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ピープルツリーの日々のこと

生産者のこと Archive

金曜日

17

4月 2020

4月24日は何の日?#Who Made My Clothes

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4月24日は何の日?#Who Made My Clothes

2013年4月24日、バングラデシュの首都ダッカ近郊で複数の縫製工場が入った複合ビル「ラナ・プラザ(LANA PLAZA)」が崩落し、死者1138人、負傷者2500人以上を出すファッション史上最悪の大惨事が起きました。

欧米企業からの需要に応えるために、工場を広げて生産力を高め、コストを下げるために安全を無視した違法な建築で幾度も増築された8階建ての建物には、たくさんのミシンと発電機の振動によっていくつもの亀裂が入っていましたが、どれだけ訴えても従業員は避難を許されず、給料を払わないと脅されて、仕事を続けるしかありませんでした。
生き埋めになったのはすし詰め状態で働いていた4000人の人びと。その多くが低賃金で雇われた女性やスラムに暮らす若者でした。

沢山の命が奪われて初めて、多くの人たちは気が付きました。このような悲劇を二度と繰り返してはいけない、ファッション産業は変わらなければならないと。
ファッションを愛する人たちは革命を起こそうと声を上げました。ファッションのために誰も死んではいけないのだと。
こうしてFashion Revolutionへの活動が世界中で始まりました。
4月24日はファッションレボリューションデーです。

あなたは今着ている服が、どこの国で、どんなふうにつくられたか知っていますか?
どんな人が、どんな思いでつくったものか考えたことはありますか?

映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』



安く、早く、大量に衣服を生産するファストファッションの裏側で何が起きているのか?自身もファストファッションの衣服を買っていたという米国のアンドリュー・モーガン監督が立ち上がり、制作したのが映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』です。ラナ・プラザの悲劇から2年後の2015年5月に米国で公開されました。

この数十年、服の価格が低下する一方で、人や環境が支払う代償は劇的に上昇してきました。この作品は、服を巡る知られざるストーリーに光を当て、「服に対して本当のコストを支払っているのは誰か?」という問題を提起する、ファッション業界の闇に焦点を当てたドキュメンタリー映画です。
ピープルツリーの創設者サフィアもこの制作に協力し、フェアトレードの役割について語っています。
ぜひ日本の人たちにも見てほしいと積極的に働きかけた結果、字幕版が2016年4月に公開されました。

多くの国で本格的な都市封鎖が始まった3月の下旬、サフィアから英国の新聞「The Guardiaガーディアン」が報じた1通の記事が送られてきました。そこには、アパレル製品の輸出が最大の産業であるバングラデシュで、欧米のファッションブランドのオーダーキャンセルによって100万人以上の労働者が全く保障もないままに失業したというニュースが!
その後も感染拡大によって工場閉鎖はますます進み、現在までに3500億円の取引が消え10億枚の服の仕事を失った220万人の人びとは収入のない暮らしを余儀なくされています。医療体制やセーフティネットの整っていない脆弱な社会の中で、どうやって生きていけばよいのでしょうか。
私はこの記事を読んで、もう一度『ザ・トゥルー・コスト』を観ようと思いました。

初めて観たときには気に留めなかった印象的な言葉がいくつもありました。
「戦後多くの化学兵器や爆薬製造の工場が不要になりました そして爆薬をつくっていた産業が窒素肥料を作っています」
「肥料であれ殺虫剤であれ 化学薬品の悲劇は生態系を麻痺させることです 使うほどにもっと必要になります」
「ファッションは消耗品ではないし そう考えてはいけません」
「血でできた服なんて 誰にも着てほしくない」
「必要なのは価値観の革命だ」

いま、ウイルスの蔓延で世界は大変な混乱に陥っています。いつかこの事態が収束して再び経済が動き出したら、企業は利益を取り返すために過剰な競争を繰り広げるかもしれません。
ファッション業界で戦う革命者たちは、勝利を勝ち取ることができるでしょうか。

ピープルツリーのオンラインショップにDVDが再入荷しました


来週からファッションレボリューションウィークが始まります。
ピープルツリーはたくさんの人にこの事実を知ってほしい、革命に参加して欲しいと思い、映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』のDVDを再び販売します。
長いおうち時間に、私たちの暮らしに欠かせないファッションについて、考えてみる時間をつくってみませんか?

まだの方はぜひ、観た方はもう一度、ファッションが好きな方は何度でも!
いまこそ世界の「これから」に思いを巡らせてください。

映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』公式サイト
予告編が見れますので気になる方はぜひ!

映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』のDVDはこちら>



ファッションレボリューション公式サイト(英語)
ファッションレボリューションウィークに向けて世界中でたくさんのアクションが呼びかけられています。
コロナウイルス感染の拡大で多くのイベントがキャンセルになってしましましたが、オンラインで参加できるものが増えました。
世界で起きていることのニュースもたくさん掲載されているので、ぜひご覧ください。

水曜日

15

4月 2020

おうちで過ごそう、フェアに暮らそう
WFTO(世界フェアトレード連盟)のキャンペーンに参加しよう

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新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が経済に大きな打撃を与えている中、フェアトレードに携わる生産者、輸入販売事業者たちは手を取り合ってこの困難を乗り切ろうと模索しています。

76か国約300のフェアトレード事業者が加盟しているWFTO(世界フェアトレード連盟)は、メンバー団体同士で取り組みをシェアし、学び合い励まし合っています。
アジアのいくつかの生産者団体はマスクの生産を始めました。
型紙を共有したり、品質や生産効率の問題を一緒に解決しようと試行錯誤を続けています。

また、WFTOは世界中の消費者に向けて、“#StayHomeLiveFair”(家で過ごそう、フェアに暮らそう)というキャンペーンを行っています。

具体的なアクションは3つ。
・#StayHomeLiveFairのハッシュタグをつけてお気に入りのフェアトレード商品を投稿しよう
・フェアトレードをクラウドファンディングで支援しよう
・フェアトレードの商品を購入しよう

詳しくはこちらのサイトに!
英語のサイトですが、ぜひご覧ください。
WFTOの#StayHomeLiveFairキャンペーン
WFTOのinstagramはこちら

「フェアに暮らす」とはどういうことでしょうか?

まず、私たちが日々ものを食べ服を身に着けるとき、そのひとつひとつの向こうにいるつくり手のことを考えてみましょう。
今の時代は経済がグローバルに複雑につながり合い、食べ物も服も、多くが遠く離れた国でつくられています。
そして生産地の多くは、途上国と呼ばれる経済的に弱い国々。
ひとたびパンデミックのような事態が起これば、まっさきに深刻な影響を受ける人たちが大勢います。

世界第2位の衣料品輸出国であるバングラデシュでは、3月に1,000あまりの縫製工場で欧米ブランドなどからの注文のキャンセル額が1,600億円にも及び、工場閉鎖や従業員の解雇が相次ぎました。
現在までにその金額は3500億円に達し、200万人以上の衣料品労働者の収入が途絶えています。
ただでさえギリギリの生活をしていた人びとが、社会保障制度も十分でない中、突然収入を断たれて翌日の食費すらまかなえなくなっています。

フェアトレードの生産者団体と輸入販売団体は、できる限り予定通りの生産を続けてつくり手の生活を守ろうと、一緒に知恵を絞っています。

そしてその活動を支えられるのは、買い手である私たち一人ひとりの行動なのです。

ウイルス拡散を防ぐために、世界中で「家で過ごそう」という呼び掛けがされています。
それは、自分自身の感染を防ぐためだけでなく、他の誰かを感染から守るため。

自分の行動で誰かを傷つけないように、という思いやりは、自分が何かを買うときに、そのつくり手が笑顔でいられるかを想像することにも通じます。

例えば、日本国内でも厳しい経営状況が想像できる飲食店にテイクアウトをお願いしたり、通常の販路を絶たれて急遽ネット販売を始めたお花や食品を、応援の気持ちを込めて買うなどの行為が広がりつつあります。

やさしい気持ちで思いを馳せる相手を、身近なところから地球規模にまで広げてみませんか?

フェアトレードのお買いものは、経済的・社会的に弱い立場にあるつくり手に、安心安全に働ける場、希望の糧を提供することになります。

自分が選ぶものが他の誰かの幸せにつながっている、そんなやさしい暮らし方を、一緒に広めてください。

#StayHomeLiveFair (おうちで過ごそう、フェアに暮らそう) で、自分も、みんなもハッピーに!

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金曜日

26

10月 2018

板チョコに、素材を楽しむこだわりの新フレーバーが登場

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いよいよ販売が開始となった今シーズンのフェアトレードチョコ。
皆さま、もうお試しいただけましたか?
注目は、なんといっても新登場のフレーバー、ペルー75とホワイト・アーモンドです。
今日はそんな気になる2つの新フレーバーをご紹介します。

カカオ分75%以上!ペルー産のハイカカオチョコ!

まずはペルー75をご紹介。
ダークな背景にカラフルなカカオの実を付けたカカオツリーを描いたパッケージが特徴です。

その商品名のとおり、南米ペルーのカカオを使用しています。
カカオは、カカオベルトと呼ばれる赤道を挟み北緯&南緯20度の範囲の国々で栽培されている農産物ですが、南米が原産地です。
今年、ピープルツリーがフォーカスをあてるのは南米ペルー。
ペルー75ではペルーのカカオの風味を、ピープルツリーらしいチョコレートとして楽しんでほしいと思い、できあがったチョコレートです。

チョコレートの風味は、カカオマス(カカオ豆を細かく砕いてペーストにしたもの)が大きく影響します。
ペルー75のカカオマスは、南ペルーに位置するアプリマック川の近くに本部を構えるカクブラ、ペルー北西部に位置するピウラにあるノランディーノ、森の中にある都市ラマスのオロ・ヴェルデの3つの地域からなる生産者協同組合のものを使っています。
それぞれ1980年代の内紛や民主化運動、コーヒー・カカオの国際相場の下落など、様々な国際情勢不安を乗り越えて継続してきた団体と、その生産者たちです。
国際競争に負けない品質を探求し、カカオをつくり続けています。

ペルー産カカオならではの香り、味をみなさんに楽しんでいただきたい!とこだわったのが甘みの出し方です。
ピープルツリーのチョコレートは、甘みは黒糖と粗糖でつけられるのが特徴です。
黒糖はコクがあっておいしいのですが、甘みに特徴があるので、カカオそのものを味わっていただきたいビター系のチョコには少し個性が強すぎる面があり、粗糖を使いました。
そして、ペルーのカカオは酸味がやや強いため、ほんの少しのバニラ香料で食べやすく仕上げました。
こうすることで、ハイカカオでありながらフルーティーでまろやかな風味が実現しました。
ビター好きの人にはもちろん、男性にもおすすめの1枚です。

濃厚なミルクとココアバターがとろける!ホワイト・アーモンド

2つ目はホワイト・アーモンド。
アーモンドの中にウシがチラッと見えるかわいいパッケージです。


毎年お客さまからも好評なホワイトチョコ。
もっと濃厚でとろけるようなホワイトチョコをお届けしよう!とつくったのがこの商品です。

ホワイト・アーモンドはスイスのミルクを使っています。
『アルプスの少女ハイジ』で有名なスイスは、乳牛飼育が盛んで、スイスチョコレートと言えば、ミルクチョコレートと言われています。
スイスに行くたびに、ハイジやペーターが出てきそうな風景をみます。
ヨーロッパ社会においてはアニマルウェルフェアに配慮した畜産システムが発展してきています。
私たちは大切に育てられたウシたちのミルクをいただいているのです。

濃厚なミルクが主役のホワイトチョコレート。
アクセントにアーモンドを加えて工夫しました。
ちなみに、ホワイトチョコレートではカカオマス(茶色くなるもとでもあります)を使いません。カカオマスを使わず、また代替油脂も使わず、ココアバターを贅沢に使った口どけとミルクの風味を楽しむ、ホワイトチョコレートです。
お子さまにもオススメで、家族みんなで楽しめるフレーバーです。

いかがでしたか?
ピープルツリーのフェアトレードチョコは、どのフレーバーも素材や製法にこだわってつくられています。
カカオ豆の生産からはじまり、皆さまにお届けするまで。
それは長い長い道のりですが、そのひとつひとつの工程に生産者と私たちスタッフの「おいしいチョコを届けたい!」という想いがつまっています。
おいしいチョコが笑顔をつなぐ。
今年もたくさんの笑顔が皆さまに届きますように。

フェアトレードチョコ特設サイトはこちら >

月曜日

1

10月 2018

マカイバリとラジャ・バナジー氏の新たな挑戦
~ダージリンからの便りと、みなさまへのご報告~

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ピープルツリーが20年以上にわたりお届けしているインド、マカイバリ茶園のダージリン紅茶。
はじまりは1994年、茶園主のS.K.バナジー氏との出会いでした。

マカイバリ茶園のダージリン紅茶

歴史あるマカイバリ茶園を父から受け継ぐにあたり、4代目となるS.K.バナジー氏は、茶畑をとりまく山々の生態系との調和を大切にしたいと考え、人智学者シュタイナーの哲学にもとづくバイオダイナミック農法での茶づくりを始めました。自然や宇宙のリズムと調和した農法は、茶園の村に住み茶園で働くひとびととその家族1700人の健康と、サステナブルな暮らしを守ることにもつながっています。
とくに手摘みの収穫を担う村の女性たちを薪拾いなどの重労働から解放するために、バイオガスを供給する設備を開発・供給したり、茶園の中に学校をつくるなど、バナジー氏はさまざまな取り組みを実現しました。

いくつかの山々を擁す茶園の土地の3分の2、約400ヘクタールは原生林のまま残され、生態系を守りながら40年にわたり育まれてきた茶園には、「ティー・ディーバ」(紅茶の女神)と呼ばれる茶葉にそっくりな擬態虫(写真)が現れました。「もし農業が真にホリスティックな状態で行われていれば、重要な作物には擬態ができるだろう」というシュタイナーの言葉どおりになったのです
学校に通う子どもたちや茶摘みの女性たちが歩く茶畑の土も、豊かにふかふかとしています。

その思いを熱く語るバナジー氏の言葉と、マカイバリ茶園で大切につくられるお茶の風味には、出会うひとびとを魅了する、生命のエネルギーがあふれています。

そして近年では、ダージリン地方の他の茶園でも、バナジー氏の影響と指導を受け、オーガニック栽培、働くひとびとの権利を守るフェアトレードが広がっています。

ところが、昨年夏にこの地方で起きた民族紛争による大規模なストライキで、ほぼすべての茶園でお茶づくりができなくなったというニュースが世界中を駆け巡りました。

インドは日本の8倍の国土を持ち、多様な民族がそれぞれの地方の風土に根差した文化と暮らしを営んでいます。ダージリン地方は北東部、西ベンガル州にあり、ヒマラヤ山脈の懐、ネパールとの国境に位置し、もともとシッキム王国が少数民族を治める土地の一部でした。

シッキム王国は1975年にインドに併合され西ベンガル州とシッキム州に分かれ、異なる民族はそれぞれの固有の文化と尊厳を主張してきました。昨年2017年の6月、ダージリン地方で起こった民族独立・自治権を求める運動は、大規模なストライキへと発展し、さらに中国との国境をめぐる周辺地域での紛争も起こり、ダージリン地方の交通機関、ホテル、商店、政府系オフィスも3か月にわたって機能停止状態となり、マカイバリを含むすべての茶園が何人も立ち入れないまま放置されることになりました。

2017年9月、西ベンガル州知事ママタ女史の強いリーダーシップによってこのストライキは終結しましたが、ダージリン地方の茶園が受けたダメージは大きく、荒れた茶畑地の回復には数か月を要しました。秋摘みの収穫・生産量は前年までに比べ約9割減、市場価格が20%以上も上昇し、世界中の大手バイヤーの多くがダージリン紅茶の仕入れを取り止めて他の産地からの調達に切り替えるという、茶園にとっては維持存続が危ぶまれるようなとても深刻な事態となりました。

そんな中でも、マカイバリ茶園では丹念に茶木の手入れが続けられ、秋摘みオータムナルの時期には少量の茶葉を摘み取ることができました。天候にも恵まれた2018年春、ファーストフラッシュの頃には、想像を超える良質なお茶をつくることができ、茶園では喜びの声があふれました。まだ茶木の手入れ、回復の作業が続けられている中、マカイバリ茶園でも、8月には夏の茶摘みができたとのこと。やはり量は少なめながら、良質な仕上がりが期待できそうです。

バナジー氏の新たな挑戦

バナジー氏は今、ダージリン地方からさらにシッキム州へと活動の場を広げ、州政府とともにオーガニック&バイオダイナミック農法による紅茶づくりに取り組み、大きな貢献をされています。

シッキム州には、インドで唯一、政府が経営する茶園「テミ茶園」があり、50年近くにわたり人々に安定した仕事と収入の機会を提供しています。440エーカーの広大なこの茶園は、1969年、当時のシッキム王国の王様が人々の暮らしの糧をつくるために開拓しました。その時、マカイバリ茶園からたくさんの苗木を贈り、王様を支援したのが先代、バナジー氏のお父さんでした。
美しい山々に囲まれ、インドの桃源郷ともよばれるこの地は、ネパール、チベット、ブータンに囲まれ、かつてはチベットへの玄関口として交易が盛んな地域で、ダージリンのひとびととも親しく交流し助け合ってきたのです。


 
テミ茶園では現在427人が常勤でお茶づくりと茶園の運営に携わり、茶摘みの季節にはさらに120人が働いています。政府の経営により給与はインドの中で最も高い水準、医療や託児所や子ども教育など地域の人々に必要な福利についても茶園がしっかりとサポートしており、フェアトレードの認証を取得しています。

また、シッキム州はもともと、州全体で農業のオーガニック転換に取り組んだ、インドでも珍しい州で、紅茶だけでなくすべての農作物が有機栽培で育てられています。
テミ茶園も2005年にオーガニック農法を取り入れ、2008年には茶園全体がオーガニックに切り替わりました。

そして、こういったシッキム州の取り組みに共感したバナジー氏は、父の代からの縁があり理念と価値観を共有するシッキム州に活動の拠点を移し、より広範囲にわたるバイオダイナミック/オーガニックの指導を続けています。
これはマカイバリ茶園で長年にわたりバナジー氏と共に働いてきた仲間たちにとっても、新たなチャレンジとなり、マカイバリでは初めての女性管理職が誕生し、コミュニケーションのリーダーシップを担うなど、素敵な変化も起こっています。
バナジー氏は近年、講演や広報の活動で海外を旅することも多く、自身の不在のマカイバリ茶園への影響は何もない、と茶園の仲間に厚い信頼を寄せています。

バナジー氏がマカイバリで培ってきた、お茶づくりを通じて実現する地域の人々の健康と暮らしの安定、生態系と調和したサステナブルなコミュニティづくりという活動は今、壮大な信念に基づいてさらにそのすそ野を広げ、世界に広がる道の途にあるのだと、ピープルツリーは共感し、確信しています。

「テミ茶園は肥沃な土地と良質の茶樹に恵まれています。人々も一所懸命に働き、指導したとおりに実践してくれるので、最高のお茶ができることを期待しています。」とラジャ・バナジー氏は語ります。
シッキムはダージリンと似た気候で、春・夏・モンスーン、秋の4つの季節の紅茶は味・香りともにダージリン紅茶に近く、高い標高ならではの、華やかなフローラルな香り、繊細でまろやかな味は今、幻の紅茶として世界中から注目されている、とも。

自分の目の前にある環境と人との関係のなかで最善を尽くし、ひとつひとつ理想の形へと実現してゆく、バナジー氏の姿勢は、私たちに多くのことを教えてくれます。

ピープルツリーでは、これまでと変わりなく、マカイバリ茶園とバナジー氏の取り組みを応援し、季節ごとのお茶の風味とともに、茶園の様子をみなさんにお伝えしてまいります。

この春に摘まれたお茶を日本のみなさまにお届けするにあたり、現地での生産量の一時的な減少と価格の上昇を容認しながら、日本での販売価格を維持できるよう、弊社としてできる限りの努力と調整をしておりますことをお伝えいたします。

昨年からのいくつもの困難を乗り越えてつくられ、オークションでも高い評価を得た「上質な」お茶を、どうぞお楽しみください。
バナジー氏もお茶の作り手たちも、この春・夏のお茶の出来を、とても誇りにしています。

今後とも、バナジー氏とマカイバリの人々が育んできたバイオダイナミック・ダージリン紅茶を変わりなくご愛顧いただき、応援し続けていただけますよう、願っております。

「牛は、バイオダイナミックを象徴する生き物」とバイオダイナミックの概念を語りながらバナジー氏が描いた絵。(2014年、来日の時)

「牛は、バイオダイナミックを象徴する生き物」とバイオダイナミックの概念を語りながらバナジー氏が描いた絵。(2014年、来日の時)

おいしいダージリンティー、フレーバーティーはこちら >>

木曜日

7

12月 2017

皆がハッピーになるペーパークラフト

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こんにちは。
雑貨デザインのサラです

12月といえばギフトシーズン!
日頃お世話になっている人にクリスマスカードを書いたり、感謝の気持ちを形にしたい季節です。
誰かにギフトを選ぶ時はワクワクします。
誰かにギフトをもらった時も幸せな気持ちになります。
では、そのギフトをつくっている人のことを考えたことはありますか?

こちらは「slow paper」シリーズというペーパーアイテムです。

工場で、一度に大量に一気につくられるものではなく、
1枚ずつ手で空かれた紙に手刺繍がほどこされています。
丁寧に丁寧に時間を掛けて作られたから「slow paper」なのです。
いまどきこんなに贅沢なカードなんて、そうそうお目にかかれません!
思いを込めたメッセージを伝えるのにピッタリ。
大切な人へ言葉をプレゼントしてみてはいかがでしょう?

「slow paper」シリーズ >

 

この季節、お部屋をかわいく飾ってホームパーティに活躍しそうな
こちらのガーランドももちろん手漉き紙です。

4本で1セットになっており、クリスマスが終わったら新年仕様に早変わり!

 

それだけではありません!
色違いのパステルカラーのガーランドを使えば、お好きなマスキングテープと合わせるだけで
出産祝いやお誕生日会にもお使いいただけます。

 

ガーランドは他にもたくさんの種類があります。ぜひ、チェックしてみてください。

ガーランド >

 

これらの商品はバングラデシュで手間ひまをかけてつくられています。
ピープルツリーでは、環境に優しい素材で幸せな物づくりを心がけ、素材選びからも持続可能性を大事にしています。成長の早いジュートやウォーターヒヤシンスなど、森の木を伐採せずに現地で入手しやすい素材を使用し1枚1枚丁寧に紙を漉いています。

手漉きに使用する道具やつくる手順は、日本の和紙とほぼ変わりません。

 

日本の和紙とバングラデシュでつくられている紙の違いは、
材料にとろろあおいなどの“ねり”を入れないことと、
ケタを揺すって紙を漉くのではなく、ケタから水が落ちて
繊維が残るのを静かに待つというところです。

 

 

そんな紙モノをつくっている人々の笑顔が印象的です。

 

機械化が進み、何でもオートメーション化され、大量生産が当たり前の、
何でも手に入る時代だからこそ、つくり手の想いがこもった
みんなが幸せになれるモノを大切な人に届けてみてはいかがでしょう?

生産者パートナー団体「プロクリティ」のアイテムはこちら >

月曜日

16

10月 2017

ネパールの子どもたちの未来のために
寄付つきのお買いもの『Walk with Nepal』が再開

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1999年から18年に渡り、毎シーズンあたたかな手編みのニットアイテムを届けてくれる、ネパールの生産者パートナー団体「クムベシュワール・テクニカル・スクール(KTS)」。ニッター(編み手)の女性をはじめ、2,500 人以上の人たちに仕事をつくっている社会的企業です。

ピープルツリーでは、経済的・社会的に弱い立場の人びとに寄り添い、小学校や孤児院を運営するKTSの活動を支えるため、一昨年のネパール大地震の被災者支援のために行った「Walk with Nepal」を、子どもたちのサポート・プロジェクトとして再開します。

笑顔が素敵なニッターさん。子育て中のお母さんや学生など、時間をうまく使って編み物を仕事にしている女性がほとんど。

KTSは1983年に国会議員だった、シッディ・バハドゥール・カドゥギさんが始めた教育プロジェクトです。
当時のネパールでは、カーストの最下層に属する「ポデ」の人たちは、教育を受ける機会もなく、路上の清掃の仕事しかありませんでした。

創設者シッディ・バハトゥール・カドゥギさん。

カドゥギさんは苦しんでいる人びとがいる現状を変えたいと、貧しい家庭の子どもたちの保育サービスを地元の僧院で開始。
その親たちのために識字教室を開きました。そして、ポデの人びとが仕事の選択肢を広げられるよう、職業訓練も始めました。

編みもの、カーペット織り、木工という3つの研修コースを希望者に無償で提供し、コースを終えた人の働ける場として、それぞれの生産プロジェクトを運営するようになりました。

それがピープルツリーのニットアイテムをつくる生産チームの原型となったのです。

毛糸の染色作業の様子。KTSでは、糸を染めるのも仕事のひとつです。

保育サービスの活動は、1984 年に小学校の開設へとつながりました。
こういった活動が地元で知られるようになり、KTSには警察や行政の福祉サービス担当者から、身寄りのない子どもや家庭の事情で親が育てられない子どもを預かってほしいという要望が寄せられるように。

小学校開設から10 年後の1994 年、KTSはヨーロッパからの助成金と建築家の無償協力を得て、孤児院を建設しました。孤児たちが共同で生活し、栄養のある食事をとり、卓球などの室内スポーツもできる環境で暮らせる場を整えたのです。

KTSが運営する孤児院。

現在、KTSの孤児院には常時15 ~ 20 名の子どもたちが暮らしています。大学進学などで孤児院を卒業した子どもたちは述べ25人になりました。

2016 年6月、孤児院に9 歳と6 歳の姉弟が新たに入園しました。
ふたりの父親は、2015年4月のネパール大地震の際、遠くの村から中東に出稼ぎに出るため滞在していたカトマンドゥで被災し、帰らぬ人となりました。
母親は再婚して家を出てしまい、祖父母は貧しく、ふたりを育てることができないため、KTSを頼ることになったのです。

孤児院の寝室(ドミトリー)にて。子どもたちが安心して笑顔で暮らせる場所を提供しています。

KTSでは、同じような境遇の子どもたちを、孤児院の定員である20名に達するまでできるだけ受け入れたいと考えているそうです。
ピープルツリーは、2015年に実施した寄付プロジェクト「Walk with Nepal」を、この孤児院の運営のために再開し、KTSに資金を送ることにしました。

KTSが開設した小学校の生徒たち。子どもたちは学ぶことで世界を知り、未来への選択が広がります。

前回の「Walk with Nepal」では、KTSを始めとするネパールの生産者団体4団体がつくるファッションアイテム1 点ごとに100円を集め、KTSと「フェアトレードグループ・ネパール」に合計139万円を送りました。
その寄付金は非常時の飲み水確保のためのタンクの設置や、被災した女性たちの就労支援のための縫製トレーニングと30 台のミシンの寄贈などに使われました。

今回の「Walk with Nepal」では、KTSが震災孤児の受け入れを広げて、より多くの子どもたちが家庭的な環境で暮らせるよう、この8月から販売するKTSのファッションアイテム1点につき100円を、孤児院プロジェクトに寄付します。

経済的・社会的に立場の弱い人びとの自立を支援するというKTSの理念は、創設者のシッディ・バハドゥール・カドゥギさんから息子のキラン・カドゥギさんと孫のサティエンドラさんに引き継がれ、子どもたちの教育と、ものづくりを通じた貧しい人びとの収入向上という両輪で実現されているのです。

ピープルツリーの創設者サフィア・ミニーもたびたび訪れ、ニッターさんとの交流を楽しんでいました。

ピープルツリーはこれからも、フェアトレードのパートナーとして取引を通じて、また非営利の社会的活動を支えるサポーターとして、KTSを応援していきます。

プロジェクトの対象アイテムはこちら >

火曜日

27

6月 2017

セール時期だからこそ、価格以上に大切にしたい、商品の価値

Written by , Posted in 生産者のこと

みなさんこんにちは、ショップのオバナです。
6月もまもなく終わり、世の中はずいぶんセールでにぎやかになってきています。
ピープルツリーでも通販・直営店ともにセールが始まりました。

「なぜフェアトレードなのにセールするの?」
ときどき、そんな質問をいただくことがあります。
おそらくですが、値下げをしたらつくっている人たちに支払う金額が変わるのでは?と
ご心配いただいてのことだと思います。

まずご安心いただきたいのは、ピープルツリーから生産者団体へは、
セールかどうかにかかわらず、同じ対価が支払われているということ。

例えば、ピープルツリーのお洋服の多くは、出来上がった布を仕入れるのではなく
コットンを手摘みするところから始まって、糸にし、織ったり、ハンドプリントしたり……と
多くの手間をかけています。
そのため、通常のアパレルメーカーよりも長い時間を必要としています。
つくるのに時間がかかるということは、商品を売った代金が入るまでも時間がかかるということ。
だからこそピープルツリーでは、生産者団体が安心して生産に取り掛かれるよう、
材料の購入や賃金の支払いに充てるために、商品を注文した時点で必要に応じて
代金の一部を前払いしているんです。

そして、技術支援など金銭以外のサポートもしています。

今回のセールの一例を紹介します。

手編みアローコットンニット ケープカーディガン
¥16,000(税込¥17,280)→ ¥8,000(税込¥8,640)
*つくっているひと:KTS(ネパール)

ネパールのクムベシュワール・テクニカル・スクール(KTS)の女性たちが編んだニット。コットンと手紡ぎのアロー(ヒマラヤに自生する多年草、イラクサの仲間)の2種類の糸を一緒に編んださらりとした肌ざわりのカーディガンです。

 

トライアングルブロック タンクトップ
¥9,500(税込¥10,260) → ¥7,600(税込¥8,208)
*つくっているひと:クムディニ・ハンディクラフト(バングラデシュ)

バングラデシュのクムディニ・ハンディクラフトより届いたブロックプリントのトップス。グレイ系は古くからあるバティックプリントの技法を使っています。透け感のあるコットンボイル生地は、インナーによって雰囲気が変わるので、コーディネートが楽しみになります。

 

ツートーン手編みサイザルバッグ
¥8,500(税込¥9,180)→ ¥6,800(税込¥7,344)
*つくっているひと:マンゴ・トゥルー・ミラージュ(ケニア)

ケニアのマンゴ・トゥルー・ミラージュがつくるサイザル麻のトート。手編みのざっくりとした風合いと色の切り替え部分にジュズダマの実を編み込んだデザインがかわいい。夏のおでかけにぴったりのアイテムです。

 

フェアトレードは、つくったものを公正に輸入することがゴールではありません。
商品をお客さまであるみなさまにご愛用いただき、
さらにピープルツリーが新たな発注をすることで、生産者さんに仕事を提供できるという
サイクルを繰り返すことが重要なんです。

手仕事で、手間と時間をかけてつくられた商品には、想いが込められています。
それを大切に扱うのはもちろん、次の仕事を発注するためにも、
つくってもらった製品を捨てることなく、きちんと最後まで売り切ることも大切だと考えています。
もっと多くの人に手に取っていただけるよう、季節に合わせて商品の価格を下げてご案内しています。

お買いものの際には、「価格」だけではなく、商品の下げ札や生産者情報にも、ぜひ注目してみてください。
そこにはきっとみなさんがその商品を気に入ってくれるストーリーがあると思います。

ぜひ、自分もハッピーになれて、生産者さんも支援でき、
環境にもやさしいものづくりをサポートできる……
そんな一石何鳥にもなるフェアトレードのお買いものをお楽しみください♪

日曜日

12

2月 2017

糸と手からうまれた服

Written by , Posted in 生産者のこと, おしゃれ

デザインのサケミです。
寒波到来で冬の寒さの本番はこれからのようですが、
企画している立場としては、ピープルツリーの春物のスタートが待ち遠しいこのごろ。
今回の春夏のコレクションは楽しみなアイテムがたくさんで、
どれを買おうかと柄やデザインを思い浮かべながら、わくわくコーディネートの妄想真っ最中です。

今季のテーマは“Deep Sea”。
深い海の静かな青さ、海底の砂や岩、鉱物、動植物たちを連想させる
色や柄をベースにコレクションをつくりました。
なかでも、手織りのシャンブレー生地に手刺繍をほどこした
軽めのコートやドレス、パンツが今週から店頭に並び始めます。

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生地は波打つ静かな海をイメージしたものです。
そして、深海で揺らめく植物を刺繍の抽象的なパターンで表現しました。

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この洋服をつくっているのはバングラデシュの「タナパラ・スワローズ」です。
バングラデシュの首都ダッカから北西へ車で6時間。のどかな風景の広がるタナパラ村にあります。
タナパラ・スワローズで働くのは、ほとんどが女性。
バングラデシュだけでなく多くの国で手織りの作業は男性の仕事とされていますが、
ここでは手織りも女性の仕事です。

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手織りの生地ができるまでの工程について、少しだけ説明しましょう。

まず、糸をあらかじめ染め、生地の長さ、幅に必要なたて糸を準備します。
張りを均一に保ちながら道具に1本ずつ通して巻いていきます。
道具を挟んで向かい合わせに座り、1本ずつたて糸を通していくのです。

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ちなみに日本の着物の生地幅は約10寸(38cmぐらい)幅で、たて糸が1200~1300本必要ですから、
この生地の場合、約110㎝幅なので、およそ3700~4000本くらいの糸を通すことになります。
細い糸になれば、さらに多くの本数を通さなければなりません。
1本ずつですから、本当に根気のいる作業で、正確さも必要とします。

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次にリードと呼ばれるクシのようなものに糸を通します。
これは、たて糸の幅を均等に保ち、よこ糸の詰め具合を整えるものです。
よく手織りでトントンと音がするのを聞きますが、このリードを打ち込むときの音がそれなのです。

手織りの場合、織り始める前の準備がとても重要で、
織り始めたら約7割進んだことになると言われるくらい準備には根気と手間がかかります。

いよいよ織り始めです。

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この生地の特徴は、よこ糸を1本ではなく2本一緒に織ることで、凹凸があるように見せていること。
波打つ静かな海のイメージがこれです。
よこ糸2本の色をそれぞれ違う糸にすることで、
表面に見える色がちらちらとランダムに入れ替わり、不均等な横縞状になるのです。
なんとなく想像していただけたでしょうか?

魅力は手織りの生地だけではありません。
手刺繍も大きなポイントとなっています。

この刺繍は以前、タナパラ・スワローズを訪ねたときに、
私が描いた刺繍のデザイン案を現場の職人さんたちに渡して見本をつくってもらいました。
最初の試作品はカラフルな糸で刺繍してくれたのですが、
その中の柄のひとつを今シーズンのテーマ“Deep Sea”に合わせ、単色の刺繍に変更。
立体的なステッチがコートの袖口やドレスのデコルテまわりに自然に溶け込んでくれました。

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2_Swallows_emb_blue


サンプルをつくる段階で、生地と相性のいい刺繍の色になるよう修正したり、
刺繍のバランスを変えたり、さらにサイズごとに刺繍の配置を微妙に調整したり……。
つくり手さんたちとのやりとりを重ねて、ようやく製品にたどり着きました。

もちろん、刺繍も女性たちの手によるものです。
糸を染め、生地を織り、刺繍をほどこし、裁断や縫製を経て、洋服へと仕立てていくのです。

最後にアイテム別のおすすめポイントを。

いちばんのおすすめはさっと気軽に羽織れるコートです。
裏地なしのコートはブラウスの上にはもちろん、カジュアルなTシャツの上に羽織るだけで
エレガントに装うことができます。
襟のないタイプですが、襟ぐりにデザイン性があるので、きちんと感を持たせてくれるのです。
袖丈はブレスレットが見えたり、軽やかな印象になるように、ちょっとだけ短めの長袖です。

ワンピースはデコルテ部分の刺繍がアクセサリー代わりになり、それだけでやさしい華やかさが。
ウエストを軽く絞った人気のシルエットです。
ニットのカーディガンやボレロとも合わせやすく、
なんといってもこのワンピースは、着るだけで女子力アップする見栄えが魅力です。

パンツはヒールのあるパンプスでもフラットな靴でも合わせやすい、
ややワイドなクロップド丈にしました。
サンプル段階で、丈感を微妙に修正して、トップスと合わせやすいバランスにしています。
個人的にはシルクのプリントブラウスやきれいめのカットソーと合わせてみたい!と思っています。

みなさまにも、心弾む春の訪れを、軽やかな春の装いで楽しんでいただけたらうれしいです!

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金曜日

9

12月 2016

野の花のような可憐な愛おしさを毎日の中に

Written by , Posted in 生産者のこと, おしゃれ

ここ最近、道路脇の雑草や川べりの野の花が気になって​、​
下ばかり見て歩いています。

鮮やかな紅葉も捨てがたいのですが、
野の花の控えめなたたずまいのなかにある、
可憐でありながらも凛とした表情に、
愛おしさ​を感じ​​​、ついつい足元を眺める日々です。

いろんなことが​駆けめぐった一年。
急ぎ足で駆け抜ける前に、こんな風に立ち止まって、
足元に広がる世界に目を留めてみても良いのかもしれません。

もちろん、大輪の花​やキレイな花束​に​も、​大きな​魅力が​あります。​
​でも、​名前は知らなく​ても見慣れた草花たちに​は、
​可憐ではかない雰囲気と、力強く凛とした存在感​があります。

ピープルツリーのアクセサリー​は​瞬間的な華やかさよりも、
野に咲く花のよう​に​可憐な美しさを、
​毎日、​気負いなくまとってもらえるように、そんな願いを込めてつくっています。

WHITE ―やすらぎの白―
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インドの女性たちが手編みしたネックレスや、ハンドメイドガラスのネックレス。
存在感のあるフォルムなのに​自然に身につける人に馴染んでいく……。
自然素材だけを使​っているため色合いが​やわ​らかく、
パーツの​一つひとつが不揃いなことが、やさしい印象を後押ししてくれ​ます​。
ネックレスのビーズ、ひと粒ひと粒も、エナメルのピアスひとつも、
すべて職人さんたちの手づくり。
機械​でただ大量生産するのではなく、
ひとつひとつ手でていねいに仕上げた​ものだ​からこそ、あたたかく、​
身につける人にすっと馴染んでくれ​ます​。


PINK ― 香るような甘いピンク ―
pink


淡い香るような気持ちを演出するのは、
ローズクォーツを配した存在感のあるバングルや、動くたびに揺れるフリンジピアス。
​ローズクォーツは、愛とやさしさ、内面の美しさを育てると言われる天然石です。​
身につけることで​、知らなかった自分の女性らしいやわらかな魅力を引き出してくれます。
ピンク色のように甘く、やさ​しさを印象づけるアクセサリー。
知らない自分を見つけるのはけっこう楽しいものです。


BLACK ― ​気合いをいれたい黒​ ―
black


気合いを入れたい​ときは、
ゴールドやシルバー、ミニマルでメタル感たっぷりの素材​がぴったり。​
クー​ルな​​がら女性らしい​やわらかなニュアンス​が輝きます。

この力強​さの中に、やわらかなニュアンスのあるアクセサリーは、ケニアでつくられています。
金属の板をハンマーでたたいてパーツをつくったり、
ワイヤーをカットしてチェーンをつくったり、
ほぼ​すべ​ての工程を手作業で行い​、​アクセサリーを​制作しています。
働いている​多く​は重い障がいを抱え、教育も受けられなかった人​たち。
誰もがそれぞれの個性を活かすことで、自分の仕事に誇りを持ち、笑顔で暮らしています。


COLOURFUL ― ただ楽しむために ―
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身につけるだけでパワーが湧いてきそうなカラフルなハンドメイドガラスや、
ひとつひとつ手づくりされた陶器やフェルトのブローチ。
個性豊かに煌めくことができます。
​普段の生活の中でも​自然にふれあい、 木々や草花、空を眺めたりすると、
深く癒されて、自然からたくさんの力をもらえます。
生きているといい​こと​もあれば、​つらい時もあります。
そんな時は無理に元気​を取りつくろわず、思いっきり​​その時間にひたってください。
​まわりの人の​やさしさに甘えてみたら、
びっくりするくらいたくさんの『気づき』が生まれて、自然と楽しくなっていきます。


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野の花のような可憐な愛おしさを毎日の中に。
職人の手で手づくりされたアクセサリーは、
あなたの内面を映し出し​、​輝かせ​ます​。
そして​、​つくり手やその家族、ご近所さんやその地域にまで
笑顔をもたらし​、​伝播していくことができる​のです​。

職人さんたちの手から生み出されたものを身にまとうことで、
​やさしい想いを重ね​、素敵なときを重ねていけますように。
遠くにいる人も、近くにいる人も、みんなの笑顔が輝くホリデーシーズンになりますように。
願いを込めて。

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金曜日

25

11月 2016

ラッピングにも想いを込めて

Written by , Posted in 生産者のこと

ウェブ担当のタケマツです。

もうすぐクリスマス。
街はイルミネーションでキラキラして、クリスマスソングがどこからともなく流れてきますね。
1年でこの時期が一番好きという方もいらっしゃると思います。
私ももれなくそのひとりで、クリスマスの華やかな街を歩くのが大好きです。

クリスマスといえば、やっぱり幼い頃を思い出します。
12月になるとソワソワしながら、指折り数えてクリスマスを待ってドキドキ。
いざ当日、朝起きたら枕元にずっと欲しかったものが置いてある。
もうサンタさんは来ないけれど、あのときのからずっとクリスマスは私にとって
特別な1日のままな気がしています。

そう。クリスマスを特別な日にしているのは、私にとって「プレゼント」です。

ラッピングも贈りもの
ピープルツリーでは、つくっているモノはもちろん、ラッピングにも想いを込めています。
「ラッピングなんてすぐにとってしまうじゃない!」と思っているあなた。
ラッピングはあなたの想いを映す鏡。侮ってはいけません。
まず目に飛び込んでくるのは、ラッピングされたプレゼント!そこでみんながとびきりの笑顔になるのです。
ラッピングはミュージカルでいうオープニングアクトのようなもの。
本編が始まる前に盛り上げる大事な役割をしてくれます。

ピープルツリーのギフト袋は、紙をつくるところから始まります。
木材パルプは使わず、原料となる再生繊維をじっくり煮てやわらかくし、繊維をバラバラにします。
それを1枚1枚漉いて、さらに太陽の下で乾かしてできあがります。

ラッピングにも想いをこめて

①再生繊維を煮てやわらかくした後、水と混ぜて繊維をバラバラにします。
②1枚1枚、手作業で漉きます。
③漉いた紙は濡れた状態で重ねていきます
④天日干しをして乾燥したら完成!

こうやって手作業でつくられた紙に今度は1枚1枚ていねいに柄をつけていきます。
もちろん手仕事で、紙の上に柄が切り抜かれた型を置いて
上から染料をのばし、色をつけていきます。
これはスクリーンプリントと呼ばれる技法です。

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最後に、できあがった紙を裁断してミシンで縫ってギフト袋のできあがりです!
リサイクルサリーでつくった紐と、ウッドビーズで結べばかわいいギフトラッピングの完成!

①ふちをミシンで縫って ②リサイクルサリーとウッドビーズ ③結べば完成!

①ふちをミシンで縫って
②リサイクルサリーとウッドビーズ
③結べば完成!

こうして気の遠くなるような長い工程を経て、ピープルツリーのギフト袋はできあがります。
プレゼントを受け取る人がもっと笑顔になるように、贈り手のやさしい想いが伝わるように。
ラッピングも大事な贈りものだから、ひとつひとつ、手づくりすることを大切にしています。
※ラッピングバッグのデザインはシーズンによって変更する場合があります。

贈りものをしよう
1年間ありがとうの感謝の気持ちを込めたり、頑張った自分へのご褒美だったり。
照れくさくて普段はなかなかできない贈りものや伝えたい想いも、「クリスマスだから……」をきっかけに思い切ってしてみると、思いがけず相手の笑顔を見ることができたりして、とても幸せな気持ちになります。

今年はぜひラッピングにも少し手づくりや手仕事を取り入れてみてください。
ラッピングにも心温まる想いを込めて。
みなさんにとって、素敵なひとときになりますように。
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