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ピープルツリーの日々のこと

土曜日

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9月 2021

ピープルツリーのオーガニックコットン ~ゼロから始めたストーリー~  Vol.1 「ゼロからの挑戦」

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ピープルツリーでは、90年代半ばからオーガニックコットン製品の取扱いを開始し、今では衣料品の半分以上にインドで栽培されたオーガニックコットンを使っています。今日から全4回にわたって、ピープルツリーのオーガニックコットンの衣料について、どのようにその開発がを始まり現在に至ったのか、社長のジェームズに聞いたストーリーをご紹介します。

ピープルツリーのオーガニックコットン製衣料品の開発は、原料のオーガニックコットンをどこからどうやって仕入れるかの調査から始まりました。取り扱う製品をすべて人や環境を害さないものにしたいと意気込んだものの、1995年当時ピープルツリーの衣料品をつくっていたインドやジンバブエの生産者パートナーは、市場で一般的に流通している糸や生地を購入するしかなく、オーガニックコットンを手に入れる方法についての情報がありませんでした。

そこでピープルツリー共同創立者のサフィアとジェームズは、ジンバブエやインドのコットン農家を直接訪ねて回ることからはじめました。
ジンバブエでは、農薬を使わず昔ながらの農法で栽培している農家が多くいましたが、コットンのジニング(綿と種の分離)、紡績(繊維から糸にする)などの加工工程は政府が管理しており、直接取引は難しいことがわかりました。

そして1997年、インドのマハラシュトラ州でオーガニックコットンの栽培に取り組む小規模農家たちと出会い、彼らの共同組合を通じて原綿を買えることになったのです。農家組合に翌年の購入量を約束し、栽培開始時に代金の一部を前払いすることで、小規模農家たちが安心して栽培を続けられ、私たちも継続して確実にオーガニックコットンを仕入れられるようにしたのです。

製品の縫製は、南部タミル・ナドゥ州でカトリック修道会が耳の不自由な女性たちが働ける場として運営していた縫製作業所「アシシ・ガーメンツ」が担ってくれることになりました。
しかし、農家組合から仕入れたオーガニックコットンがアシシ・ガーメンツで製品となるには、他にもハードルがありました。

ジニング工場では通常、原綿を繊維の長さなどで仕分けするのみで、栽培地ごとに分けることはしません。そのためせっかく原綿がオーガニックであっても、糸や生地となる前にオーガニックでないものと混じってしまいます。工場に、オーガニックコットンの原綿だけ分けるよう協力してもらわなくてはなりません。

コットンの加工についてまったくの素人であったサフィア、ジェームズの二人は、多くの人に相談したり紹介してもらったりしながらあちこちの工場を訪ねて協力を依頼しました。
そして1998年、ついにオーガニックコットン100%のTシャツを製品化することができたのです。

<Vol.2につづく>