手仕事の良さが感じられる秋冬のコレクションから
夏休みも始まり、暑さも真っ盛りですが、店頭はひと足先に秋冬へと変わりつつあります。
ピープルツリーでも秋冬のコレクションが一部スタートしました。
今季のテーマは“Scene of Mountains”。
表情を変える山の情景、木々や山野草、澄んだ湖水に映し出された雪山、
木漏れ日や紅葉といったイメージを元にデザインしています。
今回は7月に先行販売されたシリーズの中から、手織りジャカードシリーズを紹介します。
穴をあけたカードを使って複雑な模様をつくるジャカード織りは、
フランス人発明家のジョゼフ・マリー・ジャカール氏が1801年に考案しました。
現在では、ジャカード織りのほとんどがコンピュータ制御で自動化されていますが、
ピープルツリーでは、1枚1枚、職人が手織りでつくっています。
ジャカード織りを手掛けるのは、バングラデシュの「アーティザン・ハット」。
バングラデシュでは、1990年代の末からファスト・ファッションの台頭により、
機械化の波に押され、多くのはた織り職人たちが仕事を失いました。
そうした職人たちを支援する目的で、2002年に設立されたのがアーティザン・ハットです。
現在では、ノルシンディやジェニダといった農村地域において、
手織りや手刺繍などの職人100人あまりに仕事の機会をつくり出しています。
手織りについては、春夏のコレクションで紹介した「糸と手から生まれた服」をお読みいただくと、
地道で根気のいる仕事ということがイメージできるかと思います。
アーティザン・ハットでも同じように、染めた糸を用意し、糸を巻き、
織り機にたて糸をかけてから、よこ糸を1本ずつ通して織っています。
今シーズンの手織りジャカードシリーズは、生成りとライトグレイの2色展開です。
生成りは一見、無地のように見えますが、繊細な花模様が織りで表現されています。
ライトグレイはシャンブレー生地といって、たて糸とよこ糸が違う色で織られています。
ブラックのたて糸にベージュのよこ糸を使っているので、奥行きのある生地に仕上がっています。
デザインは、ワンピースもブラウスも胸元にピンタックをたっぷりほどこした、クラシックなデザイン。
やわらかでふんわりとしたシルエットは、女性らしさを印象づけます。
今年の秋冬ファッションのキーワードのひとつである、「ネオ・クラシック」なデザインはトレンドの先取りにおすすめ。
しかも普遍的なかわいらしさもあるので、長く愛用できること間違いなしです。
この手織りジャカードシリーズで、秋を先取りしてはいかがでしょうか?