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ピープルツリーの日々のこと

生産者のこと Archive

金曜日

22

12月 2023

生産者パートナーからグリーティングカードが届きました✲2023

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ピープルツリーの生産者パートナーから、2023年のグリーティングカードが届きました!
いつもご支援いただいているみなさまに、紹介させていただきます。


★タラ・プロジェクト (インド)
貧困層の人びとの生活向上を目指して1960年代に設立された、世界のフェアトレード運動の先駆的存在の団体です。
アクセサリーやソープストーン製品、木製品などの生産によって大人たちが経済的に自立を果たし児童労働をなくすことを目指しています。
学校に通えない子どもたち向けの教育プログラムも運営しています。
詳しくはこちら

親愛なるみなさま、メリークリスマス!
この場をお借りして、フェアトレード・パートナーおよびフェアトレード・フレンドみなさまのご支援とご協力に心より感謝申し上げます。
困難な状況にもかかわらず、私たちは何とか活動を継続し、疎外された地域社会の改善に貢献することができました。
東欧や中東で進行中の紛争は、何百万人もの罪のない人々の生活を根こそぎ奪い、難民にならざるを得ない状況に追い込んでいます。
これは非常に憂慮すべき事態です。私たちはみな平和を望んでいますが、世界情勢は依然として不透明です。
私たちは難民の声を強め、その大義を支援すべきだと信じています。
紛争が続いているため、私たちの仕事にも影響があり、売り上げが減少傾向にあります。
一時的なものであることを願っています。確かに厳しい時代ですが、私たちはこの状況を乗り越えていく決意です。
メリークリスマス、そして2024年の新年が皆様にとって幸多き、健康で平和な年でありますように。


★タラ・プロジェクトから届いたアイテム
シードビーズサークルイヤリングクリップ 税込¥2,750-

ガラス製シードビーズと揺れるビーズの組み合わせが美しいイヤリング。秋冬のコーディネートのアクセントにぴったりです!

ハンドメイドガラスビーズチェーンピアス 税込¥1,650-
手づくりのガラスビーズが綺麗なピアス。ベージュとペールグリーンはツヤあり、ピンクはマットなフロストガラス加工で仕上げられています。

タラ・プロジェクト商品一覧はこちら

 


★サシャ・ハンディクラフト(インド)
西ベンガル地方やオリッサ州を拠点とする100以上の小規模生産者グループを支援する非営利の団体です。
ピープルツリーには毎シーズン、ハンドプリントの施されたシルクのドレスやトップスをはじめ、絞り染め、ブロックプリントなどの多様なプリント、手織りや手刺繍などの伝統技術を活かした衣服や雑貨製品が届けられます。
詳しくはこちら

「フェアトレードの10の指針」の言葉を元に、ツリーの形にデザインされています!

★サシャ・ハンディクラフトから届いたアイテム
ウールハンドペイントストール カラフルフラワー / グリーンツリー 税込¥10,780-
薄手でふんわり巻ける手頃なサイズ感。無地ニットやワンピースなどに合わせて、秋口から春先までオールマイティに使えます。

手織りブロックプリントラグマット(中) 税込¥4,620-
手織りのやわらかなコットンラグに、ブロックプリントで細かいフラワー柄をあしらいました。細長い中サイズはキッチン、ベンチなどの足元にぴったり。

サシャ・ハンディクラフト商品一覧はこちら


★ニュー・サドル(ネパール)
1989年にハンセン病患者の療養所として発足した「ニュー・サドル」は、 1997年から収入工場プロジェクトを開始し、社会的に立場の弱い人びとが収入を得る機会をつくり出しています。ピープルツリーには、伝統的な手法のダッカ織りをはじめとする手織りのバッグ類を届けています。
詳しくはこちら

つくり手みなさまのお写真が、オーナメントデザインになっています!

 

★ニュー・サドルから届いたアイテム
手織りバックストラップビッグポーチ 税込¥2,970-
カラフルな手織りのバックストラップをアクセントに、本体は丈夫な手織りのコットン生地を使用しています。バッグインバッグとしても使いやすい大きさです。

ダッカ織りアジャスタブルバッグ 税込¥6,820-
表情豊かな幾何学模様と色使いが人気の「ダッカ織」を使った、ピープルツリー定番シリーズ。秋冬コーディネートのアクセントにぴったりです。

ニュー・サドル商品一覧はこちら

 


みなさまにとって、素敵なクリスマスになりますように。✲

金曜日

29

9月 2023

ムーミンコラボレーションシリーズに、初のニットアイテムが登場!

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自分らしくシンプルに、自然を大切に暮らした北欧を代表する芸術家、トーベ・ヤンソンの作品「ムーミン」と、エシカルで地球環境にやさしい、サステナブルファッションの「ピープルツリー」。2つの想いが、フェアトレードを通じて出会い誕生した、ムーミンコラボレーションシリーズ。

2023年秋、初めてニットアイテムが登場しました!

この特別感をいち早くお届けしたく、ピープルツリー自由が丘店と公式オンラインショップ、銀座と大阪にあるムーミンのオフィシャルショップで先行発売をしています。

ムーミン手編みニットプルオーバー

ブラック系とグレイ系の2色展開。

ブラック系はムーミントロール、グレイ系にはスナフキンのシルエットが、フロントに大きく配置されています。

襟元と袖、裾の部分には、キャラクターのシルエットと同色のラインがさりげなくほどこされていて、ニットのふんわりとした印象を少し引き締めるようなデザインになっています。

ムーミン手編みニットプルオーバー ブラック系・ムーミンシルエット

ムーミン手編みニットプルオーバー グレイ系・スナフキンシルエット

ピープルツリーが使用しているウールの糸は、ネパールで1色1色、手仕事によって染められています。

アニマルウェルフェアの観点から、羊にとって苦痛となるミュールジングを法律で禁止したニュージーランドの羊毛を使用しています。

しあわせな気持ちで着てほしいから。ひとも自然も、動物も、関わるすべてを大切にしたい。

そんな思いをこめて、素材選びからこだわっています。

そしてさらに、このニットシリーズはもちろん手編み。

つくってくれたのは、ネパールの生産者団体、クムベシュワール・テクニカル・スクールです。

KTSは元々ネパールのカースト制度の最も低い地位に属する貧困層の人びとを支援するために、1983年に設立されました。

手編みの仕事は在宅で行えるため、子どもを持つ女性や大学生が育児や学業と両立しながら、収入を得る貴重な機会となっています。

KTSとピープルツリーのパートナーシップは20年以上!

毎シーズンとても綺麗な編地の素敵なニットアイテムを数多く届けてくれています。

KTSの素晴らしい手編み技術だったら、ムーミンキャラクターのシルエットを表現できるかもしれない……!

そんなアイデアから、今回のアイテムが誕生しました。

「インターシャ編み」という手法で表現された大きなシルエットは、かわいくインパクトがありながら、モノトーンの配色で子どもっぽくならず絶妙なバランスに仕上がっています。

インターシャ編みとは裏に糸を渡さず、色が切り替わるところで折り返すように編む、特殊な編み方。
糸渡りがないため、糸のロスを最小限に抑えることができ、凹凸が少なくスッキリ綺麗な模様に仕上げることができます。

編んでいる最中は、いくつもの毛糸玉が編みかけのニットにぶら下がっている状態。糸が絡まないように、ていねいな取り扱いが必要になります。

そんな編み方をできるのも、まさに熟練の技術ですね♪

手編みのため、ふんわりと空気を含み、やわらかでやさしい着心地です。

ムーミン手編みニットプルオーバー グレイ系・スナフキンシルエット

少しゆったりめのサイズ感なので、薄手のブラウスやインナーを合わせて、アレンジも可能。

ムーミン手編みニットプルオーバー ブラック系・ムーミンシルエット

ムーミンOC天竺マーメイドスカート  (10月中旬入荷予定)

ムーミンジュートプリントミニバッグ

この冬たっぷりお楽しみいただけます♪

大人から子どもまで、幅広く愛されているムーミンの世界観を、ていねいな手作業で表現したピープルツリー自慢のコラボレーションシリーズ。

ぜひこの冬のワードロープにプラスしてみてくださいね。

ムーミン×ピープルツリーのコラボレーションはこちら>

2023秋冬の新作はこちら>

 

水曜日

27

9月 2023

英国V&A(ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)とのコラボレーションから、秋のシックな雰囲気を感じる2つの新作プリントシリーズをご紹介♪

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こんにちは。
2023年秋冬V&Aとのコラボレーション第二弾として、2つの新作プリントシリーズ「クローバー」と「リーフ」を発売しました。

ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館の正面玄関

V&A(ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)は、世界有数のアート、デザインとパフォーマンスのミュージアムです。1852年に芸術を身近なものとするためにヴィクトリア女王即位中にロンドンに設立されました。

現在ではデザインを通して生活を豊かにすることを使命として、想像力をかきたて、新発見や学習ができる場所となっています。145あるギャラリーにはテキスタイル、陶磁器、彫刻や写真などの装飾美術が展示されています。

「クローバー」柄

クローバーとサンザシの花を組み合わせたかわいらしい総柄のプリントは、V&Aが所蔵するモリス商会のアーツ・アンド・クラフツの壁紙に基づいてつくられました。この壁紙はジョン・ベンリー・ダールによる自然界への愛にあふれたデザインで、ウィリアム・モリスの作風が受け継がれた作品です。

ほのかな光沢とソフトなドレープ感が特徴のテンセル素材を使用したシリーズ。シックなカラーと可憐な花々をあしらった柄は秋の雰囲気にぴったりです。


まずは、上品なデザインのブラウスです。


ボリュームのある袖がポイント。


小さめの襟がかわいらしいです。


ひじから手首に向かって細くなっていくラインで、袖口まわりがスッキリとした印象に。


ブラックのスカートとパンプスを合わせれば、カジュアルなのにきちんと感のあるコーディネートも楽しめます。

V&A クローバー柄ブラウスはこちら>


続いてご紹介するのは、フェミニンなディテールが詰まったシャツワンピースです。


スカート部分はギャザーでふんわりとしているのに、上半身部分はコンパクトなので全体的にすっきりとしたシルエットに。


ブラウスと同じく、小ぶりの襟がかわいらしいです。

ウエスト部分と袖口のギャザーがフェミニンで上品な印象です。

歩くたびに揺れ動く裾のライン。
落ち感のあるテンセル素材なので、広がりすぎないエレガントな印象のワンピースです。

前開きでも着られるので、羽織りとしても使える秋冬に活躍するアイテムです。

V&A クローバー柄シャツワンピースはこちら>

「リーフ」柄

自然をイメージしたうねる葉っぱの柄は、V&Aが所蔵する魅力的な壁紙の図案に基づいてつくられました。作者は19世紀を代表するデザインの改革者であり、アーツ・アンド・クラフツ運動のメンバーでもあったルイス・フォーマン・デイ。自然の造形を生かした大胆な柄をお楽しみください。

なめらかなオーガニックコットンのサテン生地に、シックなリーフ柄をプリントしたシリーズです。落ち着いた色合いは、秋深まるこれからの時期におすすめです。


最初にご紹介するのは、シンプルなデザインにプリントが映えるブラウスです。


やや低めのスタンドカラーは、上品さが漂います。


袖口のギャザーによってふんわりさせた袖のシルエットがポイント。


ネックレスとの相性抜群なスタンドカラー。
合わせるもの次第で、華やかなスタイリングを楽しむこともできる優れものです。

V&A オーガニックコットンリーフ柄ブラウスはこちら>


続いてご紹介するのは、コクーンシルエットのミニ丈ワンピースです。


ウエスト部分の切り替えと、ほどよくタイトなシルエットによってスタイル良く見せてくれます。


ネイビーとグリーンの落ち着いたカラーリングが大人の雰囲気。


きれいめなワンピースも、レギンスと合わせればカジュアルに着こなすことも◎
普段使いからお出かけまで、1枚持っていると重宝するワンピースです。

V&A オーガニックコットンリーフ柄ミニシャツワンピースはこちら>


最後にご紹介するのはクラシカルなシルエットのロング丈ワンピースです。


ほどよい開き具合のネックラインでフェミニンな印象に。


高めの位置にあるウエストの切り替えによって、スタイルアップ効果も◎


ボリュームのあるふんわりとした袖が、上品なワンピースにかわいらしさをプラスしてくれます。

V&A オーガニックコットンリーフ柄ワンピースはこちら>

届けてくれたのは、インドの生産者団体「クリエイティブ・ハンディクラフト」

ご紹介した2つのラインを届けてくれたのは、インドの大都市ムンバイにある生産者団体「クリエイティブ・ハンディクラフト」です。

ムンバイにあるスラムで貧困に苦しむ女性たちの経済的な自立を目指して1984年に設立されました。
仕事の機会を提供するとともに、縫製の技術指導、託児所の運営や子どもたちの奨学金のサポートを行うなど、精力的にフェアトレードの活動を続けています。


いかがでしたでしょうか。
今回は秋冬のシックな雰囲気を感じる、美しいプリント柄を使った2つのラインをご紹介しました。

V&Aを含め、2023年秋冬の新作アイテムが続々入荷しています。
ぜひチェックして、今の季節を楽しむアイテムを探してみてくださいね♪

V&Aコラボレーション第1弾ブログ
「お買いものでできる社会貢献を。英国ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)とのコラボレーション秋冬新作に、初の手刺繍アイテムが登場!」はこちら>

V&Aコラボレーションアイテムはこちら>

2023年秋冬新作はこちら>

木曜日

14

9月 2023

認証が目指す世界を知ろう
なぜGOTS認証?

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広報啓発担当のヒロミです。
オーガニックセプテンバーのキャンペーンブログ第3弾は、ピープルツリーが取得している「GOTS認証」についてご紹介します。

同じく「オーガニックコットン」といっても、農産物(わた)としてのオーガニック認証と、糸や生地、バッグや服など製品としてのオーガニック認証とがあります。

ピープルツリーが取得している「GOTS認証」は、加工された「製品」に与えられる認証です。

GOTSは Global Organic Textile Standard の略で、直訳すると「オーガニックなテキスタイルの世界基準」です。

 

 

 

① organic
organic の表示は、付属品を除いた製品組成の95%以上が、認証されたオーガニック繊維であることを示します。

ピープルツリーのGOTS認証取得商品のほとんどは、オーガニックコットン100%か、伸縮性を持たせるために数%ポリウレタンを使用したものなので、この organic 表記を使用することができます。

ちなみに、GOTS認証では製品におけるオーガニック繊維の混用率が70%以上であることが条件です。70%以上95%未満の場合は with organic の表示となります。

 

② Soil Association
Soil Association(ソイル・アソシエーション、SA)は英国の代表的なオーガニック認証機関です。

一方、GOTSは基準を作る組織であり、基準そのものを指す名称です。
その基準が守られているかを第三者としてチェックするのが認証機関で、ほかにもControl Union Certifications(コントロールユニオン)やECOCERT(エコサート)など、いくつかあります。この表示から、ピープルツリーはソイル・アソシエーションによる監査を受け、GOTSの基準をクリアしたことが認証された、ということが分かります。

③ DK22103
ピープルツリーに付与された認証番号です。
この番号をGOTSの公式サイトで検索することで、この団体が本当にGOTS認証を取得しているのかを、一般の方も確かめることができます。

 

正しいGOTS認証の表記は、①~③の情報が揃っていることが条件です。
(マークの丸い部分だけでは、認証を取得したことが保証されていません。)

マークは製品に縫い付けてもいいですし、取り外しのできるタグに記載することも可能です。(ピープルツリーは紙のタグで表示しています)

また、購入時にGOTS認証であることが分かることが重要なので、通販の場合にはサイトやカタログ上に表示します

商品ページにあるGOTS認証マークをクリックすると、説明ページにリンクします。

 

GOTS認証の基準の概要

GOTSの取り組みは2002年から始まりました。
それまで、農産物である原綿のオーガニック認証については各国の基準を世界的に統合する作業が進んでいましたが、製糸や織り・編み・染めなどの加工を経て製品となったテキスタイル(繊維製品や生地)の認証は、国や認証組織ごとにバラバラでした。

認証方法を統一して共通の基準をつくり、国際的なオーガニック綿製品取引をスムースにしようと、ドイツ・イギリス・アメリカ・日本の団体がメンバーとなり基準を作成しました。

最初の基準は2005年に発表され、以後3年毎にバージョンが更新されています。(現在バージョン7が最新)
2005年から第三者の認識機関によるGOTS認証が開始され、2008年にはGOTSのロゴマークが導入されました。

GOTSの発起メンバー4団体のひとつである「日本オーガニックコットン協会(JOCA)」より

 

いくつか、ピックアップして紹介します。

▼全工程をカバー&トレーサビリティー
GOTS認証は、原材料がオーガニックであるだけでなく、生地の生産・加工や保管・流通の全ての過程で環境的・社会的な基準を満たしていることが条件です。

一般的に、素材の調達から生産工程を経て消費者の手元に届く一連の流れを「サプライチェーン」といいます。

GOTS認証は、サプライチェーンのすべての段階の団体がそれぞれ認証を取得して、つながっていることを重視しています。
つながっていることで、元をたどれるからです。それにより、トレーサビリティー、つまり生産の透明性を保証することができます。

 

▼薬剤使用制限
GOTS認証には「せっかくオーガニックで栽培された原料繊維だから、それにふさわしい環境負荷の少ない製造加工をすべき」という発想がベースにあります。

そのため、糸や生地の染色・プリントに使える薬剤などが決められています。
日本国内でGOTS認証を取得したアイテムの多くはタオルやベッドリネン、ベビーアイテムで、衣料品の流通はあまり多くありません。

ピープルツリーでは、GOTS認証を取得した衣料品はインドでつくられており、認定基準を満たした染料を豊富に入手できるため、カラフルな色柄展開が可能です。

GOTS認証以外の認証では、オーガニックの原綿を一定量使えば、製品の製造加工方法は従来の方法でもいいという考え方もあります。オーガニックコットンの含有率や加工方法に制限が少ないので、表現のバリエーションが豊かで、商品展開もしやすいためです。

(そもそも、農産物として有機栽培の認証を取ったオーガニックコットンは、コットンの総生産量の1~2%といわれています。製品の製造に必要な量を確保するだけでも、かなり大変なことなのです)

 

▼社会的な基準
GOTS認証で最も特徴的なのが、「社会的な基準」です。
児童労働や強制労働、差別が禁止され、労働環境や安全性が守られていることが重要な基準として明記されています。

社会的な基準がある特殊性について、よくわかるエピソードがあります。
ピープルツリーでは、サプライチェーンの中で「販売者」として認証を取得しています。認証の更新のために、定期的に監査担当者が訪れるわけですが、日常的に製品を扱っていないオフィスにも当然やってきます。(コロナ時にはオンライン監査のことも)

あまり詳しいことは監査のルール上書けないのですが、オフィススタッフの労働時間や条件、非常時の避難経路が確保されているかなど、細かくチェックされます。

オーガニックコットンを「有機栽培されたコットン」というだけの認識だったら、畑ではないところで働く人の労働時間まで聞かれることに、「オーガニックと何の関係があるの!?」ビックリするのではないでしょうか?

GOTS認証が、製品に関わる人たちすべての安全と健康、すなわち「幸せ」を保証したいという認証だということが分かると思います。

これこそが、ピープルツリーが数あるオーガニックコットン認証の中で、GOTS認証にこだわる理由です。

2007年、インドのアシシ・ガーメンツは途上国の工場としては世界初のGOTS認証を取得。

 


\このブログのキーワードは、GOTS認証の “G” と9月の “9” で『G9』です/


 

どんな世界を目指しているの?

そもそも、なぜ、オーガニックコットンが必要なの?
一般的にコットンにはナチュラルな良いイメージがあると思いますが、実は環境問題や人権問題と、さまざまな課題を抱えています。
その現状についてはこちら>

コットンをオーガニック栽培にすることで、生物多様性や生態系が守られ、畑で働く人びとの健康も守られます。また、農薬や遺伝子組み換え種子を毎年買わずに済むので、経済的負担も減らせます。

その原綿を、環境にも人権にも配慮した生産方法で加工していき、素敵な商品に仕上げていく。

そうやってつくられた商品と分かっていたら、消費者は安心してお買いものをすることができます。いちいち、素材の安全性は? 生産背景は? これは誰かを傷つけるお買いもの?などと悩む必要がなくなります。それが、認証が持つ説得力です。

とはいえ、「認証があるから、いい商品」と思考停止になるのも、正しい姿勢とはいえません。(認証がなくても、素晴らしい取り組みをしている商品も世の中にあります)

それぞれの認証が掲げる基準は、どんな世界を実現させたいのか知ることができる大事な視点です。基準が明文化されることで、認証を得る組織が意識的に取り組むことを推進できます。

だからこそ消費者も、どんな認証なのか、何を大事にしているのか、「私たちが選ぶことで、何ができるのか」を積極的に知ろうとすることが、世界を変える第一歩です。

認証のあるなしに関わらず、「どこで、誰が、どんなふうにつくってくれたのか」を知るのは、自分と世界とのつながりを考える、大事な問いかけです。

フェアトレード専門ブランドとしてピープルツリーが守る「フェアトレードの10の指針」とGOTS認証は、目指す世界が似ています。

 

 


この世のすべての商品が、環境にも人にも配慮され、人間同士だけでなくほかの生き物や地球も相手にすべての関係性がフェアな生産背景を持っていたら。きっと、心から気持ちよい毎日を過ごせるでしょう。

基準やルールの先にある、理想的な世界を目指して。『ハチドリのひとしずく』のクリキンディのように、それぞれの立場でできることをやっていきませんか?

GOTS認証やフェアトレードの目指す世界に共感してくださった方は、ぜひGOTS認証のついている商品を手に取ってみてくださいね。

GOTS認証の付いた商品はこちら>>

金曜日

8

9月 2023

\23AW新作/ バングラデシュの手織りオーガニックコットン

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こんにちは。マーケティングチームのアユミです。
オーガニックセプテンバーのキャンペーンブログ第2弾は、バングラデシュの「手織りオーガニックコットン」についてご紹介します!

「手織りオーガニックコットン」完成までの道のり

今は毎シーズンの定番となっている「手織りオーガニックコットン」シリーズ。
実は、ここまでには長い道のりがありました。

その始まりは2006年ごろ。
当時、オーガニックコットン製品はほぼすべてインドでつくられていました。
その中で、手織り生地の生産者が多くいるバングラデシュでも生産したいという思いがあり
まずは糸からということで、バングラデシュでオーガニックコットンを栽培するプロジェクトが発足しました。

ピープルツリーカタログ 2007秋冬号での報告の様子

しかし、バングラデシュの気候の影響もあり
大雨や洪水で畑ごと流されてしまい、プロジェクトは軌道に乗せることができませんでした。

そこで今度は、オーガニックコットンの糸を安定して仕入れられる紡績メーカーを探すことに。

機械生産ではなく手織りのため、販売されている糸をそのままは使えず、特注でつくってもらう必要がありましたが、
ピープルツリーは大きなブランドではないため、糸を大量購入できる訳ではありませんでした。
この2点が取引のネックとなり、理解してくれる仕入れ先を探すのに時間がかかりました。

バングラデシュのフェアトレード団体の代表者たちがバングラデシュ国内の紡績メーカーのリサーチを重ね、
また、ピープルツリースタッフも現地に何度も足を運び、話し合いを重ねた結果
私たちの理念に共感し、小ロットの仕入れに協力してくれるバングラデシュのメーカーが見つかったのです。

製品を初めて販売できたのは、2016年。プロジェクト発足から、約10年の道のりでした。
そこからさらに7年経った2023年現在、手織りオーガニックコットンは、毎シーズンの定番として愛されています。

「手織り」の工程

糸を仕入れた後は、どのように生地がつくられているのか・・
バングラデシュの生産者パートナーであるタナパラ・スワローズの動画とともに、ご紹介します。
スワローズの工場見学に訪れたような気持ちで、ぜひいっしょにお楽しみください!

①糸をボビンに巻く
糸車をくるくると回し、染色の終わった糸をボビンに巻いていきます。
4人が並び、それぞれの糸車を回していますね。生地を織るためには、とても多くのボビンが必要なのです。


②ドラムに巻き取る
先ほどのボビンが、たくさんセッティングされている様子が見えますね。
つくりたい生地に必要な本数、密度、長さにしたがって並べ、ドラムに巻き取っていきます。
とても大きな糸車を回しながらも、糸が絡まないように注意して進めるのは、見ているだけでも大変そうです・・


③糸のセッティング
糸を1本1本、織り機にセッティングしていきます。
1本間違えただけでも織物にならなくなってしまうので、みなさまていねいに作業されています。
とても繊細なお仕事。織るまでの工程でも、たくさんの手仕事が積み重なっています

実はこの①~③までの工程が、織る工程の7割ほどと言われています。
セッティングにかかる手間は、生産する生地が大きなロットでも小さなロットでも、変わらないのです。

④織る
ついに、織る工程にたどり着きました!両手と片足を使って、織り進めていきます。
足は4本のペダルを使うそうです。(ジャカード機は1本。)「手織り」と言っても、全身で織られているのですね。

いかがでしたか?
手織りオーガニックコットン生地ができあがるまでの長い道のりを知り、私はお洋服を愛しく思う気持ちがさらに増しました。


\このブログのキーワードは、バングラデシュの『BA』です/


 

23AW新作のご紹介

生地が完成してから、裁断・縫製・出荷・検品と長い道のりを経て・・ついに私たちのもとに届いた23AW新作を、ご紹介します。

まずはタナパラ・スワローズでつくられた、手織りオーガニックコットン生地に手刺繍をほどこしたシリーズ。

手織り生地に、さらに一針一針 手刺繍されているアイテムたち。
ウィンターベリーをイメージしたフレンチノット刺繍が、袖口や胸元にほどこされています。
ちらりと目に入る時、さりげなく元気をくれる。自分だけのおまもりのように、気分をちょこっと上げてくれる。そんなシリーズだと思います。
生地の色は、エコホワイトとネイビーの2種類。
ネイビーは先染めした色をタテ糸に、白い糸をヨコ糸に使用していて、離れて見るとほんのりと光沢感があります。

手織りと手刺繍のぬくもりを、手に取って感じてみていただけるとうれしいです。
タナパラ・スワローズから届いた手織りオーガニックコットンアイテムはこちら


今シーズンの手織りオーガニックコットン、続けてご紹介するのは
バングラデシュ・デヴテック・アソシエイツから届いた、手織りオーガニックコットンドビー生地のシリーズ。
手織りのオーガニックコットンを軽やかにまとうように着る。そんなリラックスした着心地のシャツです。
やわらかい中にも少しハリのある素材なので、袖口や首元のギャザーが綺麗に出ています。
さまざまなコーディネートに取り入れやすいシャツ は、夏以外のスリーシーズンに大活躍できそうです!
色は、エコホワイトとベージュの2種類。

小花とヘリンボーンのようなモチーフを、ストライプ状にデザインしたドビー織りの表情がユニーク♪
こちらもまた、ちらりと目に入るたびに、うれしくなるポイントです!

バングラデシュ・デヴテック・アソシエイツから届いた手織りオーガニックコットンアイテムはこちら≫


バングラデシュの手織りオーガニックコットンの魅力が、みなさまに届いているとうれしいです。
できあがるまでの工程に思いを馳せると、お洋服を選ぶとき、身に着ける時、胸があたたかくなります。
ぜひ、永く愛せるお気に入りの1着を探してみてくださいね。

23AWの手織りオーガニックコットンアイテムはこちら≫

水曜日

30

8月 2023

お買いものでできる社会貢献を。
英国V&A(ヴィクトリア・アンド・アンバート博物館)とのコラボレーション秋冬新作に、初の手刺繍アイテムが登場!

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こんにちは。
まだまだ暑さが残っている毎日ですが、おしゃれは季節を先取り、早くも2023年秋冬新作アイテムの発売がスタートしました。
みなさんはもうチェックされましたか?

ロンドンのヴィクトリア・アンド・アンバート博物館の正面玄関

ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)は、世界有数のアート、デザインとパフォーマンスのミュージアムです。1852年に芸術を身近なものとするためにヴィクトリア女王即位中にロンドンに設立されました。

現在ではデザインを通して生活を豊かにすることを使命として、想像力をかきたて、新発見や学習ができる場所となっています。145あるギャラリーにはテキスタイル、陶磁器、彫刻や写真などの装飾美術が展示されています。

花と幾何学の組み合わせが美しい「コレット」柄


まずご紹介するのは「コレット」柄。原案となった1909年の内装用に綿布で描かれたプリントは、20世紀初頭の英国デザインの特徴的な様式美を今に伝えています。
作者は不明ですが、アーツ・アンド・クラフツやアール・ヌーヴォーの連続した図案が持つ普及の美しさをたたえ、ピープルツリーによって秋らしいあたたかい色調で再現されました。

初登場!手刺繍のアイテム

V&Aのコラボレーションではこれまでにさまざまなプリントアイテムを展開してきましたが、今シーズンは、初めて刺繍によってモチーフのデザインを再現したアイテムが2点登場。
オーガニックコットンを手織りした生地に手刺繍をほどこした、特別感あるアイテムに仕上げました。


V&A 手織りオーガニックコットンコレット柄手刺繍ブラウス
花のモチーフのアウトラインを刺繍で表現し、ゆったりとしたシルエットのシャツの前身頃全体にほどこしました。
シャツ衿できちんと感がありながら、ドロップショルダーなので着心地がラクなのもポイントです。


V&A 手織りオーガニックコットンコレット柄手刺繍スカート
裾まわり全体にほどこされた手刺繍の花のモチーフが目を惹くスカート。
秋を彩る華やかなコーディネートの主役に。


この美しい手刺繍はバングラデシュの女性によって、1点1点仕上げられました。
同じ柄でも、ステッチの種類や糸の配色により、多様で魅力的なデザインが生み出されます。

V&Aコラボレーション ウエアはこちら>

ブロックプリントの雑貨

コレット柄をブロックプリントによって再現したアイテムも同時に登場しました。
同じデザインソースでありながら、技法によって表情が異なるものも手仕事によるコラボレーションの魅力のひとつ。
インドの職人により、新たに手彫りしたブロックを使ってハンドプリントされています。

ブロックプリントのアイテムは「コレット」柄以外にも「フルール」、「ニニ」の3柄があります。

流れるようなラインが優美な「フルール」柄

グリーンとピンクの繊細な色合いで再現されたこの柄は、V&Aが所蔵するリンゼイ・フィリップ・バターフィールドが1904年にデザインしたフラワー柄に基づいてつくられました。
アーツ・アンド・クラフツの装飾的で様式化された美学に、アール・アンド・ヌーヴォーらしい流れるようなラインを取り入れた優美なパターンをお楽しみください。

新鮮なカラーで再現した、フラワーモチーフの「ニニ」柄


緑と青のさわやかな色調で再彩色されたこの柄は、V&Aが所蔵するリンゼイ・フィリップ・バターフィールドが1902年にデザインしたフラワー柄に基づいてつくられました。
当時英国の主要メーカーのほとんどに図柄を提供していたバターフィールドは、アール・ヌーヴォーの連続する図案を壁紙や織物、プリント生地などで表現し大きな成功を収めています。

今シーズンは、これら3柄を使用した4種類の雑貨アイテムを展開します。


V&A ブロックプリントコットンショルダーバッグ
コロンとしたシルエットがキュートな新型のショルダーバッグ。
開口部はひもで絞って巾着のように閉じられます。


V&A ブロックプリントコットンサコッシュ
表側はスナップボタンつきの収納、裏側にもふたつのポケットがついています。
長めのショルダーは調節可能で、斜めがけもできます。


V&A ブロックプリントコットンカードケース
中はカード2枚分のスリットと、ボタン留めのフラップがついた小銭入れ、ポケット1つとキーリングがついています。


V&A ブロックプリントコットンハンカチ
ハンカチとしてだけではなく、お弁当箱などを包んだり、ランチョンマットにしたり。
ちょっとしたプチ・ギフトにも喜ばれます。

V&A コラボレーション 雑貨はこちら>

このアイテムを届けてくれたのは


手刺繍がほどこされたウエアのつくり手
タナパラ・スワローズ/バングラデシュ
手織りや手刺繍、縫製などの手仕事を活かした衣料品を生産しています。
1971年の独立戦争時に多くの男性が虐殺された村で、女性たちが技術を身につけ自立できるよう支援するために誕生しました。
フェアトレードの収益で、貧しい家庭の子どもたちが無料で通える学校の運営や女性のための研修が行われています。

ブロックプリントがほどこされた雑貨のつくり手
サシャ・ハンディクラフト/インド
西ベンガル地方やオリッサ地方を拠点とする100以上の小規模生産者グループを支援する非営利団体です。
ピープルツリーは彼らの伝統技術を最大限に生かし、現代的なデザインを生み出そうと職人とともに取り組んでいます。
サシャ・ハンディクラフトでも村に住む職人の技術向上プログラムを実施しており、ピープルツリーとともに技術訓練やデザインの提供、経済的なサポートなどを行っています。

お買いものでできる社会貢献を

フェアトレード団体における活動を、単なる生産にとどまりません。
つくり手の経済的自立だけではなく、家族の健康や、コミュニティにおける教育、福祉なども支援しています。
環境に配慮した生産方法が地域の暮らしを守っています。

フェアトレードのお買いものをすることは、そうしたフェアトレード団体のさまざまな活動を応援することにつながります。
つまり、SDGs(持続可能な開発目標)に掲げられたグローバル目標を達成するための具体的なアクションとなります。

ぜひ、フェアトレードのおしゃれな服やかわいい雑貨、おいしい食べものを選ぶことで、「世界をより良くする」アクションを楽しんでください!

V&Aコラボレーションアイテムはこちら>
2023年秋冬の新作はこちら>

水曜日

12

4月 2023

知ったら、アクション! ファッションレボリューションに参加しよう

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ファッションレボリューションとは?

「ファッションレボリューション」は、自分の着ている服を「誰が、どこで、どんなふうに、つくったか」に思いを馳せ、ファッション産業の透明性を求める世界的なキャンペーンです。

毎年4月24日を含む1週間を「ファッションレボリューション・ウィーク」として、世界中でさまざまなイベントが開催されます。今年は4月22日(土)~29日(土)です。

きっかけは、今から10年前の2013年4月24日でした。

バングラデシュのダッカ近郊で、縫製工場が複数入ったビル「ラナ・プラザ」が崩壊。1,100名以上の方が亡くなり、2,500名以上の方が負傷するという痛ましい事故が起こりました。前日から壁に亀裂が見つかっていたにも関わらず、稼働を続けることで起きた人災です。

この事故により、働く人の安全性よりも納期や理不尽なコストカットが優先されるファッション産業の構造的な問題、そして「自社ブランドの服を、誰が、どこで、つくっているのかわからない」というサプライチェーン(材料の調達から製品ができるまでの工程)の不透明さが浮き彫りとなりました。

その原因のひとつに、低価格を実現するための大量生産、細かく分業化されてサプライチェーンが長く複雑になっていることが挙げられます。

私たち1人ひとりがアクションを起こすことが、ファッション産業の在り方を変えるための「レボリューション(革命)」につながります。

まずは、「ファッションレボリューション」という言葉を知るスタートを切りました。次のアクションとして、4月23日(日)に開催される『メイド・イン・バングラデシュ』上映会&トークに参加する以外にも、どのようなアイデアがあるのか、ご紹介します。

 

お気に入りのブランドにSNSで質問してみる

自分の大好きなブランドを@タグ付けして、「#WhoMadeMyClothes(私の服をつくったのは誰?)」とSNSで投稿してみてください。お気に入りの洋服のタグのブランド名部分を写真に撮るのがおすすめ。

自社ブランドについてどんな投稿がなされているか、関係者は気にしてチェックしているもの。この問いかけをすることで、アパレル企業に「生産者が誰なのか、どんな労働環境でつくられているのか」を気にしているファンがいることを伝えることになります。

SDGsの普及とともに、企業は今まで以上に社会的責任や顧客の声に取り組む必要性を感じています。今こそ、商品を選ぶ側の力を生かして声を届けてみましょう。

これは、ファッションレボリューションのキャンペーンが始まった2014年から呼び掛けているアクションの1つ。#WhoMadeMyClothesと検索すると、世界中の人たちがサステナブルなおしゃれを楽しみながら情報発信をしている様子を見ることができます。

 

ピープルツリーのショップのフォトブースからSNS発信

ピープルツリー自由が丘店と立川高島屋S.C.店では、4月22日(土)~4月29日(日)の間、店内にフォトブースをご用意しています。ぜひ、ハッシュタグ「#WhoMadeMyClothes(私の服をつくった人は誰?)」をつけて、ファッションレボリューションウィーク中のSNSをにぎわせましょう。
ファッションレボリューションを知らない方に興味を持ってもらうことも、大切なアクションの1つです。

※写真は2022年のものです

 

映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』を見る

ラナ・プラザ事故をきっかけにつくられたドキュメンタリー映画が、2015年公開の『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』です。

バングラデシュのラナ・プラザ事故についてだけでなく、出稼ぎで子どもと一緒に暮らせない働き手のインタビュー、カンボジアでの労働運動抑圧の実態、インドの環境破壊とそれに伴う健康被害、安さを売りに大量消費・大量廃棄を煽る先進国のなど、ファッションに関する課題が数々取り上げられています。

環境省の調べによると、この30年で服の平均単価が6,848円から3,202円と半分になるほど低下する一方で、人や環境が支払う代償は劇的に上昇してきました。

サブタイトルの“真の代償”には、「服に対して本当のコストを支払っているのは誰か?」という問題提起が込められています。

これはつくり手の犠牲だけではありません。例えば、安いからと気軽に買って、気軽に捨てられた服の処分の多くは行政が担っています。その費用は私たちの税金でまかなわれています。買う時の価格は安くても、別の形で高くついている可能性があるのです。

ピープルツリーの共同創設者サフィアも『ザ・トゥルー・コスト』の制作に協力し、解決策の1つとして、フェアトレードの役割について語っています。

情報量が多く、自分の関心の在りどころが何なのかによって、見るたびに気づきがある映画です。

これから参加可能な市民上映会の情報は、こちらから確認できます。

 

アーカイブの記事や動画を見る

これまでピープルツリーが情報発信してきたアーカイブから、おすすめ記事を抜粋しました。


2014
ラナ・プラザ事故から1年後
・事故の被害に遭った家族をピープルツリー/グローバル・ヴィレッジ代表(当時)のサフィア・ミニーが訪問し、取材。遺族の生の声を知ることができます。

2015 04-16
ファッションレボリューション・デーに向けて、バングラデシュの衣料産業の今
・バングラデシュ衣料産業労働者連盟(NGWF)共同創設者&理事長アミルル・ハク・アミンさんのインタビュー。事故後の変化を知ることができます。

2015 06-04
「これからのファッション業界はどう変わる?」
消費者から発信していく、「みんなが幸せになれる」経済システムへ

・繊研新聞の中村善春さん、ファッションジャーナリストの生駒芳子さん、エシカル協会代表の末吉里花さんによるトークイベントのレポート

2021 04-19
フェアトレードの学校「古くて新しいファッションの楽しみ方~ファッションレボリューション」ご報告
・手持ちのものを生き返らせる創意工夫も大事。リメイクのアイデアをいろいろとシェア

 

フェアトレードのお買いものをする

フェアトレード団体が大切にしている「10の指針」の1つに、「事業の透明性を保つ」が掲げられています。つまり、「どこで、誰が、何を使って、どんなふうにつくっているのか」をきちんと把握しているのです。

ファッションレボリューションが始まるずっと前から、大切にしている取り組みです。

ファストファッションの工場では、作業効率を上げるために同じパーツだけをひたすら縫うことが多く、技術向上の機会は少なく、縫い手はどんな1着が仕上がるのかも、完成品をどの国の人が着るのかも知りえません。

ピープルツリーは18か国145団体とともに手仕事を生かしたものづくりをしています。つくられた服を着ていけば、あちこちから笑顔で「I made your clothes!」と声がかかります。ピープルツリーを通じて、日本やイギリス、ヨーロッパのお客さまが着てくださっているのを、つくり手たちも知っています。お互いに顔が見えるものづくりをしているのです。

手仕事の技法ごとに生産者をまとめた紹介はこちら ≫

 

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ファッションは、もともと楽しいこと。外的環境から身を守るだけでなく、自己表現であったり、元気をくれたり、自分の味方になってくれるものだと思います。

だからこそ、つくり手へのリスペクトを込めて、みんなが幸せな社会のためにアクションを起こしていきましょう!

 

金曜日

24

3月 2023

手仕事が旅するアクセサリー。

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こんにちは。デザインチームのサラです。

長かったコロナの混沌とした日々が、春の訪れとともに私たちの背中を前に押してくれるような緑芽吹く季節です。
それに春は新しい自分に出会う機会でもありますね。

疎遠だった旅行も少しずつ身近になってきましたし、まだまだ外国に行くのは敷居が高くても、異国からやって来た手づくりアクセサリーを身につけて気分を変えてみるのはいかがでしょうか?

ピープルツリーで主にご紹介しているアクセサリーは
ケニアとインドのフェアトレード団体による手づくりアクセサリー。

私の恩師のおばぁちゃん先生が「人がにぎるおにぎりと機械がつくったおにぎりでは栄養素は一緒でも中身が全然違うのよ!」
みたいなことをいつも言っていました。

機械ではなく、職人の手によってつくられるアクセサリー。
「どんな人がつけてくれるのかな?」と思いながら金属をハンマーで叩いたり、仲間と一緒に和気あいあいとテーブルを囲んでビーズを通したり、
「喜んでくれるかな?」と想いをはせてできあがったかもしれないアクセサリーがはるばる海を渡って手元に届く。
そんな楽しい気持ちもピープルツリーのアクセサリーには含まれているのです、きっと。

ケニアの生産者団体「ボンボルル・ワークショップ」

ケニアのフェアトレード団体「ボンボルル・ワークショップ」では主に真鍮やラクダの骨を使ったアクセサリーをつくっています。

真鍮サークルピアス

このアクセサリーは、板状のメタルをハンマーで叩いて凹凸感をつくります。
そのため、ひとつ作るのに何十回も叩くことになるのです。


ひとつひとつ真鍮のバーやシートから形を切り出し、ハンマーで叩いて模様をつけて……
そんな手仕事の積み重ねで、味のある風合いが表現できているのです。

この団体は1969年にできたのですが、1987年に身体に障がいがある人たちを支援する団体に引き継がれました。現在の職人の中には車いすを使用している方や麻痺のある方もいらっしゃいます。

コロナ禍で収入が減った際には、彼らはイギリスの支援団体主催のもと、ダンスを教えるワークショップをオンラインで開催しました。

収穫を祝うダンスのレッスンから始まり、生産者さんの生い立ちを語るコーナー、おいしいコーヒーの淹れ方コーナー、そして最後は部長のQ&A タイムでした。
日本時間で夜中の2時スタート(ケニアは夜8時、イギリスは夜6時)でしたが、軽快な打楽器の音と楽しいダンスでテンションが上がったことを思い出します。

この写真は以前出張で訪れた際のもの。
※ワークショップの時のものではないです。

苦しい時でも明るく楽しく乗り越えよう! そんな素敵な気持ちを持った彼らから届いたアクセサリー。
身につけると、元気がわいてくる気がします。

ボンボルル・ワークショップアクセサリーはこちら ≫

インドの生産者団体「タラ・プロジェクト」

インドのフェアトレード団体「タラ・プロジェクト」では、主にガラスビーズ、天然石、クロシェ編みなどのアクセサリーをつくっています。

クロシェ編みは、当たり前ですが1本の糸から形ができることがいつ見てもいいなーと思います。
道具もかぎ針1本ででき、電力も使わず、とてもエコな気持ちになります。

クロシェ編みピアス

タラ・プロジェクトは貧困やカースト制といったインドの社会問題を解決しようという活動家や教師によって1966年につくられました。
児童労働撲滅のために啓発活動を行ったりしているので、ピープルツリーが提供しているアクセサリーにはもちろん子どもたちが強制的につくらされたものはありません!

タラ・プロジェクトには沢山のグループがあり、ガラスビーズや製品をつくったり、クロシェ編みをしたり、織物、メタルアイテム、バッグなどの縫製をする団体があります。
職人さんが作業するテーブルにはビーズや細かいパーツがバラバラにならないようにボウルが組み込まれています。

タラ・プロジェクトのアクセサリーはこちら ≫
 
そんな手仕事と気持ちが詰まったアクセサリーが、異国からの長い船旅を終えて、この春も私たちのもとに届きました。

小さなアクセサリーひとつにも色々なストーリーや想いがこもっています。
どうぞやさしい気持ちをまとってフレッシュな気持ちで春をお過ごしください。

アクセサリー一覧 ≫

春夏の新作商品一覧 ≫

水曜日

8

3月 2023

英国ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館とのコラボレーションから、春夏の雰囲気を感じる2柄をご紹介♪

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こんにちは。
2023年春夏の新作アイテムは、もうチェックしましたか?
毎シーズン人気のV&Aとのコラボレーションは、2017年から始まり今シーズンで12回目となりました。

この春も、ミュージアムに所蔵されている優美なアーツ・アンド・クラフツの図案に基づく新作アイテムが登場しています。

V&Aの正面玄関

ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)は、世界有数のアート、デザインとパフォーマンスのミュージアムです。1852年に芸術を身近なものとするためにヴィクトリア女王即位中にロンドンに設立されました。

現在ではデザインを通して生活を豊かにすることを使命として、想像力をかきたて、新発見や学習ができる場所となっています。145あるギャラリーにはテキスタイル、陶磁器、彫刻や写真などの装飾美術が展示されています。

「マートン」柄

「マートン」は、1888年にケイト・フォークナー(1841-98)がモリス商会のために壁紙としてデザインした総柄のパターンに基づいてつくられました。

アーツ・アンド・クラフツ運動の精神と美学からインスピレーションを得て、小さな花の軌跡がブルーのトーンでオーガニックコットンの生地にプリントされた、現代的でフェミニンなスタイルとなっています。


まずは、ブルーとネイビーの色違いプリントをパッチワークのように組み合わせたブラウスです。


ゆとりのある襟ぐりによって、すっきりとした印象の首元に。


ボリュームのあるパフスリーブがトレンド感を醸し出してくれます。


ワイドパンツと合わせたリラックス感のある着こなしもおすすめです。

V&A オーガニックコットンマートン柄ブラウスは こちら>


続いてご紹介するのは、ティアードデザインが印象的なワンピースです。


首元は程よく開いたスタンドカラーで、甘くなりがちなティアードデザインをすっきりとした印象にまとめてくれます。

短めの丈とふわりと広がるフェミニンなシルエットは、パンツと合わせればカジュアルな着こなしを楽しむこともできます。

V&A オーガニックコットンマートン柄ショートワンピースは こちら>


続いてご紹介するのは、ノースリーブのワンピースです。


ウエストはゴム仕様になっているので、リラックスして着用することができます。


バックにほどこされたさり気ないスリットとボタンがポイントです。
かわいらしい雰囲気の小花柄も、エレガントな印象にしてくれます。

V&A オーガニックコットンマートン柄ノースリーブフレアワンピースは こちら>

 

 

「メイデンヘアとヘアベル」柄


この美しいプリント「メイデンヘアとヘアベル」は、テキスタイルのためにつくられた総柄のパターンに基づいて生まれました。

この柄は建築家であるデザイナーのチャールズ・ヴォイジーが、アーツ・アンド・クラフツ運動の精神と美学からインスプレーションを得てデザインしました。

原図の繊細な花柄を愛らしい色に彩色し、オーガニックコットンの生地にプリントしました。春夏の日差しによく似合うプリント柄です。


最初にご紹介するのは、ウエストのギャザーが印象的なワンピースです。
すとんとしたシルエットと華やかなプリントデザインで、上品な雰囲気を楽しむことができます。


夏本番には1枚で着こなして、肌寒い季節にはカーディガンなどのライトアウターを羽織ったり、インナーを合わせても。
あたたかくなってくるこれからの季節に重宝するアイテムです。

V&A オーガニックコットンメイデンヘア&ヘアベル柄キャミソールワンピースは こちら>


続いてご紹介するのは、愛らしい印象のガーリーなワンピースです。


ざっくりと開いたスクエアな胸元には、小ぶりのフリルをあしらいました。


ふわりと広がるフレアな裾デザインがポイントとなっています。

V&A オーガニックコットンメイデンヘア&ヘアベル柄ショートワンピースは こちら>


続いては、フレア裾が女性らしさを際立てるキャミソールです。


胸元にほどこされた同布のリボンが、さり気ないポイントとなっています。
ウエストはゴム仕様になっているので、リラックスして着用することができます。


裾広がりのシルエットで、お腹まわりをカバーしてくれるのもうれしいポイントです。


程よい丈感で、ボトムスとバランスよく着ることができます。
インナーやカーディガンを合わせたコーディネートもおすすめです。

V&A オーガニックコットンメイデンヘア&ヘアベル柄キャミソールは こちら>


次にご紹介するのは、上品な印象のショートパンツです。


短すぎない丈感と、程よいシルエットがはきやすい1枚です。


太めのウエストベルトと、さり気なく入ったタックのデザインがポイントとなっています。
無地のトップスと合わせたり、同じ柄のキャミソールとセットアップにするなど、幅広い着まわしが楽しめるアイテムです。

V&A オーガニックコットンメイデンヘア&ヘアベル柄ショートパンツは こちら>

届けてくれたのは、インドの生産者団体「クリエイティブ・ハンディクラフト」


ご紹介した2つのラインを届けてくれたのは、インドの大都市ムンバイにある生産者団体「クリエイティブ・ハンディクラフト」です。

ムンバイのスラムで貧困に苦しむ女性たちの経済的な自立を目指して1984年に設立されました。仕事の機会を提供するとともに、縫製の技術指導、託児所の運営や子どもたちの奨学金のサポートを行うなど、精力的にフェアトレードの活動を続けています。


いかがでしたでしょうか。
今回は春夏の気分を盛り上げる美しいプリント柄を使った2つのラインをご紹介しました。

V&Aも含め、2023年の春夏の新作アイテムが続々入荷しています。
ぜひチェックして、これからの季節を楽しむお気に入りのアイテムを見つけてください♪

V&A コラボレーションアイテムは こちら>
2023年春夏の新作は こちら>

水曜日

1

3月 2023

3月8日は国際女性デー
フェアトレードによる女性の社会進出支援

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広報・啓発担当のスズキです。
あたたかな日も増え、お花屋さんに色とりどりのお花が並ぶようになると、春ならではの弾けるようなエネルギーを感じます。特に黄色い花が好きな私は、ミモザを見かけると心の中に太陽が生まれたような気分になります。

3月8日は、ミモザの日。イタリアでは「女性の祝祭(フェスタ・デラ・ドンナ)」として日ごろお世話になっている女性に感謝と敬意をこめてミモザを贈る日。街中がミモザや黄色のアイテムで飾られ、寒い冬が終わり、春の訪れを感じられる華やかな1日です。

 

バングラデシュのフェアトレード団体「サイドプール・エンタープライズ」から届いた、手刺繍のアイテム

 

そして3月8日は、国連が定めた記念日「国際女性デー」でもあります。
1908年、縫製工場の劣悪な環境下で働いていた女性たちが、労働条件の改善を要求してニューヨークで起こしたデモがきっかけとされています。国連の記念日となったのは1975年ですが、今もなお、世界のあちこちで、女性の地位の向上と権利の獲得は重要な課題です。

 

フェアトレードと女性のエンパワメント

社会的・経済的に立場の弱い人びとの生活を支援するフェアトレードでは、文化的・社会的な慣習により収入の機会を持たなかった女性が仕事を得て、自立を目指すケースが多くあります。

ピープルツリーも加盟している「世界フェアトレード連盟(WFTO)」では、加盟団体で生産に携われる96万人の74%を女性が占めています。

フェアトレードによって正当な対価が支払われ、安全な場所で健康的に働ける環境が整えば女性の経済的自立につながります。

さらにフェアトレード団体の多くは、研修などで、女性の権利に対する意識向上や指導者としての機会を提供するなど、積極的に女性のエンパワメントを行っています。

エンパワメントとは、直訳すると「権限を与える」。力を発揮する機会を与えられなかった人が自分の力を取り戻し、能力を高め、その努力が認められ、社会に参加してさまざまな場面で活躍することです。

その結果、WFTOの加盟団体では意思決定に関わるポジションの54%を女性が占めています。従来型の企業では24%なので、フェアトレード団体では女性の活躍がとても進んでいることがわかります。

Gender study Report WFTO 2019より、従来型企業(左)とWFTO加盟団体(右)との比較。 上から、女性の取締役、最高経営責任者、上級管理職

 

Gender study Report WFTO 2019より。前述のデータを踏まえ、フェアトレード団体では従来型の企業と比べて、女性が4倍活躍できる機会があるというイラスト。従来型の企業では、見えない天井も描かれている。

 

 

自分の力で立ち上がる強さ


エンパワメントされた素敵な女性としていつも思い出すのが、2017年に来日したインドのフェアトレード団体、クリエイティブ・ハンディクラフト(以下「CH」と略)の縫製部門の現場でマネジメントを担うロージィさんです。小柄ながらエネルギッシュで、日々、大好きな仕事でバリバリと働いていることの誇りが全身からあふれていました。

ところが、CHで働く前のロージィさんは、18歳の若さで17人もの大家族に嫁いでからずっと、家族の世話に忙殺され、夫からの家庭内暴力を受ける暗い日々を送っていたそう。

子どもが生まれたのをきっかけに、このままではいけない!と、CHの創設者であるシスターを訪ね、悩みを打ち明けたことが転機となりました。何もできないところからトレーニングセンターでの縫製の研修を受け、作業グループに加わりました。その後、仕事ぶりが認められてグループのリーダーとなり、トレーニングセンターでの教育係を経て、品質管理担当に抜擢、生産管理を任されるに至ったのでした。

現金収入を得ることで家庭内での扱いが激変したそう。2人の子どもを大学まで進学させ、家も建て、夫の意識も変わって、「今ではとても協力的になった。本当に幸せ」と笑っていました。フェアトレードは職場に限ったことではなく、家庭内でも男女が助け合えるような関係を築くのに大いに貢献します。

 

ロージィさんの力強い笑顔は、フェアトレードによるサポートを受けながら自分の力で立ち上がり培ってきた、自信から生まれたものでした。私はその神々しさに圧倒されたのでした。

「男性が教育を受けると、その人生が変わる。
女性が教育を受けると、社会が変わる」

ロージィさんのこの言葉は、きっと一生忘れられません。

つくり手の大半は女性であり、女性が主体的に働いて収入を得ることで、家庭や地域で発言権を増し、子どもの教育など次世代への投資により多くのお金が使われます。

女性の能力向上をさらに後押しすることが、フェアトレードが目指す「みんなが幸せに暮らせる世界」の推進力になります。

 

ジェンダー平等の果たす意義

WFTOが掲げる、フェアトレードの団体が守るべき「10の指針」には、「6.差別をせず、ジェンダー平等と結社の自由を守る」の項目があります。これは国連の会議で策定されたSDGs(持続可能な開発目標)の「5.ジェンダー平等を実現しよう」にも繋がります。

ロージィさんの語ってくれた半生はまさに、女性の地位向上によって果たせることの大きさを物語っています。貧困や飢餓といった世界規模の課題に取り組み、よりよい未来をつくるためにはジェンダー平等は大前提の要素であり、不可欠であるということ。

WFTOが行うメンバー女性を対象にしたエンパワメント研修で大事にしているのが、「HAVE:持つ、KNOW:知る、WANT:望む、TO BE ABLE TO:できるようにする」の4つの視点。具体的に言うと、以下のようなことです。

まずは現金収入を得て、生活水準を改善すること
実践的な知識とスキルを知ること
自身や自尊心を持ち、精神的な強さを身に着けること
自分で将来を選択する能力と意思
意思決定を行い、自分を望む方へ動かすこと

各国の男女格差の現状を評価する「ジェンダーギャップ指数」で146カ国中116位の日本にも、大いに学ぶヒントがありそうです。

また、ピープルツリーの母体NGOグローバル・ヴィレッジでは、バングラデシュにおける女性リーダー育成のためのエンパワメント研修について、2021年3月にクラウドファンディングで資金を募りました。そのプロジェクトの進捗報告をお読みいただけます。フェアトレード団体がジェンダー平等をいかに大切にしているかがお分かりいただけると思います。

 


バングラデシュ訪問記
~現地の今 Vol.2 女性を応援する研修プロジェクト~
記事はこちら >

 

フェアトレードのお買いものがもたらすこと

フェアトレードのお買いものは、つくり手をサポートするさまざまな活動を応援することに繋がります。日常的にできる、望む未来への投票活動です。

自分の仕事に誇りを持ち、幸せに暮らしている生産者たちが心を込めてつくったものを身にまとい、使い、味わう私たちもまた、幸せな気持ちになれます。私がフェアトレードのお買いものを好きなのは、モノの向こう側にある笑顔を想像して、清々しさと晴れやかさを感じられるからです。幸せをおすそわけしてもらっているのは、私のほうだなぁと。

春の新作コレクションの第一弾が入荷しています。
ぜひ、ウキウキした気分を楽しんでくださいね。

春の新作アイテムはこちら >