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ピープルツリーの日々のこと

Daily Archive: 2021/09/06

月曜日

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9月 2021

ピープルツリーのオーガニックコットン ~ゼロから始めたストーリー~   Vol.3 「認証取得、支援から自立へ」

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オーガニックコットン衣料品のサプライチェーンを築いたピープルツリー。オーガニックコットン認証の申請書類がやっと整い、認証機関「ソイル・アソシエーション(SA)」の審査官がインドに査察にやって来ると、今度は別の問題が発覚しました。

生地加工の方法のいくつかが、SAが定めるやり方と異なるため認められないというのです。しかしその加工方法は単に、ヨーロッパで通常行われていなかったためにSAの規定に含まれていなかったに過ぎませんでした。それまでSAの認証を受けたテキスタイルはすべて、欧米で加工されたものだったのです。規定に加えるために調査やテストが行われ、やっとSAの基準を満たしていると認めてもらうことができました。

ピープルツリーも製品を輸入・販売する事業者として認証を受けるために、輸入から倉庫での保管、お客様への発送までの過程で必要な書類やマニュアルを整え、査察に合格しました。

こうして2007年、アシシ・ガーメンツでつくられたオーガニックコットン製品が、ついにオーガニックテキスタイル認証を取得しました。原綿栽培から最終加工まですべて途上国で行われたオーガニックコットン製品が認証を取得するのは、世界で初めてのことでした。

これと並行して、2006年、SAはドイツ、アメリカ、日本のオーガニック認証組織と共に、各組織のオーガニックテキスタイル基準をすり合わせて世界共通の基準となるGOTS(オーガニックテキスタイル世界基準)を策定しました。ピープルツリーのオーガニックコットン製品は、世界で認められるものとなったのです。

GOTS策定の作業グループのメンバーの一人は、ピープルツリーのインドの生産者パートナーを査察した審査官でした。彼の知見があったことで、インドでの生地加工の方法を規定に含んだSAの基準はGOTSにも円滑に引き継がれたのです。ピープルツリーの働きかけが、欧米以外の国で加工されるオーガニックテキスタイルにも認証取得の門戸を開いたと言えるでしょう。

ピープルツリーは、アシシ・ガーメンツが継続してオーガニックコットン製品をつくることができるよう、毎年コットンの栽培が始まる前にオーガニック農家組合と仕入れの相談をし、仕入れに必要な費用をアシシ・ガーメンツに前払いするなど資金的なサポートを行いました。

アシシ・ガーメンツはその後、ピープルツリーの仲介なしにオーガニックコットンを調達し、GOTS認証を受けるための査察の受け入れや書類の作成もすべて自力で行えるようになりました。今では、オーガニックコットン専門の縫製工場として他のバイヤーから注文を受けたり、インド国内の他の工場からオーガニック認証についてアドバイスを求められるまでになっています。

また、ピープルツリーが原綿の購入を支えていたマハラシュトラ州とグジャラート州の小規模農家組合は、販売の仲介に頼ることなく自立し、オーガニック農法の普及を支援する組織へと役割を変えて活動を続けています。

<Vol.4につづく>