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ピープルツリーの日々のこと

水曜日

12

4月 2023

知ったら、アクション! ファッションレボリューションに参加しよう

Written by , Posted in ショップ情報, 生産者のこと, ニュース

ファッションレボリューションとは?

「ファッションレボリューション」は、自分の着ている服を「誰が、どこで、どんなふうに、つくったか」に思いを馳せ、ファッション産業の透明性を求める世界的なキャンペーンです。

毎年4月24日を含む1週間を「ファッションレボリューション・ウィーク」として、世界中でさまざまなイベントが開催されます。今年は4月22日(土)~29日(土)です。

きっかけは、今から10年前の2013年4月24日でした。

バングラデシュのダッカ近郊で、縫製工場が複数入ったビル「ラナ・プラザ」が崩壊。1,100名以上の方が亡くなり、2,500名以上の方が負傷するという痛ましい事故が起こりました。前日から壁に亀裂が見つかっていたにも関わらず、稼働を続けることで起きた人災です。

この事故により、働く人の安全性よりも納期や理不尽なコストカットが優先されるファッション産業の構造的な問題、そして「自社ブランドの服を、誰が、どこで、つくっているのかわからない」というサプライチェーン(材料の調達から製品ができるまでの工程)の不透明さが浮き彫りとなりました。

その原因のひとつに、低価格を実現するための大量生産、細かく分業化されてサプライチェーンが長く複雑になっていることが挙げられます。

私たち1人ひとりがアクションを起こすことが、ファッション産業の在り方を変えるための「レボリューション(革命)」につながります。

まずは、「ファッションレボリューション」という言葉を知るスタートを切りました。次のアクションとして、4月23日(日)に開催される『メイド・イン・バングラデシュ』上映会&トークに参加する以外にも、どのようなアイデアがあるのか、ご紹介します。

 

お気に入りのブランドにSNSで質問してみる

自分の大好きなブランドを@タグ付けして、「#WhoMadeMyClothes(私の服をつくったのは誰?)」とSNSで投稿してみてください。お気に入りの洋服のタグのブランド名部分を写真に撮るのがおすすめ。

自社ブランドについてどんな投稿がなされているか、関係者は気にしてチェックしているもの。この問いかけをすることで、アパレル企業に「生産者が誰なのか、どんな労働環境でつくられているのか」を気にしているファンがいることを伝えることになります。

SDGsの普及とともに、企業は今まで以上に社会的責任や顧客の声に取り組む必要性を感じています。今こそ、商品を選ぶ側の力を生かして声を届けてみましょう。

これは、ファッションレボリューションのキャンペーンが始まった2014年から呼び掛けているアクションの1つ。#WhoMadeMyClothesと検索すると、世界中の人たちがサステナブルなおしゃれを楽しみながら情報発信をしている様子を見ることができます。

 

ピープルツリーのショップのフォトブースからSNS発信

ピープルツリー自由が丘店と立川高島屋S.C.店では、4月22日(土)~4月29日(日)の間、店内にフォトブースをご用意しています。ぜひ、ハッシュタグ「#WhoMadeMyClothes(私の服をつくった人は誰?)」をつけて、ファッションレボリューションウィーク中のSNSをにぎわせましょう。
ファッションレボリューションを知らない方に興味を持ってもらうことも、大切なアクションの1つです。

※写真は2022年のものです

 

映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』を見る

ラナ・プラザ事故をきっかけにつくられたドキュメンタリー映画が、2015年公開の『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』です。

バングラデシュのラナ・プラザ事故についてだけでなく、出稼ぎで子どもと一緒に暮らせない働き手のインタビュー、カンボジアでの労働運動抑圧の実態、インドの環境破壊とそれに伴う健康被害、安さを売りに大量消費・大量廃棄を煽る先進国のなど、ファッションに関する課題が数々取り上げられています。

環境省の調べによると、この30年で服の平均単価が6,848円から3,202円と半分になるほど低下する一方で、人や環境が支払う代償は劇的に上昇してきました。

サブタイトルの“真の代償”には、「服に対して本当のコストを支払っているのは誰か?」という問題提起が込められています。

これはつくり手の犠牲だけではありません。例えば、安いからと気軽に買って、気軽に捨てられた服の処分の多くは行政が担っています。その費用は私たちの税金でまかなわれています。買う時の価格は安くても、別の形で高くついている可能性があるのです。

ピープルツリーの共同創設者サフィアも『ザ・トゥルー・コスト』の制作に協力し、解決策の1つとして、フェアトレードの役割について語っています。

情報量が多く、自分の関心の在りどころが何なのかによって、見るたびに気づきがある映画です。

これから参加可能な市民上映会の情報は、こちらから確認できます。

 

アーカイブの記事や動画を見る

これまでピープルツリーが情報発信してきたアーカイブから、おすすめ記事を抜粋しました。


2014
ラナ・プラザ事故から1年後
・事故の被害に遭った家族をピープルツリー/グローバル・ヴィレッジ代表(当時)のサフィア・ミニーが訪問し、取材。遺族の生の声を知ることができます。

2015 04-16
ファッションレボリューション・デーに向けて、バングラデシュの衣料産業の今
・バングラデシュ衣料産業労働者連盟(NGWF)共同創設者&理事長アミルル・ハク・アミンさんのインタビュー。事故後の変化を知ることができます。

2015 06-04
「これからのファッション業界はどう変わる?」
消費者から発信していく、「みんなが幸せになれる」経済システムへ

・繊研新聞の中村善春さん、ファッションジャーナリストの生駒芳子さん、エシカル協会代表の末吉里花さんによるトークイベントのレポート

2021 04-19
フェアトレードの学校「古くて新しいファッションの楽しみ方~ファッションレボリューション」ご報告
・手持ちのものを生き返らせる創意工夫も大事。リメイクのアイデアをいろいろとシェア

 

フェアトレードのお買いものをする

フェアトレード団体が大切にしている「10の指針」の1つに、「事業の透明性を保つ」が掲げられています。つまり、「どこで、誰が、何を使って、どんなふうにつくっているのか」をきちんと把握しているのです。

ファッションレボリューションが始まるずっと前から、大切にしている取り組みです。

ファストファッションの工場では、作業効率を上げるために同じパーツだけをひたすら縫うことが多く、技術向上の機会は少なく、縫い手はどんな1着が仕上がるのかも、完成品をどの国の人が着るのかも知りえません。

ピープルツリーは18か国145団体とともに手仕事を生かしたものづくりをしています。つくられた服を着ていけば、あちこちから笑顔で「I made your clothes!」と声がかかります。ピープルツリーを通じて、日本やイギリス、ヨーロッパのお客さまが着てくださっているのを、つくり手たちも知っています。お互いに顔が見えるものづくりをしているのです。

手仕事の技法ごとに生産者をまとめた紹介はこちら ≫

 

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ファッションは、もともと楽しいこと。外的環境から身を守るだけでなく、自己表現であったり、元気をくれたり、自分の味方になってくれるものだと思います。

だからこそ、つくり手へのリスペクトを込めて、みんなが幸せな社会のためにアクションを起こしていきましょう!