル世界基準)認証、すべての素材がオーガニックなチョコレート、ペルーのコーヒー、紅茶、ハーブティー、ケント種のドライマンゴーは有機JAS認証を取得しています。

詳しくはこちら >>
毎日の暮らしの「楽しみ」にフェアトレード&オーガニックを取り入れることで、つくり手を支え、地球環境を守ることができます。

 

ロングセラー商品とフェアトレードのお買い物

試行錯誤を経て生まれてきた商品の中には、長く愛されてきたロングセラーアイテムがあります。たくさんの方の「定番のフェアトレード」になった商品と言えるのでは。


実はワタクシ、1999年からピープルツリーのお買い物をしてきたヘビーユーザー。まさに「綿の石けんメッシュ・バッグ」を買っていました!

なぜ私がフェアトレードのお買い物が好きかと言えば、毎日の生活が無機質にならないから。プラスチックではない、天然素材だというのもありますが、「人の手でつくられたんだなぁ」としみじみ感じられるのがうれしいというか、ありがたいというのか。自分でつくろうと思ったら手間だよな~。つくってくれる人がいたから、私が使えるんだよね。すべてのものは、地球の資源を使って、どこかで誰かがつくったものだという「当たり前だけどスゴイ」ことが実感できて、感謝の気持ちが生まれるのです。

誰かや何かに感謝すると、幸せな気持ちが湧いてくる。
「みんなが幸せに」の「みんな」には、「私」も入っているのです。

よく社会的な活動には自己犠牲や我慢がつきものというイメージがあって、「私には無理」「できない」と思われがちです。でも、それでは続かない。自分も幸せ、楽しい!と感じることが、続けられるコツです。

おしゃれな服、かわいい雑貨、おいしい食べもの。
日々の暮らしを楽しむ中で、みんなが幸せになれる選択肢。
これがピープルツリーの考える「フェアトレード」です。

ぜひ、フェアトレードのお買い物を楽しんでくださいね。

水曜日

20

4月 2022

ファッションレボリューションウィーク2022
フェアトレードファッションという選択肢 ~タナパラ・スワローズ~

Written by , Posted in 生産者のこと, ニュース

4月24日(日)は、ファッションレボリューションウィークの最終日。
9年前にバングラデシュの首都・ダッカ近郊で8階建てビル「ラナ・プラザ」が崩壊し、縫製工場で働いていた1,100人以上が犠牲となった日。そしてこの事故をきっかけとして、1年後にファッション産業の透明性を高めるキャンペーンが始まった日でもあります。

ピープルツリーではこの日、ファッションが人や地球に与えてきた影響と、フェアトレードファッションという選択肢について考えるオンラインイベントを実施します。

フェアトレードは、大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とする経済の対局にあります。
生態系を壊さない自然素材や、手仕事や伝統技術を活かしたものづくりを大切にし、つくり手とは単に商品の取引にとどまらず、共に課題に取り組み地域の発展を目指す長いパートナーシップを築きます。

バングラデシュの「タナパラ・スワローズ」は、ピープルツリーと20年以上に渡りパートナーシップを続けている生産者パートナー。
小さな農村で、手織りの生地をつかった製品づくりを通じて女性達の収入の機会をつくりながら、子ども達の教育や貧困家庭の支援などさまざまな社会活動を行っています。

バングラデシュ北西部を流れるガンジス川のほど近くに位置する美しいタナパラ村は、1971年の独立戦争時に戦場となり、民兵として戦った多くの男性が虐殺されました。貧困と絶望の中にある家族を救うため「タナパラ・スワローズ」は誕生しました。

タナパラ村のはずれを流れる美しいガンジス川の支流

ゆったりした時間が流れる村の暮らし


 

現在代表を務めるライハン・アリさんは、当時子どもだったため難を逃れ、組織の活動と共に歩んで来ました。24日のイベントではオンラインでタナパラ村とつなぎ、ライハンさんからタナパラ・スワローズの歩みとさまざまな社会活動、ピープルツリーとのパートナーシップについてお話いただきます。

タナパラ・スワローズの敷地内で運営されている小学校
村の貧しい家庭の子ども達が無料で通うことができる

 

また、2005年からタナパラ・スワローズで働き、現在生産部門を統括するサントゥ・ハクさんに、生産現場の様子を紹介してもらいます。

生地を織るための糸の準備


通常は男性の仕事とされるはた織りを女性たちが担う


バングラデシュの伝統技術でもある手刺繍

2020年6月、コロナ禍で生産活動に影響を受けた生産者パートナーにピープルツリーの母体NGOグローバル・ヴィレッジから支援金を送り、タナパラ・スワローズでは感染対策の一環として工房で着用するユニフォームを作成しました。

タナパラ・スワローズにて
右から二人目がライハンさん、
左から二人目がサントゥさん


 

ピープルツリーからは社長で共同創設者のジェームズ・ミニーと、母体NGOグローバル・ヴィレッジ代表の胤森なお子が登壇します。

イベントの詳細、お申込みはこちら>>

タナパラ・スワローズのアイテムはこちら>>

ファッションレボリューションの特設ページはこちら>>

水曜日

26

1月 2022

おいしいチョコが笑顔をつなぐ ~カカオポイント 2020年~2021年シーズンのご報告~

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おいしいチョコが笑顔をつなぐ ~カカオポイント2020年~2021年シーズンのご報告~

カカオポイントは、ピープルツリーのチョコを愛する日本のお客さまと遠くの地でカカオを育てる人びとをつなぎたいという思いを込めて、「おいしいチョコが笑顔をつなぐ」をキャッチフレーズに2013年にスタートしました。

秋冬限定販売のピープルツリーのチョコシーズン終了時に、みなさまからお送りいただいたチョコの包み紙の裏についたカカオポイントすべてを集計して、10ポイントにつき1USドル(=苗木1本分)の支援を行っています。

スタートから約6年、温暖化でカカオ樹の病害に苦しむボリビアの生産者共同体「エル・セイボ」へ寄贈した苗木は8,000本を超えました。ある程度の成果を見届け、苗木支援活動はいったん完了。2018年からは新たにコスタリカの小さな農家の共同体「アッピタ(APPTA)」の有機農業開発支援プロジェクトへ寄付をしています。

アッピタは10年間にわたりカカオ農家の生活向上を目指して、おもに有機発酵肥料の研究・開発と普及、病害に強いカカオ品種の調査・研究と苗木の育成・配布の2つのプロジェクトに取り組んできました。さらに多くの農家が有機栽培の技術を高められるよう、有機肥料と苗木の配布の他にも、剪定や接ぎ木の技術を広めるワークショップや、次代を担う若者たちを対象に、農家を回って丁寧な指導を続けています。

昨年は1,149件 44,399ポイントのご応募をいただき、4,439USドル(約50万円)を送金することができました。まだまだ収穫量や品質の安定化の課題や、味が変わることからピープルツリーの現行商品の原材料には採用できていませんが、長い目で見たサポートを続けていきます。ご協力ありがとうございました。

育苗施設施設の中のカカオの苗 「アッピタ(APPTA)」メンバーのみなさん 有機農業の専門家から学ぶ技術研修

コスタリカでもパンデミックの影響で国際線が止まり、コスタリカの最大の産業である観光など、経済に大きく影響がありました。国内でも厳しい行動制限のために取材が思うようにできず、例年のような詳細なご報告が叶わないことをお詫びいたします。

コスタリカの新型コロナウィルスの感染者は2021年5月には1日の新規感染者数が3千人を超えましたが、直近の状況は、1日あたりの新規感染者数は80人程度まで落ち着いています。12月には人口の約80%がワクチンを接種済みだそうです。(2022.1.5現在 データ参照元:ロイターCOVID-19トラッカー https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/、他)

コロナ禍の厳しい行動制限措置の中、アッピタは限られたスタッフで農家からオーガニックカカオやバナナの購入の活動を続けています。オーガニック認証には外部審査が必要ですが、その費用の支払いは、まだまだ厳しい状態です。

サステナブルな農業で収量や品質を安定させ、一日も早く、ピープルツリーの原料として採用できることを目指しています。

2022年には状況が少しでも改善し、アッピタのさまざまな活動をもっとみなさまへご報告できることを願っております。

カカオポイントを集めたあなたにもHappyを!

カカオポイントを集めて寄付をしてくださったお礼に、ご希望の方にプレゼントをしています。30ポイントでランチバッグ、50ポイントでトートバッグ。もちろん素材はオーガニックコットン! 今期はピープルツリー30周年記念デザインの花々の咲く草原のカカオの木陰にたたずむウシさんのイラストで、カカオポイントでしか手に入らない限定バッグです。

オーガニックコットン ランチバッグ
マチがたっぷりなので、お財布や携帯、お弁当入れにピッタリサイズ。ちょっとしたお出かけに大活躍!
(サイズ: タテ16×ヨコ30cm、マチ12cm、持ち手30cm)

 

オーガニックコットン トートバッグ
A3サイズもすっぽり入る大きめトートバッグ。
厚手の生地なので毎日のメインバッグに! 重たいものも安心して入れられます。
(サイズ: タテ40×ヨコ46cm、持ち手58cm、マチなし)

 

カカオポイントの応募方法
詳しくはこちらをご確認ください。

カカオポイント応募用紙 ダウンロードはこちら

 

パンデミックの中、原料の調達、製造、そして物流、多くの人の努力によって今年も皆さまにおいしい質の高いチョコを無事にお届けすることができ、大変うれしく思っています。春までのチョコシーズンをお楽しみくださいね!
フェアトレードチョコはこちら >

水曜日

24

11月 2021

【30周年記念企画】ピープルツリーの30年~始まりの物語~

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【30周年記念企画】ピープルツリーの30年~始まりの物語~

ピープルツリーは、ものづくりの現場から人権侵害や環境破壊をなくそうとフェアトレードを実践、推進してきました。その原点は、すべての人や地球にとってフェアな世界をつくりたいという想い。一人ひとりがより良い世界のために行動すればきっと、希望の未来が開けると信じて活動を続け、気が付けば30年。希望を持って、地道に毎日努力を重ねたきた道のりを振り返ってみると、なんとさまざまな「始まり」のチャレンジに満ちていたことか。

Facebookにて6回に分けてお届けした、ピープルツリーの30年間の節目の出来事を、改めてこちらにまとめました。Facebookのリンクから、ぜひ詳しい物語もご覧ください。

Vol.1 グローバル・ヴィレッジ誕生

ピープルツリーの母体NGO「グローバル・ヴィレッジ(GV)」は、環境や貧困の問題に対して何とか現状を変えたいと考える数名の個人がボランティアとして始めました。初めてのイベントは、1991年11月1日からの「ナミビアの手工芸品展」開催。

その後、日英対訳のニュースレターを年4回発行するようになり、イギリスで販売されていたフェアトレード商品を日本に輸入してパンフレットで紹介したり、イベントにブース出展して販売するようになりました。次いでインドやバングラデシュの生産者を訪ねて日本向け商品の開発を開始し、のちにピープルツリーのフェアトレード事業につながっていきました。

Vol.1の物語はこちら ≫

左 グローバル・ヴィレッジの出発点となった「ナミビアの手工芸品展」
右 ミニー家の自宅で定期的に行った勉強会。中央がジェームズ・ミニー

左 初期のグローバル・ヴィレッジ ミニカタログ
右 野外イベントでのブース出店

 

Vol.2 フェアトレードチョコ誕生

1994年の発売から累計で1,600万枚以上をお届けしてきたピープルツリーのフェアトレードチョコ。販売開始時の名前は「マスカオ・フェア・トレード・チョコレート」。1996年のバレンタイン前に行った「フェアトレードチョコを贈ろう!」キャンペーンが成功し、多くの人に知られることになりました。販路の広がりに伴い、日本向けのオリジナルパッケージを開発。おなじみのユニークな表情のウシさんのイラストでさらにたくさんの人に愛され、バラエティも増えました。今では原料の生産農家も複数の国に広がり、2013年からは「カカオポイント」の寄付による農家の支援も行っています。

Vol.2の物語はこちら ≫

フェアトレードチョコを初めて紹介した1995年のカタログのページ

左 ボリビアの生産農家を訪ねたピープルツリー広報ディレクター(当時)の胤森なお子(2012年)
右 ボリビアのカカオ畑で作業するソフィア・ウアリナ・デ・アラビさん

 

Vol.3 世界フェアトレード・デーの始まり

1996年にヨーロッパで始まったキャンペーンに端を発する「世界フェアトレード・デー」。グローバル・ヴィレッジ(GV)が、日本でも全国一斉の行動によってフェアトレードへの関心を高めたいと全国の取引店に呼び掛け、1999年5月8日、日本全国約100店舗のフェアトレード商品取扱店で、フェアトレードに関する多彩なイベントが開催されました。後に、日本では5月いっぱいを「フェアトレード月間」とし、さらにはWFTO(世界フェアトレード連盟)の2001年年次総会でGVが毎年5月第2土曜日を加盟メンバー全員で行動する日とすることを提案し決議されたことで、現在では世界各地からWFTO加盟メンバーがフェアトレードに関するさまざまな発信を行う日となっています。

Vol.3の物語はこちら ≫

左 現・ピープルツリー自由が丘店で行ったフェアトレード・ブランチ(1999年)
右 日本に加えて、世界各地でも一斉にイベント開催(2002年)

左 日本に加えて、世界各地でも一斉にイベント開催(2002年)
右 ファッションショーにはプロのモデルからボランティアの友人までが出演(2007年)

 

Vol.4 デザイナー・コラボレーションの始まり

素材から完成品までに多くの過程があり、より多くの人に収入の機会をもたらすファッションアイテムの開発に力を入れていたピープルツリーに、ファッション誌から夢のような企画の提案が寄せられました。なんと、世界の新進デザイナーが考案する服をつくり、人気モデルが着用してフェアトレードを紹介するというもの。難しいリクエストに応えて奮闘した生産者やスタッフの苦労の甲斐あって、2007年4月、『ヴォーグ ニッポン』(現『ヴォーグ・ジャパン』)に4点のデザイナー作品の紹介と共に、フェアトレードについての記事も掲載されました。これをきっかけに、その後も錚々たるデザイナー達とのコラボレーションが継続されていきました。

Vol.4の物語はこちら ≫

左 『ヴォーグニッポン』2007年6月号
右 イギリスを代表するテキスタイルデザイナー、ザンドラ・ローズとは、2013年から複数回コラボレーション

左 コラボレーションによってフェアトレードへの関心が高まってほしいと期待を語ってくれたデザイナーたち
右 最前線で活躍するデザイナーが次々にコラボレーションに参加した(ピープルツリーのカタログより)

 

Vol.5 「フェアトレード保証制度」の始まり

2013年5月、WFTOの総会で、新しい「フェアトレード保証制度」が決議されました。生産者とのフェアな取引や事業の透明性、環境への配慮などを定めたフェアトレードの10の指針を守っていることを認められた加盟団体は、フェアトレード保証を受け、フェアトレード保証ラベルをつけた商品を販売できることになったのです。日本とイギリスのピープルツリーは、このフェアトレード保証を受けた最初の団体のひとつです。

Vol.5の物語はこちら ≫

左 フェアトレード保証制度を決議したリオデジャネイロのWFTO総会の様子(2013年5月)
右 サフィア・ミニー

左 ピープルツリーの衣料品につけられているフェアトレード保証ラベルのタグ
右 フェアトレード保証を受けた団体の製品につけられるラベル(左)と、WFTOの加盟団体であることをあらわすマーク(右)

 

Vol.6 ファッションレボリューションを起こそう!

2013年4月24日にバングラデシュの首都ダッカで起きた8階建ての縫製工場複合ビルの崩落事故。大量消費を前提に大量生産、大量廃棄が当たり前のアパレル産業において、生産者の立場がとても弱く、安全な労働環境も生活の保障もない実態が明るみに出ました。これに端を発して、ファッションの人や地球に及ぼす影響を知り、サプライチェーンを変革するために透明性を高めようと、「ファッションレボリューション」運動がはじまりました。ファッションへの問題提起として制作された映画『ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション真の代償~』には、問題解決への取り組みとしてピープルツリーのフェアトレードも紹介されています。

Vol.6の物語はこちら ≫

左 モデルのアンジェラさん、エシカルファッションジャパン代表の竹村伊央さんを招いて開催した「ファッションレボリューションウィーク」トークイベント(2014年)
右 ファッションレボリューションで「私の服をつくったのは誰?」と呼び掛けるキャンペーンで、フェアトレード団体は「私がつくりました」と答える職人達のメッセージを発信

ファッションレボリューションで「私の服をつくったのは誰?」と呼び掛けるキャンペーンで、フェアトレード団体は「私がつくりました」と答える職人達のメッセージを発信

 

これからも、みんなが普通に幸せに暮らせる世界、人も、動物も、植物も調和の中で共生できる世界の実現に向けて、それぞれの道でレボリューションを起こしていきましょう!

ピープルツリーのオーガニックコットン製品開発についての始まりの物語は、別途こちらにまとめました。
まだご覧になっていない方は、ぜひ併せてご一読ください。
「ピープルツリーのオーガニックコットン~ゼロから始めたストーリー~」はこちら ≫

ピープルツリーの30周年を記念した特設ページはこちら ≫

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フェアトレードチョコのお買い求めはこちら ≫

水曜日

8

9月 2021

ピープルツリーのオーガニックコットン
~ゼロから始めたストーリー~

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ピープルツリーがオーガニックコットン製衣料品の開発を始めたのは、1995年のことでした。

この年、私たちは途上国の生産者たちがコミュニティの環境を守りながら持続的な生産ができるように独自の「環境ポリシー」を定めました。

取り扱う製品をすべて人や環境を害さないものにしたいと、衣料品の素材とするオーガニックコットンの仕入れについて調査を始めましたが、当時、現地で共に働く生産者パートナーたちは、オーガニックコットンを手に入れるすべも、調達のための情報も持ってはいませんでした。

そんな状態から、試行錯誤しながら一歩ずつ歩みを進め、いまでは生産者パートナーが直接自分たちでオーガニックコットンの調達を行い認証を受けるという、サプライチェーンのあるべき形がインドでは完成しました。

バングラデシュなど、まだオーガニックコットンの調達に課題のある地域の生産者パートナーたちもその後を追いつつあり、現在ではコットン素材の衣料品の8割以上がオーガニックコットン製となりました。

オーガニックセプテンバー月間のはじまりにSNSでお届けした「ピープルツリーのオーガニックコットン~ゼロからはじめたストーリー~」をあらためて、まとめてご紹介します。ピープルツリーのコットン製品の80%以上を占めるオーガニックコットンの衣料について、社長のジェームズに聞いた、開発から現在に至るまでのストーリーとピープルツリーのオーガニックコットンテキスタイル認証についてのお話です。

Vol.1  ゼロからの挑戦


ピープルツリーが、人や環境を守るオーガニックコットンの衣料品をつくりたいと考えてその開発を始めたのは今から26年前、1995年のこと。1998年にはじめてオーガニックコットン100%のTシャツを製品化するまでのストーリーをご紹介します。

Vol.1「ゼロからの挑戦」はこちら >

1998年に発売されたピープルツリーの初めてのオーガニックコットン製品と、当時の通販カタログ(注:当時のブランド名は「グローバル・ヴィレッジ」)

 

Vol.2  認証までの長い道のり

次にピープルツリーが目指したのは、オーガニック製品であるということの透明性と信頼性を確実にするための認証を取得することでした。原綿がオーガニックであるだけでなく、製糸や織り・編み、染めなどの加工を経て製品となったテキスタイル(繊維製品や生地)までがオーガニックであるという認証を受けることにしました。

Vol.2「認証までの長い道のり」はこちら>

アシシ・ガーメンツ代表(2007年当時)のシスター・ヴィニータ(左)と、縫製作業をする女性たち(右)

 

Vol.3   認証取得、支援から自立へ


やっと審査にこぎつけたと思ったら…またしても現れたハードルを乗り越えて、2007年、ついにオーガニックテキスタイル認証を取得しました!
そしていまでは生産者パートナーが、認証のための査察の受け入れや書類の作成もすべて自力で行えるようになり、他の工場からアドバイスを求められるまでになりました。

Vol.3「認証取得、支援から自立へ」はこちら >

 

左:ソイル・アソシエーションのオーガニック認証を受けたことを示すラベル
右:世界共通基準となったことに伴い、2012年にGOTS認証ラベルに変更。「DK22103」がピープルツリーのライセンス番号

 

Vol.4  認証の意味すること

ピープルツリーの取得しているオーガニックテキスタイル認証、GOTS(オーガニックテキスタイル世界基準)では、製品の原料が有機栽培されていることに加えて、環境に配慮した方法で製造・加工・保管がなされ、そのトレーサビリティが確認されていること、そして、原料に占める有機繊維の割合が一定以上であることが求められますピープルツリーのオーガニックコットン製品はそのすべてがオーガニックコットン含有量95%以上です。

Vol.4「認証の意味すること」はこちら >

 

ピープルツリーが20年かけて独自に築いたオーガニックコットン製品のサプライチェーンは、GOTS認証という世界的な制度によって一つのモデルとして確立され、これからオーガニックコットンを扱う企業や業界の指針となったものと自負しています。
オーガニックな素材を使うだけでなく、最終製品になるまでのすべての工程で持続可能なものづくりを。ピープルツリーはこれからも、人と環境を大切にするベストな選択として、フェアトレードとオーガニックを推進していきます。

ピープルツリーのオーガニックコットン商品はこちら >

水曜日

4

8月 2021

バングラデシュからのご報告
女性を応援する研修プロジェクトの進捗とコロナ禍の近況

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バングラデシュから クラウドファンディング後のご報告

クラウドファンディング後の進捗状況

バングラデシュの女性たちの活躍を応援してフェアトレードの強化を図ることを目的に、ピープルツリーの母体NGOグローバル・ヴィレッジを通して、国際女性デーの3月8日より開始したクラウドファンディングは、おかげさまで当初目標の120万円を大きく上回る146万2,000円のご支援をいただきました。みなさまの温かいご支援に感謝します。

このクラウドファンディングは、世界的なパンデミックにより、働く場や時間が減少し、発注が減って、より一段と厳しい環境に置かれている生産者グループに、あらためて「フェアトレード」を強化することで最大限の支援を行いたい。そのためにはフェアトレードの現場でもっと多くの女性がさらにリーダーシップを発揮してフェアトレードを牽引していってほしいとの願いをこめたプロジェクトです。

バングラデシュ衣料産業労働者連盟(NGWF)が実施した女性のリーダーシップ研修(2019年)の様子

バングラデシュ衣料産業労働者連盟(NGWF)が実施した女性のリーダーシップ研修(2019年)の様子

 

バングラデシュでは、フェアトレードの手工芸品などの生産に携わる職人12万人のうちの8割が女性ですが、管理職レベルで能力を発揮している女性はまだ多くありません。そのため、バングラデシュのフェアトレード団体ネットワーク「ECOTA」と現地の開発NGO「クリスチャン・エイド」の協力のもと、半年かけて女性のエンパワメントを目指す研修プログラムを企画しました。

2021年内に50名の教育係を育成し、性差別のない職場、女性がリーダーシップを発揮できる環境づくりを開始し、その後、研修マニュアルやノウハウを他のフェアトレード団体やフェアトレードでない衣料品工場などにも活用するよう働きかけることで、広くバングラデシュでものづくりに関わる女性たちの能力と地位を向上させることを目指す計画でした。

しかし、バングラデシュでは4月中旬からコロナウイルス感染の再拡大によってロックダウンが敷かれ経済・社会活動が制約を受けており、状況が改善するまでプロジェクトの着手を見合わせざるを得なくなりました。

研修実施団体ジュート・ワークスの女性生産者たち(コロナ以前の風景。)

研修実施団体ジュート・ワークスの女性生産者たち(コロナ以前の風景。)

 

5月中旬、感染者数の減少によりロックダウン解除の可能性も見えたことから、ECOTAはプロジェクト・コーディネーターを任命し、プロジェクト実施に必要な「認定NGO」としての申請に向けた手続きを開始しましたが、デルタ株の感染増加によってロックダウンが延長され、スタッフが事務所に出勤することもままならず、行政の業務も制限されるなど、ここでまた準備をいったん中断せざるを得ないことになりました。

ECOTA理事長のスワパン・ダスさんは、実施時期を延期してもプロジェクトを実現させたいという強い意志を持っており、クリスチャン・エイドからも引き続きプロジェクト実施に協力する旨の確認を得ています。ピープルツリー/グローバル・ヴィレッジとしても、実施延期は当初の見込みより長引くかもしれませんが、必ずこのプロジェクトを実現するよう、これからも各関係者と密にコミュニケーションを取りながら見守り協力していこうという思いを強くしています。

詳細のプロジェクト中間報告は、グローバル・ヴィレッジのニュース・メディア「FAIR TRADE STYLE」でお伝えしています。

「FAIR TRADE STYLE」はこちら >

研修実施団体プロクリティの女性生産者(コロナ以前の生産風景。)

研修実施団体プロクリティの女性生産者(コロナ以前の生産風景。)

 

バングラデシュの現在-コロナ禍の状況

3月中旬からコロナウイルスの感染が急拡大し、4月中旬から通常の経済活動や交通機関がストップするロックダウンが敷かれました。5月末にいったんは収束に向かったかと思われた状況はデルタ株の感染増加によって再び悪化し、7月上旬以降、毎日1万人を超える人が感染し200人あまりが亡くなるなか、7月1日からロックダウンがさらに強化され、規制違反の取り締まりで警察に収監されたり、罰金を科される人も出てきました。

バングラデシュ政府は、「イード・アル・アドハ(イスラムの祝日)」の期間、7月15日から22日までロックダウンを緩和し、電車は乗車率50%までの乗客で運行、商店の営業も認めるなど、感染を防止しながら経済や社会活動を再開する一方で、その後7月23日から8月5日まで、2週間の厳しい完全ロックダウンを敷く措置を行っています。政府機関、非政府機関のオフィス、工場、交通機関を含むすべてが閉鎖され、誰も家から出られないような状況です。

バングラデシュ一日あたりの感染者数 出典:https://www.worldometers.info/coronavirus/country/bangladesh/

 

ピープルツリー生産者の状況

ピープルツリーの生産者も、7月23日からの厳しいロックダウンにより、家での在宅業務を除く、ほぼすべての稼働の停止を余儀なくされました。各生産者より7月~8月3日までに入った状況の連絡をご紹介します。

✉‥∴‥∵‥7月7日、ECOTA理事長/プロクリティ代表スワパンさんからのメール

この状況をどう説明すればよいのか言葉が見つかりません。

4月から延長されてきたロックダウンは、7月1日からさらに厳しくなりました。
規制違反の取り締まりで警察に収監されたり、罰金を科される人も出ています。
デルタ株が国中に広がり、感染者数、死者数とも毎日最多を更新しています。

厳しい規制は感染を抑えるためにはよいことかもしれませんが、一方で貧しい人びとの暮らしへの打撃は深刻です。モンスーンのシーズンである今は、ただでさえ日雇いなどの低賃金の労働者にとって収入の少ない時期なのに、この規制でますます仕事が減るでしょう。彼らがどうやって家族を食べさせていけるのかわかりません。‥∴‥∵‥

研修実施団体「アーティザン・ハット」にて、コロナ禍ロックダウン以前の生産風景。

研修実施団体「アーティザン・ハット」にて、コロナ禍ロックダウン以前の生産風景。

 

✉‥∴‥∵‥7月18日、サイドプール・エンタープライズ マスムさんからのメール

コロナウイルスの感染がバングラデシュ国内で急増していることはご存じの通りです。

ウイルスの蔓延を抑制するため、政府はまず2021年4月5日から11日までの1週間、ロックダウンを宣言し、それは7月14日まで延長されました。このロックダウン期間中は、産業界や工場は衛生規定に従った独自の管理のもとで操業することが許されていました。

しかし、その後、政府は7月15日から22日まで、「イード(イスラムの祝日)」のお祭りがあることを考慮して、感染防止対策をとりながらも交通機関や市場を開放し、その後7月23日から8月5日まで、2週間の完全ロックダウンを宣言しました。今回は、工場や交通機関を含むすべてが閉鎖されます。 この期間は外出禁止令のようなもので、非常に緊急性の高い場合を除き、誰も家から出られなくなります。

私たちは生産を継続するために、7月20日まで作業を行い、7月20日から24日までをイード休暇とし、その前に生産者にロックダウン中にも自宅で作業できるように、最大限、原材料を支給しておくことにします。また、地域ごとの品質管理チームが電話やビデオ通話等で生産者にフォローアップを行います。主要スタッフは自宅で仕事をし、他のスタッフは緊急時に備えて待機します。通常のメールアドレスにメールをいただければ連絡を取れますし、携帯電話も繋がります。

ロックダウン状況下で仕事をするのは、本当に大変です。‥∴‥∵‥

 

7月25日には、バングラデシュ・デヴテック・アソシエイツ、アーティザン・ハット、ジュート・ワークス、再度サイドプール・エンタープライズからも、それぞれ厳しい外出禁止措置の中、オフィスや施設を閉鎖し、自宅から業務を行っている旨の連絡が入ってきました。

 

✉‥∴‥∵‥7月28日、タナパラ・スワローズ サントさんからのメール

我が国の状況は良くありません。

感染症と死亡者数は記録的なレベルで増加し、ここ数日毎日のように新記録が更新されています。政府は、7月23日から8月5日までの間、感染者や死亡者の数を減らすための包括的なロックダウンを実施していますが、感染や死亡の割合は増加傾向にあります。

予防接種活動が再開され、多くの一般市民が地元の病院に行って、公式アプリで登録してワクチン接種を受けています。タナパラ村でもスワローズが無料の予防接種の登録を手伝っています。政府発表によると、8月7日からはそれぞれの地域でIDカードを提示することで、予防接種を受けることができるようになるということです。

現在の第2波により、タナパラ村ではコロナ感染が拡大しています。この小さな村に約25人ものコロナ感染患者がおり、毎日2~3人が感染しています。これまでに1名が亡くなりました。私たちのスタッフの1人もコロナに感染し、約1ヶ月間病院での治療を受けています。

このような状況の中、私たちは一時的にオフィスでの活動停止を余技なくされています。

政府はすべての産業施設を閉鎖しており、私たちのオフィス活動も工芸品の生産も停止しています。デザインや縫製の仕事は、ロックダウンが緩和または解除されてから始めることになります。

このような困難な時期にも私たちに支援してくださるみなさまに感謝します。‥∴‥∵‥

タナパラ・スワローズの工房にて。女性たちが着ているのは、感染リスクを低減するためにつくったユニフォーム

研修実施団体タナパラ・スワローズの工房にて。感染リスクを低減するためにつくったユニフォームを着て。


 

その後、ジュート・ワークス、アーティザン・ハット、タナパラ・スワローズより、8月1日から輸出産業への規制が緩和され、急遽、一部の操業を開始した旨の連絡が入りました。

交通規制はまだ敷かれているようですし、感染者数が増加しているなかでの措置は懸念点もありますが、生産者たちはフェアトレード商品を完成し発送する努力を最大限に続けています。

ピープルツリーの各部署でも、生産者の思いのこもったフェアトレード商品を、無事にみなさまのお手元に届けられるように、日々工夫を凝らし、鋭意努力中です。

ぜひフェアトレードのお買いものでのご支援をどうぞよろしくお願いします。

フェアトレードのお買いものはこちら >

アーティザン・ハットの
スカート
タナパラ・スワローズの
ドレス
プロクリティのルームシューズ バングラデシュ・デヴテック・アソシエイツのプルオーバー
ジュート・ワークスのトートバッグ クムディニ・ハンディクラフトのスカート

 

資金の状況と今後の予定

クラウドファンディングでみなさまからお寄せいただいた支援金は、「READYFOR」の手数料を除いた123万6,852円が、6月中旬にグローバル・ヴィレッジの口座に届いています。

この資金は、ECOTAが認定NGOとなって海外からの資金を受け取れるようになり、研修プロジェクトのスケジュールをあらためて練り直した時点で、必要な金額を順次送金することとします。

クラウドファンディングにご協力いただいた皆さまには、引き続きREADYFORの「新着情報」やグローバル・ヴィレッジの「FAIR TRADE STYLE」などで進捗をお伝えいたしますので、これからもプロジェクトを見守っていただけるようお願いいたします。

人と人とがつながり合い、ともに希望をもって歩みつづければ、パンデミックやさまざま困難も、きっと乗り越えられるはず。
今年30周年を迎えるピープルツリーが、信じつづけていることです。

これからもフェアトレードを通じたご支援ご協力をどうぞよろしくお願いします。

‥∴‥ひとりひとりが変化の担い手になることで 世界をもっといい場所に変えていこう‥∴‥


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